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WSJ-EDS、コンサルティング部門A.T.カーニーの売却目指し交渉

ヒューストン（ウォール・ストリート・ジャーナル）米情報技術(IT)サービス大手のエレクトロニック・データ・システムズ(NYSE:EDS)が、コンサルティング部門のA.T.カーニーをコンサルティング・投資会社であるモニターグループに売却する可能性について交渉している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

EDSは20日、A.T.カーニー幹部に対し、身売り先候補が挙がっていること、また、１月からカーニーが堅持してきたスピンオフ(分離・独立)計画はもはや選択肢にはないと伝えた。

EDSは、ソフトウエア・財務サービスグループの最高経営責任者(CEO)を更迭した後で両グループを売却、IT外部委託(アウトソーシング)事業を再編した。マイケル・ジョーダン会長兼CEOは、2003年３月の就任間もなく、カーニーを「非中核」部門と指定した。

EDSの広報担当者は、同社が「カーニー幹部によるマネジメント・バイアウト(MBO)はもはや考えていない。第三者への売却を検討している。それが顧客、EDS、カーニーにとって最大の利益だと考えるからだ」と述べ、売却の方針を確認した。買収交渉にかかわる企業名は明らかにしなかった。

モニターグループのアラン・カントロー最高コンテンツ責任者も社則を理由にコメントを控えた。

EDSは10年前にカーニーを買収。しかし、ITサービスのアウトソーシングにうまく対応できず、ここ数年は売り上げ減少と赤字が続いた。昨年の売上高は８億0600万ドル(前年は８億4600万ドル)、損益は1000万ドルの赤字(同700万ドルの赤字)だった。

一方、米市場調査会社ケネディー・インフォメーションによると、モニターグループの規模はカーニーの半分弱ながら、年間成長率は推計約15％。

サンフォード・バーンスタインのITサービスアナリスト、ロッド・ブルジョワ氏は、EDSがカーニーをその年間売上高の半額相当(約４億ドル)で売却すると予想。同氏は「激安価格といってもいい。EDSは組織的問題から解放される。新しい資金を調達するという戦略的目的はない」と指摘した。

モニターグループは22年前、ハーバード・ビジネス・スクールで立案された戦略理論を追究するため設立された。ケネディー・インフォメーションによると、コンサルティング部門の昨年の売上高は約３億ドル。そのほかにはサービス・投資部門があり、資産運用額は約18億ドル。04年には法人向けアウトソーシングにかかわるコンサルティング会社テクノロジー・パートナーズ・インターナショナル(本社ヒューストン)の過半数株式を取得している。

米市場調査会社コンサルティング・インフォメーション・サービシズのトム・ローデンホイザー社長は、今年に入りEDSからの身売り提案を受け、カーニーでは幹部の流出が続いたと指摘。「カーニーはあってなきに等しい」とコメントした。