アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ株式会社 インタビュー 南様・森様

  1. 南様、 森様の略歴とご入社のきっかけ
  2. 入社後の感想・ギャップ
  3. ABD社での担当業務・担当案件事例
  4. お二人の今後の目標
  5. ABD社のカルチャー・働き方
  6. 候補者様へのメッセージ

ABD社の設立の背景と変遷

movin:

本日はよろしくお願いいたします。初めに、お二方のこれまでのご経歴とご入社の経緯をお伺いさせてください。

ABD 南様:

私は大学を卒業した後大手のメーカーに入社し、約4年間経理部門で仕事をしてきました。同社ではルーティンワークの経理業務だけではなく、事業計画の作成や、月次実績の分析、役員への報告資料の取りまとめ等も担当し、工場の業務改善なども経験させていただきました。
これらの経験を経て、自身の会計知識・バックグラウンドをベースに自社だけではなく様々な企業に対して経営支援を行っていきたいと思うに至り、コンサルティング業界に飛び込みました。2008年当時、ABDは工場の業務改善に強い人材を求めていたこともあり、私のバックグランドとやりたいことがマッチしましたので、入社に至りました。
また、面接したメンバーの人柄の良さに惹かれた部分もあります。

movin:

森様はいかがでしょうか?

ABD 森様:

私は大学を卒業後、政府系のベンチャーキャピタルに入社いたしました。そこでは主に未上場の中小・ベンチャー企業といった様々な企業の経営者と面談し、企業分析・投資を行ってきました。その中で、意外と多くの会社が「当たり前のことを当たり前に出来ていない」ということに気が付き、こういった会社の改革・改善を支援したいと思い、事業再生系のコンサルティングファームを志望するに至りました。
そこでMovinの西田さんにご支援いただき、色々な会社をご紹介いただきオファーもいただきましたが、その中でABDに決めた理由としては、小規模なファームで働きたかったという気持ちが大きかったからです。
その理由の一つとしては、新卒で金融業界に入り、次に大手総合系のコンサルティングファームに転職したという人は世の中に数えられないぐらいいる中で、自分がその大多数の中の一人になるのが良いことだろうかという疑問があったからです。
ABDではサービスラインが明確に切られていないので、分野を限定せず色々な業務を経験することができ、自分次第でユニークなキャリアを築いていけるので、その点に非常に魅力を感じて、ABDに入社することにしました。あっという間に4年半が過ぎましたが、充実した日々を過ごせています。

ABD社の設立の背景と変遷

movin:

実際、ご入社されてからはいかがでしたか?いい意味でも悪い意味でも、ギャップもあったかと思うのですが…?

ABD 南様:

私の場合は事業会社からの転職だったので、スピード感が全然違ったことに驚きました。コンサルティング業界への転職なので、当たり前のことではあるのですが、最初の1〜2ヶ月は結構戸惑いました。他方で、業務内容や考え方自体は、これまでの経験の延長線上にあったので、こちらの点では違和感なく対応できたかと思います。

movin:

期待通りの仕事内容・方向性であったけれども、やはりスピード感が想像以上に早かったと。

ABD 南様:

そうですね。加えて、当時は弊社が事業再生関連の案件に取り組みだしたばかりの頃だったので、こちらの分野については社内でも色々試行錯誤しながらやっている段階であったことも、仕事の「型」が比較的決まっている前職と異なっていて、「どのやり方が会社に一番良いだろう?」と考えていくプロセスを楽しみながら業務に向き合えました。

movin:

前職と比べてカルチャーの違いをお感じになるところはありましたか?

ABD 南様:

そうですね。前職は大きな事業会社でしたので、今思えば当時は本当にゆったり仕事している感じでした。コンサルティング業界はある意味、働き方改革といった今の流れに逆行している業界なのですが(笑)、当時は今以上に残業も多くハードワークでしたので、そういった点でもカルチャーの違いは感じました。ただ、やっていること自体は楽しかったので、体は辛かったですけど、気持ちの面では苦になりませんでした。

movin:

森様はいかがですか?

ABD 森様:

私は前職が比較的自由に動ける会社でしたので、そういう意味ではあまりギャップはありませんでしたが、どちらかというと、「深さ」が違いました。前の会社であればこれぐらいまでで良かったものが、コンサルティング業界では、ABDではもっと深いところまで考えなければならない。「あ、そこまでやるんだ」というギャップが最初ありましたが、徐々に慣れていきまして、暫くすると違和感なくやっていました。

ABD社での担当業務・担当案件事例

movin:

入社後はどのような案件を担当されてきましたか?

ABD 南様:

私は工場の数値管理や業務改善支援のお話が多く、長くお付き合いさせて頂くお客様が多いです。

ABD 森様:

私は事業再生案件とM&A案件が多いですね。

movin:

具体的には、最近どのような案件がございましたか?

ABD 南様:

私の場合、最近はメーカーのお客様が多いです。業種は様々で食品、金属、プラスチック、印刷…と多岐にわたりますが、共通しているのは数値管理をはじめとした企業経営のベースになる部分が十分にできていないケースが多く、そういったところからテコ入れする案件が多いです。

movin:

どんぶり勘定で原価計算や経営管理をされていたり…といったケースでしょうか?

ABD 南様:

そうですね。他にも、経費使い過ぎていたり、よくよく分析すると採算を考えずに値決めして受注してしまっており、受注した時点で赤字が決まっているような案件があったり…という事例があります。こういった問題を可視化して、注力すべき案件と撤退すべき案件を判別できるようにし、改善していくだけでも大分業績が変わったりするんですよ。

movin:

なるほど。経営陣に技術系バックグラウンドの方が多いメーカー企業などでは、数字に基づいた経営管理が必ずしも得意ではないのかもしれませんね。

ABD 南様:

中小企業の社長様だと現場上がりの方も結構多く、モノづくりや生産工程における改善活動にはお強い一方、数字感に基づいた企業経営という観点になると不十分な場合がしばしばあります。その他、企業理念や会社の目標についても明文化できていないケースもあり、これらの点についてもお手伝いさせていただきます。

movin:

理念や目標をゼロから作成する支援をされるのでしょうか。

ABD 南様:

いや、一緒になってゼロから作成を手伝うというよりも、暗黙になってしまっている理念や目標を定めて、社員皆が同じ方向に向かっていけるようにしましょう…という形で、改善すべき課題として示してあげることが多いです。

movin:

なるほど。森様はいかがですか?

ABD 森様:

私の場合ですと、最近はM&Aと再生のハイブリット型案件が増えてきている印象です。具体的なイメージとしては、元々再生案件としてABDが入って、事業再生計画の策定や改善活動の支援などやっていく中で、Exitを考えるフェーズになる、もしくは企業やファンドから買収の話が寄せられ、M&A案件になるイメージです。
こういった案件では、私たちはそのままFAとしてエグゼキューションの手伝い、無事売却が完了するまで支援しています。すると、弊社がその会社のことを一番よく知っているので、買収した会社からPMIを支援してほしいというお話が寄せられ、結果としてPMIのご支援までさせて頂くことになりました。

movin:

大手のFASの全てのサービスを一気通貫でご支援されているイメージですね。

ABD 森様:

そういう感じですね。弊社では大手のように明確にサービスラインが分かれておらず、一人が幅広いフェーズを経験できるので、この点はABDならではの魅力かと思います。
最近はPEファンドからの案件も多く、ファンド投資先の経営改善をやってほしいという依頼もありますが、ファンドだといつか投資先をExitする時が来ますので、そのままの流れで売却のFAまで引き受けることもあります。

movin:

少し話は変わりますが、お二人とも個別案件で特に印象が残っている案件はありますか?

ABD 南様:

私は、約5年前に担当した地方の印刷会社の案件が印象に残っています。この案件では、自分にとって初めてのことが多かった案件でした。この案件では、提案の段階から関与し続け、常駐とまではいかないものの、週の半分は同社の現場に張り付いていました。多くの社員の方々と議論を重ね、再生計画を作り上げ、その後も実行支援を続けました。その結果、会社の業績が大きく改善してリファイナンスも無事終え、企業が成長していく姿までを見られたので、かなり印象に残っています。

movin:

最初から最後まで関与され、結果もついてきたという素晴らしい案件だったかと思いますが、業績を改善できたポイントは何だったのでしょうか?

ABD 南様:

一番は、会社が動いてくれた/動かすことができたという点だと思います。我々がいくら計画を立てアドバイスをしても、最終的にはクライアント自らが動かないと経営改善はできないのですが、この案件では、我々を信頼してくださり、提案したことをクライアントが主体的にしっかりと実行してくださったというのが、最も大きなポイントだと思います。

movin:

なぜ、信じて動いていただけたのでしょうか?

ABD 南様:

丁寧にプロセスを踏み、コミュニケーションをとったからだと思います。特に現場の方々は、自分たちがこれまでやってきたことが正しいという自負もありますから、最初はやはり頑固なところもあるわけです。そんな中、我々が色々分析して、「実はこうじゃなくてこうなのですよ」と実績を見せると、今までやってきたことを全否定されるような感じになるので、ショックを受けてしまい、反発を受けることが多いのです。
だからこそ、結果を出すまでのプロセスもとても重要だと思っており、丁寧にコミュニケーションをとって、現場にもヒアリングした結果を数値として出すということを大事にしています。極端な話、現場の人の意見や話を聞かずに裏で数字作ってしまうこともできるのですが、そうすると現場に納得感もなく反発したままになってしまいます。

movin:

おっしゃる通り、現場とコミュニケーションを取らないまま進めてしまうと、ABD様を「外からの敵」と捉えてしまうかもしれませんね。

ABD 南様:

コミュニケーションが不十分ですと、おっしゃったようなイメージを抱かれてしまうこともあるのですが、逆に最初からしっかり現場にヒアリングして、ヒアリング内容を加味した数値/結果を持っていくと、最初は一瞬反発があるのですが、丁寧に説明すれば段々納得してもらえるようになります。
現場の方は真面目な方が多いので、「自分たちも変わらなきゃいけないんだ」と一度腹落ちして思ってくだされば愚直にやってくださることが多いです。そうすると、100%ではないですけれど、かなり高い確率で改善が進むのではないかと思っています。

movin:

分析や計画づくりも大変だとは思いますが、おっしゃったように現場の方としっかりコミュニケーションをとって、いかに彼らを巻き込むか・納得してもらえるかという点がとても大変なところなのですね。

ABD 南様:

そうですね。この点はやはり時間をかける必要があるところだと思います。

movin:

他にも大変だった点はありますか?

ABD 南様:

多くの部門があり、関係者も多岐にわたったので、その調整は大変でしたね。社内でも部門間で仲が良い/悪いといったこともあり…。後は、この案件ではリーダーシップを取って全体をまとめていく、リードしていくということも我々の方が担当しましたので、その点も大変でした。

movin:

逆にやりがいを感じたのはどのような点でしたか?

ABD 南様:

2点ありまして、1つはプロジェクトが進むにつれ、徐々に社員の方々が、「まずはABDに相談しよう。南さんに聞いてみよう」という雰囲気になってきたことです。最初は我々とクライアントの間に壁があったのですが、それが段々と溶けていき、仲間として認めていただけているのだと感じた時は、非常に嬉しかったですね。
もう1点はなんといっても最後に結果が出た時で、作成した再生計画から上振れした結果を達成し、クライアントから「こんなに利益が出ました。ありがとうございます」と言われた時が一番嬉しかったですね。
既に経営が軌道に乗っているので、コンサルティングプロジェクトとしては終了していますが、実は毎年、とある金融機関の若手行員に対する研修で再生の成功事例として使わせていただいており、今も年一回は必ず訪問して工場見学にも行かせていただいています。

movin:

案件が終わってからも、ずっとこのような形で繋がりがあるというのは、ますます印象深いですね。森様はいかがですか?

ABD 森様:

私は少し毛色が違う再生案件なのですが、こちらは利害関係者が非常に多い案件でした。同社は20億円を超える債務があり、10億円以上の債務をカットして再生の道筋を立てようという案件だったのですが、話をまとめるまでが非常に大変な案件でした。
具体的には、こういった状況ですと現在の社長は責任を取って辞職する必要があるため、新社長を外から招聘したのですが、前社長と新社長の折り合いが悪く、なかなか会社がまとまらない。他方で、金融機関の方でも、本当に債務カットの必要性があるのか?債務カットのお話がまとまるのか…という議論があり、最終的にまとまるまでに2年程かかりました。

movin:

それはかなり長い案件ですね。2年間、ずっと返済はリスケしていたのですか?

ABD 森様:

そうですね。ずっと返済をストップし、話がまとまらないまま新たな決算を迎えるので、再生計画も結局3回作り直しました。その度に金融機関に説明して、新社長にも説明して、話が進むように説得していくという形でした。

movin:

お話をお伺いすると、ABD様に持ち込まれた段階で相当大変な状態だったのですかね?

ABD 森様:

そうですね。本業自体はそれなりに利益が出始めていたのですが、借入があまりにも多すぎ、より経営を良くするためには債務のリストラが必要という状況でした。なので、我々の方で金融機関からの支援を得ることの合理性・蓋然性を綿密に作り、交渉することが求められる案件で、交渉の場面ではソフトスキルも必要になる案件でしたね。

movin:

先ほどの南様のお話とはまた違う種類の大変さがありますね。借入が20億円以上ということですと、メインバンクだけでなくサブメインや下位行含めて複数の銀行とお取引がある状況かと思いますが、多数の関係者をまとめる上で、どのような点がポイントだったのでしょうか?

ABD 森様:

分かりやすいストーリーを作った上で、実効性がある計画を示すことが最も重要です。金融機関にとって最も困るのは、一度債務カットしたにもかかわらず会社の再生が上手くいかず、再度ダメになってしまうことです。私自身が金融業界にいたから非常に良く分かるのですが、金融機関の担当者も、上司や審査部といった関係部署を説得する必要があり、債権放棄することで会社が良くなり自社の収益にもつながることを説明できなければいけません。その点を踏まえると、分かりやすいストーリーを作った上で「こういうことをやっていきます、その効果がこれだけ出るのでこれだけ収益が出ます、その収益を原資にこれだけ返済ができます」ということを整理し、示すことが大事になります。

movin:

現状では20億円全部が返ってこないけど、10億円債務カットすれば残りの10億円は回収できる…ということを、きちんとファクトを積み上げて説明するというイメージですね。とはいえ、金融機関を説得するのは大変ですよね?

ABD 森様:

そうですね。まず、メインバンクがゴーサインを出さないとスタート自体ができませんし、この案件も当初は順調に進んだのですが、実際に話が進んでいくと、メインバンク内でも議論が再燃し、ゴタゴタしていました。

movin:

担当の方は納得されていたものの、稟議をあげる段階になって他部署や上司の反発があり難航したのでしょうか?

ABD 森様:

そういった側面もありましたね。他部署の人間を連れて、当該企業の一番の取引先に挨拶に行かせてほしい。そして本当に継続的に仕事を発注してくれるのか確認したい…といった要望が出てきたりしまして、色々ありました。

movin:

それは大変ですね。結果的には、どのような点がポイントになって無事まとめることが出来たのでしょうか?

ABD 森様:

理詰めで丁寧に説明し、納得頂きました。債務カットをやらずこのままでいた場合どうなり、債務カットを行えば会社がどう変わるのかを示し、双方を見ていただいた上で、どちらが良いかを冷静に判断してみてくださいと説明しました。
トリガーとしては新しい社長候補の人が「このまま会社が変わらないのであれば、社長就任を辞退したい」と声があがったことで、これをきっかけに「このまま何もしないでいると、1.5年かけて取り組んできたことが全部無駄になり、スキームそのものが壊れますよ」と社長や金融機関を説得し、最終的に応じていただいたという形になります。

movin:

新社長が辞めるという話になったことで、皆様これ以上意思決定を先延ばしにできないという危機感を持たれ、雨降って地固まるではありませんが、一気に事態が進展されたのですね。債務カットを経て、会社は良くなりましたか?

ABD 森様:

支払利息がぐっと減り、会社に余力ができました。実は現在もABDが継続して支援しており、我々が作った再生計画を実行できるよう、お手伝いをしています。

movin:

まだまだお付き合いは続かれるのですね。森様はこういった案件で、特にどのような点にやりがいを感じられましたか?

ABD 森様:

南とも共通しますが、やはり最初に自分のところに相談が来るようになるという点ですね。「○○や××も、森さんのアドバイスを聞いて決めたい」と、自分を頼りにして色々なことを相談してくださるのが、非常に嬉しい点です。

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