A.T. カーニー プリンシパル ��田 隆弘氏インタビュー

��田 隆弘
他ファームを経てA.T.カーニーに入社。日米中における10年以上のコンサルティング経験。
自動車・航空業界（OEM・部品）を中心に活動。
事業戦略、開発戦略、オペレーション変革等、数多くのテーマに従事

movin:

本日はインタビューのお時間を頂き、ありがとうございます。まず初めに、ご経歴についてお聞かせください。

��田様：

アメリカの大学を卒業後、東京に戻り、独立系のコンサルティング・ファームに就職しました。外資系ファームやITベンチャー出身者が創業してまだ間もない会社でした。当時は従業員数10-20名ほどの少人数な中、ベンチャー精神で昼夜問わず仕事に打ち込み、社長を始め皆会社で寝泊まりするといった日々でした（笑）。国内の大手企業に対するオペレーション改革で強みを発揮し、ITバブルの最中でITベンチャーにも劣らぬ成長率で年々事業拡大していきました。入社4年目の頃、成熟市場に移行しつつあった中国に事業機会を見出して進出することになり、現地法人の社長に抜擢されて上海に赴任しました。クライアントは日系現地法人、中国ローカルの企業で、当時の私は経営コンサルタントと企業経営者の2つの使命を背負い、悪戦苦闘の日々でした。
上海で3年半の間、現地法人の立上げ死にもの狂いで取り組んだ結果、優秀な現地従業員、新参者の若造に信頼を寄せて頂いた多くのクライアントや現地パートナーのお陰もあり、現地法人は一定の顧客基盤、支援体制、収益性を確立できました。その間には様々なストーリーがありました（本日は割愛）。そして、改めて“経営”の難しさ、“戦略性“の重要さを痛感し、経営戦略コンサルタントとしての道をさらに極めたいという思いが強くなっていたこともあり、退社。海外生活で培った英語力と国際感覚を活かしたいと思い、2017年にA.T. カーニーに中途入社しました。
現在は自動車・航空業界を中心領域とし、国内外を問わず事業戦略、オペレーション・トランスフォーメーション等（開発業務変革、サプライチェーン変革、コスト改革など）をテーマに支援しています。

movin:

アメリカや中国で生活した後、日本に戻られて、逆カルチャーショックみたいなことはありましたか？

��田様：

海外にいたときに、資本システムが発達していて新たな事業が次々とスケールする米国、共産党の強烈なリーダーシップによりまるで一つの企業であるかの如く直線的に成長を目指す中国、を肌で感じ、日本の経済やシステムは旧態依然としてすっかり活気を失っているように思えました。しかしながら「ソト」からの視点でこそわかる日本の良さがあります。開発や生産におけるエクセレンスを追求して世界に向けてトップクラスの魅力品質を提供して戦後の高度経済成長を支えてきた日本のモノづくりを心から尊敬し、支援し、強い日本を取り戻す一助になりたいという「大和魂」が、外国暮らしで強くなったのかもしれません（笑）
A.T. カーニーで、日本の製造業、特に自動車や航空業界のプロジェクトに携わっているのも、そういった「日本のモノづくり」のエクセレンスを近代観点、商業観点からも変革し、国際競争力を高めたい、という思いからです。

movin:

転職前の会社と比較して、A.T. カーニーが良かった点を教えていただけますか？

��田様：

たくさんありますね…月並みですが、“CEO次元／国家レベルでの戦略アジェンダ”、“グローバルスケール”のプロジェクト、に携われることですかね。それでいながら、社内は官僚的でなく、“個”を尊重してくれるカルチャーがあります。それぞれ個性や得意分野は違っても共通の価値観を持った同僚たちが多く、日本のみならず海外とも闊達な意見交換やディスカッションをしますので、視座の高まり、知見や視野が広がりを実感しています。
また、グローバルスケールのプロジェクトながら、日本発のプロジェクトが多いのも魅力です。

movin:

コンサルティング以外にも寄稿や執筆など対外的な発信もされてますね

��田様：

自動車業界への提言として「世界水準の自動車システムサプライヤーへの旅 〜 日系サプライヤーを世界水準に改革していかなければならないのは今」や、「Kearney Automotive Review 2021」を共同執筆、またオペレーション領域においては一般財団法人海外投融資情報財団の情報誌に「攻めのSDGsにおける戦略と実行の要諦〜バリューチェーンが生きた戦略の核となる」と題して寄稿しました。

movin:

最後にA.T. カーニーを目指す方へ一言、お願いします

��田様：

Where there is a will, there is a way.
日本のことわざですと「為せば成る」ということになると思いますが、何かを成し遂げたいという強い「意志」を持った方に入社していただきたい。与えられた仕事をこなすだけではなく、「こうしたい」「こうありたい」という意志があってこそ、己を律し、社会を変え、日本を変え、世界を変えることができると思います。