1973年に設立、世界37か国に58拠点を持ち、クライアントと共に「真の結果」 の実現という共通の目標に向かって、企業が競争力を持った強い組織へと変革し、業界のルールを再定義できるように戦略提言を行っている「ベイン・アンド・カンパニー」。
どのような社員が、どのような思いのもとで働き、そしてやりがいを見出しているのでしょうか。現在、ケース・チーム・リーダーとして働く入社4年目の社員、井上佳代さん(中途採用)に話を伺いました。
※役職・肩書、インタビュー内容は、本インタビュー時のものになります。
movin:
まずは井上さんの経歴を教えてください。
井上様:
前職は化学メーカーで働いていました。新卒入社からしばらくは愛媛県にある製造プラントで原価管理や設備投資の計画立案といった経営管理に携わり、その後、本社の経営企画部門に異動しました。そのタイミングで、かねてより希望していたMBA留学の許可が会社からおりたので渡米し、2年間学びました。
movin:
コンサルティング業界へのキャリアチェンジを明確に意識したのは、いつごろでしょうか。
井上様:
留学前はまったく考えておらず、アメリカで学ぶうちに徐々に興味が芽生えてきました。これは、一緒に学んだコンサルティング業界出身の仲間から、たくさんの刺激を受けたことがきっかけになりました。授業のなかにスタートアップ企業のケースを扱うコンサルティングの疑似体験のような課題があったのですが、同じチームのコンサルティング業界出身の友人は、プロジェクトを率いる力、組織の問題を突き止める力が抜群に優れていました。その姿に感銘を受けたことを機にコンサルティング業界に興味を持ち、短期間のインターンシッププログラムに参加してみたら、とてもおもしろくて。次第にコンサルタントとして働きたい思いが募り、卒業後ベインに入社しました。
movin:
転職にあたり、コンサルティングファーム数社から話をお聞きになったそうですが、そのなかからベインを選んだ理由を聞かせてください。
井上様:
大きく三つあります。一つ目は、「圧倒的にグローバルな環境にある」ことです。私はシカゴで面接を受けましたが、面接官は南アフリカ出身の男性でした。このエピソードだけでもベインに国や国籍の垣根が無いことを理解するのに十分でした。そして、入社の準備を行うなか、東京オフィスもまた日本人だけでなく、様々な国籍の人や、受けた教育や育ってきた環境など様々なバックグラウンドを持つ人々によって構成されていることを知りました。留学先のアメリカでの就職の可能性も検討していましたが、ベインなら日本にいながらもグローバルな環境で働けることをひしひしと感じ取れた点は、入社を決めた一つの要因になりました。
二つ目は、「人の育て方がユニーク」なところです。コンサルティングファームと聞くと、各業界の専門家集団をイメージする人もいると思うのですが、ベインは、統合的な思考、知識を養いつつ、自分の専門分野を築いていけるように人材を育成しています。これは、ベインがクライアントにとって単なるアウトソース先になるのではなく、クライアントが持ち合わせていない思考や知見を補完し、提言する役割を担うために重要です。私は、様々な業界に興味があったので、人材育成の根底にこうした考えがあるのであれば、幅広い経験ができるだろう、と期待できたことも理由として挙げられます。
三つ目は、「働いている人の良さ」です。入社前に社員とやり取りをするなかで、純粋に良い人が多いと感じました。コンサルティングファームと聞くと、偉そうな人がたくさんいる場所をつい想像してしまったのですが、ベインの社員はそういうおごりが全くなく、むしろ誰もが素のままで楽しく仕事をしている印象を受けました。このような環境なら私も楽しんで働いていけると思いました。
movin:
入社後、井上さんのこれらの印象をさらに決定づけた出来事はありましたか。
井上様:
最後に挙げた「働いている人の良さ」は、その印象をより強めることになりました。社歴や役職に関係なく、クライアントにとって正しいと思うことを実直にぶつける姿勢を全員が持っていることはポジティブな驚きでした。というのも、それまでの私はコンサルティングの仕事を、クライアントが描くゴールに向けてシナリオに沿ったサポートをすることだと勘違いしていた点がありました。ところが、実際はまったく異なりました。ベインは、分析をするなかでクライアントが当初想定していた方向とは異なる結果が出てきた場合には、正しい方向に舵を切り直すことを進言し、納得していただけるように思考を張り巡らせながら説得をします。そういう場面に立ち会うなか、この姿勢こそベインの良さなのだと感じることが何度もありました。
ベインには、「True North(真北)の追求」という信条があります。これは、通説や一見正しい答えではなく、企業と社会の最大価値追及の視点から、客観的な事実の分析に基づき実行可能性も考慮された「本当の答え」を提供するマインドを示すもので、ベインのカルチャーになっています。
movin:
ちなみにベインには、井上さんのように中途入社する人も多くいると聞きます。それぞれにどのようなバックグラウンドを持っているのでしょうか。
井上様:
私と同様、MBAを修めた人が入社するケースと、一般企業や官公庁での就業を経て入社するケースの二つが大半だと思います。会計士あるいは弁護士のようにプロフェッショナルファームから転職してきた社員もいます。
movin:
それまでのキャリアは違うものの、ベインで活躍している社員が共通して持っているマインドやスキルはありますか。
井上様:
考えることが好きな人が集まっていると思います。それも「問題があるなら良くしよう」と誰もがポジティブなエネルギーに満ち溢れています。考えることに息詰まりそうになる日もあるはずなのですが、それでも突き詰めることをやめない人たちの集団だと感じます。
movin:
しかし、新たに入社した人が、そのマインドを体得するまでには苦労することもあるのではないでしょうか。井上さんご自身の経験と、克服していくまでのストーリーをぜひ聞かせてください。
井上様:
個人差はありますが、この突き詰めて考えられるようになるには、訓練が必要だと思います。私の場合、前職では、他部門から渡されたビジネスアイデアに付加価値を加えることよりも、いち早く別の部門に割り振り、円滑にプロジェクトを進めていくことを求められていました。ベインに入社してからもしばらくは、クライアントから相談されたことを誰かに振る、もしくは深く考えるより、とにかくその場でいち早くお戻しするというような仕事の仕方をしていました。やがて、チームメンバーから「もっとクライアントのもとにある根源的な原因をしっかり探ったうえで、答えを出さなければならない」と指摘され、ようやく以前の仕事のスタイルとはまったく異なる働き方を求められていることに気付きました。パスを早く回すのではなく、ボールをギュッと握って考え、出した答えをクライアントにお返しする。さらには、行動に移していただく。これができないことには、コンサルタントとしての真の価値が生み出せないと気付くには、多少の時間がかかりました。
さらには、こういった手順を踏むにも当初は思考力が足りず、立ち止まることもしょっちゅうで……。ただ、ベインには、その踏み込みの力の強い人が多数います。傍らで傷だらけになって学びながら、どうにか進んできました。
movin:
その深い思考力を体得させるために、ベインではどのようにして育成していくのでしょう。
井上様:
ベインでは個々人の成長を促すためにグローバル、国内両方で様々なトレーニングが組まれていますが、私は日々のディスカッションに尽きると思っています。ケースに存在する一つひとつの問題にどう切り込み、答えを出すのかをディスカッションを通じて見つけることを繰り返します。すると、入社当初は「現在、こういう状態ですが、どうすればよいと思いますか?」と自分の意見よりもほかの方の意見を先に聞いていましたが、「私はこう思います。どう思いますか?」というようにディスカッションの基盤になり得るものをこちらから提供できるようになり、それによって答えの精度や答えを出すまでのスピードも上がってきたように思います。ここへ至るまでに私は約半年かかりましたが、この"仮説思考"を体得したことで初めてコンサルタントの道が開かれたように感じます。
movin:
続いて、ベインが扱うケースについて聞かせてください。最近ではどのような案件が増えているのでしょうか。近年のマーケットの動きを交え、お聞かせください。
井上様:
ベインがご相談を受けるケースでは、日系・外資問わずトランスフォーメーション案件が増加傾向にあります。国内の競合他社と戦っていればよかった時代は終わり、国も業種もボーダレスの現代は、さまざまな相手とさまざまなフィールドでしのぎを削らなければなりません。私は現在、小売業のケースを担当していますが、Amazonのような巨大プラットフォーマーや専門性の高いプロダクトを提供する新興企業など、さまざまなプレイヤーに先を越され、追いつこうにも追いつけずに苦しんでいる企業を目の当たりにしています。しかし、その厳しい現状と対峙し、自らのビジネスモデルをトランスフォームしようとチャレンジする企業が出てきているのも確かです。
movin:
このトランスフォーメーション案件に携わるにあたって、武器になる経験やスキルは何だと考えていますか。
井上様:
プロジェクトマネジメントの経験は活かしやすいと思います。加えて、「変革の推進力になる」という考え方を備えていることも大きな武器になるでしょう。
また、コンサルティングをするうえで、あるときはクライアントに大胆なアクションを素早くとることを促し、あるときは手を取り合って慎重に進めるという局面を迎えることもあります。ここは、トランスフォーメーションの最も難しい部分であると同時に、コンサルタントの腕の見せどころなのですが、事業会社で働いた経験のある方は、そういう場面に遭遇した経験を豊富にお持ちなので、感覚的にこのような繊細な場面にも適切に対応できる人が多い。このクライアントの状況に応じた判断力もまた、活かせる部分と考えます。
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