3つのインダストリー分野、公共、産業、金融を中心に、マネジメントコンサルティングを手掛けているNTTデータ経営研究所。
SIやシンクタンク機能のイメージが強い同社だが、IT系では、最上流であるIT戦略やシステム化構想策定、CIOサポートなどが多く、公共系を含めた総合的なサービスを提供するコンサルティングファームとして多くのクライアントから信頼を得ている。
また、古くからクライアント企業の新規事業開発に関するプロジェクトでは多数の実績を有する。
今回は、情報戦略事業本部、野中氏に同部門の魅力や特徴、働き方や、求める人材像など、お話を伺って参りました。
※役職・肩書、インタビュー内容は、本インタビュー時のものになります。
movin:
本日はお時間をいただきありがとうございます。
早速ですが、野中様が所属されている情報戦略事業本部について、どんな組織なのか、具体的にどんな業界・テーマのコンサルティングを手掛けているのか、これから手掛けていくのか、お伺いしてもよろしいでしょうか。
野中様:
情報戦略事業本部は、一貫して、官・民問わず様々な組織の変革にコミットしてきた組織です。現在はコンサルタントが60名を超え、スタッフを含めて70名程度の規模になってきています。デジタルや新しいテクノロジーをテーマとした、戦略策定・変革の実現を中心に、様々なコンサルティングサービスを提供しています。
本部の中は、ビジネストランスフォーメーションユニット(BTF)、デジタルイノベーションコンサルティングユニット(DIC)、ソーシャルアンドビジネスイノベーションユニット(SBI)という3つのユニットに分かれております。BTFはクライアントの"コア・コンピタンス"に直接的な価値提供を行っており、先進的技術の活用をベースに、如何にイノベーションを起こすかをテーマとしています。DICは新しい顧客経験価値の提供を行っており、産業界から官公庁まで業界横断的にデジタルを活用したイノベーションの実現の支援をしています。最近はCX(Customer Experience)の推進がテーマとなっていますね。SBIは昨年立ち上げた組織ですが、社会問題の解決、持続性のある社会の創造をテーマに、現在は官民のデジタル案件を中心にサービスを提供しており、私がユニット長も兼ねています。官民両方に対してこういったサービスを同じ組織でやっているところはコンサル会社ではほとんどないかと思いますが、当本部では両方やっています。昨今では、先進的な取り組みとしての産官学連携が増えてきているため、そういった複数のセクターにまたがるビジネスをプロデュースし、戦略を作れるようになっていかなければならないと考えています。
手がけているコンサルティング領域としては、構想・戦略に関わる上流寄りのプロジェクトが多く、次にそれを具体的な実行計画に落とすところくらいまでが殆どでした。しかし、昨今はお客様のプロジェクトのサイクルも非常に早くなってきており、構想・戦略からPoCを経て実際のビジネスへの展開までを一気に手掛ける事が多くなってきています。それも1〜2四半期という速さで。ひと昔前のコンサルティングのスタイルからだと想像もできなかったでしょう。
弊社がNTTデータの子会社なので、システム導入に関わる仕事が多いと思っていらっしゃる候補者の方も多いのですが、当本部では、システムの導入に関わる仕事やそのPMOなどは殆どありません。
また、産官学連携はもちろん、国・自治体の極めて上流のプロジェクトや、深く技術に依存しているプロジェクトを含め、規模の大小にこだわらず、最先端かつ面白みのある案件も積極的に受けているというところも当本部の特徴ですね。積極的にこういった規模の小さな案件にも携われるのがうちの組織の良いところです。
調査・提言・発信系の仕事も昔から数多く手掛けています。経済産業省とともに「デジタルガバナンスに関する有識者検討会」の事務局を受託していたり、デジタルに関わる業界の方々に広く読まれているレポートの策定にも深く関わらせて頂いております。
そのほかにも、大学や研究機関との連携も、今後はますます増えていく予定です。これまでもサービスの提供先として連携することは多かったのですが、2021年度からは新しい取り組みとして、私が大学のMBAの講座を担当することにいたしました。これをきっかけに大学との連携を強化し、共同研究なども更に広げていきたいと思っています。当社のミッションは、"新しい社会の姿を構想し、ともに「情報未来」を築く。〜Design for Info-Future"であり、ビジネス一辺倒ではなく、社会への貢献も強く意識しています。
movin:
ありがとうございます。
情報戦略事業本部の特長や、良さ・強みを教えてください。
野中様:
当事業部の良さは、やはり自分の好きなコンサルティングを追い求められることですね。インダストリーやサービスに関係なく、さらにはプロダクト・パッケージにもとらわれることなく、自由なコンサルティングをやれる。また、規模に関わらず手がけられるのも良い点ですね。例え規模が小さくビジネスにはすぐにつながらないような案件でも、社会的な意義を感じたり、新しい・面白い取り組みであると思えば当社は引き受けます。もちろん事業会社である以上、きちんと数字は上げていかなければならないのは当然ですが、短期業績に極端に注力して過大な売上目標を現場に押し付けたり、自社都合の提案をさせたりはしないですね。
そこが当社の良いところだと思っています。また当社では、本部やユニットにある程度権限が与えられており、機動的にリソースアサイン、外部パートナーの活用が可能となっていることも大きな魅力です。セールスにおいては、当社単独で提案することも出来ますし、NTTデータの営業やデリバリーの部隊と協業しながらグループ全体の価値を高める様な提案を行うことも出来ます。コンサルティングのサービスについては完全に独立性が保証されており、グループのサービスや製品を売らなければならないミッションはありません。私自身も今が一番、何の制約も受けずに自由にコンサルティングができています。
経営研として独立性が高く、製品やサービスに縛られず独自にコンサルティングが可能な一方、お客様の要請に応じてグループのリソースを活用したサービスも提供できるようになっています。そのほか体制面での特徴としては、専門のリサーチャーが本部に所属していることです。コンサルティングにあたっては市場や各種事例のリサーチは必須となりますが、当組織にはプロフェッショナルな要員・環境が整っており、ここも当社独自の良い点だと思っております。
movin:
NTTデータ経営研究所の中でも、若手の育成に定評がある様ですが、比較的ジュニアなコンサルタントの方の育成やアサインについてお聞かせください。
野中様:
若手層への育成は、当本部として特に力を入れているポイントです。会社全体としても研修制度は整っていますが、それらに加えて本部独自の教育プログラムも実施しています。現在、中途入社の方には、入社後に本部独自のトレーニングを1〜2週間ぐらいかけて受けてもらっていますが、今期は既存社員でコンサル歴の浅い方、また新入社員の方々も対象にも広げる想定で、現在トレーニングメニューを組み直しているところです。またジュニアメンバーを指導する立場の中堅以上のコンサルタントに対するコーチング教育にも力を入れています。コンサルタントの仕事はOJTで学ぶことが基本となっていますので、育てる側のマインド・スキルセットを高めることが重要だと考えています。育成における問題の大半が、育成される側ではなく、育成する側の問題だと考えているからです。
さらに、若手メンバーには具体的なスキルマップを用いながら、四半期ごとにユニット長、コーチ、本人で育成・能力開発についての振り返りと、次の四半期にどのように能力開発を進めるかのコミュニケーションを取るようにしています。評価するのではなく、何が足りていないかの見える化を行い、本人たちに気づきを与え、自ら改善していく様に働きかけることを目的に行っています。また週次で行っているリーダー会でも、特に経験の浅いメンバーの状況は気にかけ、成長の具合やチームへのなじみ具合などをきめ細かく確認し、早目に気付ける様にしております。
若手のメンバークラスが、幅広い経験を積むことができるように、私がみている本部やユニットにおいては、積極的にクロスアサインを行うことで、様々な仕事・クライアントのプロジェクトに関わることができる環境を提供しています。プロジェクトメンバーが全員違うユニット、ということも珍しくありません。
movin:
情報発信などについても大変盛んだと伺っておりますが?
野中様:
研究・情報発信に関する活動は会社全体で非常に盛んですが、その中でも当本部は多くの情報発信を行っています。若手であっても、個人の名前で執筆や講演をすることもできるのは、大変よい制度だと思っております。ただ単にデリバリーを繰り返していくだけではなく、こうした経験を積むことでコンサルタントとしての足跡を残すこともできるからです。
movin:
なるほど、それはとてもよいですね。他に本部として力を入れてらっしゃることはありますか?
野中様:
働き方が多様になっている中で、本部内のコミュニケーションを私はとても重視しています。コンサルタントは個が強く、自立分散的にあることが求められますが、一方でデリバリーはチーム単位であり、チームワークの良さが求められます。また一人で成長していくことには限界があると思っています。会社の中でも気軽に声をかけられる雰囲気も大切ですし、そのために"場"の提供をすることを意識的に行っています。リモートワークが多くなった今は、一部のユニットでは、VR空間で週次のミーティングを行ったり、コミュニケーションを図るためにeスポーツをしたりと、オンライン会議だけでなく、色々なコミュニケーションの取り方を工夫しながら楽しんでいます。
movin:
評価制度での特徴があれば教えてください。
野中様:
評価制度の特徴としては、単にセールスの金額や稼働率だけではなく、R&D活動や情報発信についてもバランス良く評価していることが挙げられますまた、絶対評価であることも良い特徴だと思っています。同じランクのコンサルタントをスコア順に並べて、出現率にあわせて評価を決めていくのではなく、良い成果を上げれば、他人との比較は関係なく良い評価を受けられます。さらに、プロモーションについても、1つのランクに最低何年間いないとその上のランクに行けないというような"制約"はなく、実績・能力に応じて昇格させる方針です。実際、中途入社後に毎年昇格していくメンバーもいます。
本部全体の人口構成は、綺麗なピラミッド構成になっていて、若いメンバーがとても多い組織です。「上が詰まっていて上がれない」といった高齢化問題はなく、若手にとってもプロモーションし易い環境にあると思います。本部の方針としても、実績に応じて積極的にプロモーションを進めています。
また、コンサルタントのキャリアについても長期的に考えており、結婚や子育て、介護などのライフイベントを含めて、長期スパンで腰を据え、じっくり取り組んで、キャリアを形成してほしいと思っています。
movin:
ありがとうございます。ここからは採用についてお聞きできればと思うのですが、御社の求める人材像に加えて、現状御社に転職をされた方は、どういうところが決め手になったのでしょうか?
野中様:
一つのことを突き詰めたいという方もいらっしゃいますが、様々なことにチャレンジしたい人の方が、より当本部にあっているかと思います。そして、何よりも真面目に誠実にデリバリーされる方がいいですね。沢山売りますよ、という方よりも、ひとつひとつのデリバリーを大切にする方に来て頂きたいです。
特に若手のファーム出身で、IT導入やPMOだけでなく、ビジネス・戦略コンサルにもチャレンジしたいと考えていた方々が、当本部に参画して凄く活躍しています。どんなコンサルティングをやるにも、日々進化するテクノロジーの事が分かっていないと今は厳しいです。また、どんなに良いプランを立てても、情報、プロセス、システム、お金、人などの様々な要素を結び付けて実現させない変革は成功しません。今の企業はそういうハイブリッドな人材を求めています。様々なものを結び付けて戦略を描ける、実現までもっていけるコンサルタントを求めています。そういったことからも、前職においてIT導入やPMOで培った経験は大変貴重です。その経験を活かして、戦略・ビジネスコンサルを思い切り出来る環境で、夢中で仕事に取組み、楽しみ・苦しみながら活躍しています。
movin:
野中様は中途でのご入社と伺っておりますが、実際にご入社されてのご感想はいかがでしょうか?何かギャップなどはありましたか?
野中様:
私は、大手銀行のシステムエンジニアを経て、外資コンサルファームにて戦略・ビジネスコンサルティングを経験した後、2015年に当社に入社しました。正直に言って、入社までは社名も聞いたことがなかったのですが、入ってみて実にいい会社だなと心底思っています。
何よりも、純粋にコンサルティングの仕事に打ち込めることが大きいですね。先に申上げた通り自社やグループのサービスや製品に縛られることなく、自由にコンサルティングができます。またインダストリー×サービスの区分けを定めていないので、自分たちが品質に責任が持てればどんなインダストリーのどんなコンサルティングサービスも行う事が出来ます。
一方で、個々のコンサルタントには幅広い対応力が求められ、常に新しいことを学んでいくことが求められます。大変ではありますが、好奇心が強い方、いろんなことに挑戦してみたい方、自分の幅を広げたいという方、そしてさらに純粋にコンサルティングにフォーカスをしたいと思う人にとっては本当に恵まれた環境が整っていると思います。
movin:
最後に候補者様へ特にお伝えされたいことがありましたら、お願いいたします。
野中様:
仕事の機会はたくさんあり、やりたい分野やテーマはまだまだ多くあります。コンサルタントの方々が様々な経験を積むことができるように、もっと仕事のバリエーションを増やしていきたいと思っています。
企業が抱える問題は複数の要素が絡み合って複雑化しており、現在のコンサルタントには複合的な課題解決能力が要求されています。単発の知識だけで解ける問題はほとんどなくなっており、マーケットやテクノロジー、プロセス、ITシステムも知らなければいけないし、データも読めなければいけない、企業内の組織構成や力学等も知らなければならず、幅広く深く知らないと良いコンサルティングはできなくなっています。私は複雑な問題に対応出来る"成熟した"コンサルタントを大勢育てていきたいと考えています。その為にも、若手コンサルタントには様々なタイプのプロジェクトに参加できる機会を提供出来る様に心がけています。それが若手コンサルタントに対して当本部が提供出来る最大の価値だと思っています。
おかげさまで、現在、当本部全体では年間200件以上のサービス提供をおこなっておりますが、それでもまだ受注しきれずに多くの案件をお断りしている状態であり、お客様に対して非常に申し訳ない状態が続いております。お客様からのご要請にお答えしていく為にも、またメンバーに様々な仕事を経験してもらう為にも、できれば、現在の倍ぐらいの120〜130名程度の規模には早々にしていきたいと思っていますので当本部に魅力を感じて頂いた方の参画を是非お待ちしています。
movin:
本日は長時間、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
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