訴訟における損害分析などを行なうアリックスパートナーズは18日、2000年から2012年までの判例を調査に基づく「金融商事訴訟のトレンド:2000-2012−虚偽記載、金融商品販売をめぐる訴訟の増加傾向が鮮明に−海外投資家の参加による訴訟のグローバル化も」を発表した。同レポートは390件の事例をデータベース化、これに基づき、訴訟の時系列的トレンドだけでなく、訴訟類型、産業および損害請求額、判決金額などの項目別のトレンドについても分析。日本においては一般的に提訴についての統計が得られないが、大部分が和解ではなく、判決に至るため、判決件数およびその内容を調査した。また、判決前の提訴の状況については、報道等に基づき、動向を調査した。
本調査では、虚偽記載に係わる訴訟が2004年以前にはほぼ皆無であったものの、2007年‐2012年の合計件数は55件であり近年増加傾向にあること、同期間の金融商品販売に係わる訴訟の合計件数が210件と、それ以前の期間と比較して倍以上に増加していることが明らかになった。
金融商事訴訟のうち、金商法上の虚偽記載を原因とした損害賠償請求訴訟(証券訴訟)については、2000年代半ばまで、長らく日本人にとって耳慣れないものだった。だが、2004年の旧証券取引法改正において継続開示に係る損害の推定規定(公表日前後1カ月の平均株価の差を損害と推定する)が盛り込まれ、原告にとっての立証負担が軽減され、また、2005年のライブドア事件などが広範な注目を集めたことで、クラスアクション制度(特定の被告に対して同じ状況または類似した状況におかれる他の複数の個人または複数の団体の代わりに訴訟を起こす代理人形式の訴訟制度)が存在しないにもかかわらず、2000年代後半に訴訟件数が大幅に増加した。
2012年は虚偽記載に係わる訴訟の判決数は7件となり、前年の11件から減少したが、日本の証券訴訟が海外投資家により「発見」された年として記憶されるかもしれない。これまで、訴訟を提起する原告は個人投資家の集団、あるいは年金基金などの機関投資家が中心であったが、オリンパス事件は海外の機関投資家が提起した初めての大規模事件となった。同事件は、当初より、英国人元社長の解任が端緒であったこともあり、過去の虚偽記載事案と比べても国際的な注目度が高かったが、個人投資家や第三者割当増資の形態で同社株を取得したテルモなど国内の原告に続き、2012年6月28日には米国の機関投資家や年金基金をはじめとする48社が191億円の損害賠償を求めて訴訟を提起したほか、2012年12月13日には海外の機関投資家68社が59億円の損害賠償を求めて提起した。
海外投資家による日本での提訴の背景には、米国におけるMorrison v. National Australia Bankについての最高裁判決がある。同判決において最高裁は、虚偽記載の原因となる不法行為が被告の米国子会社で発生したものの、原告が米国外で上場されている株式を米国外で購入したことに着目し、取引所法10条(b)項に基づく訴権を持たない旨判事した。これにより外国株式を保有する米国投資家は、米国外での訴訟による解決を目指さざるを得なくなったといえる。
さらに、米国法と比べ、日本の金商法が原告にとって有利となる面があることも着目されている。上述の推定規定により、原告は虚偽記載による損害についての立証責任が大幅に軽減されるし、日本の金商法は虚偽記載についての企業の「無過失責任」を定めているから、虚偽記載が故意であったかどうかについて原告側が立証する必要がある米国と比べ、提訴までのハードルが低いことが、原告側が日本の金商法の適用を争点にした理由の一つとなっていたと考えられる。2010年10月、メリーランド州退職年金基金等がトヨタ自動車のリコールに関する情報開示が不適切だったとして米国法に加え、日本の金商法違反を主張し、ロサンゼルス連邦地裁に提訴したのも、上記のような理由があったためといわれる。
件数の面では、虚偽記載に係わる訴訟以上に、金融機関と顧客間の金融商品販売に係わる適合性原則違反、説明義務違反などを争点とする訴訟(ブローカー・カスタマー訴訟)が多い。同訴訟の判決件数は2007年以降急速に増加し、2011年にピーク(53件)を記録した後、2012年には39件に減少しているが、2012年の傾向を見ると、比較的大型の訴訟が増加している。とりわけ、同年はSMBC日興証券や野村證券を被告とする為替デリバティブを組み込んだ金融商品の取引を巡る訴訟の一審判決があったほか、UBS、ドイツ証券、BNPパリバなど、外資系証券が販売した同種の金融商品に関わる訴訟が立て続けに提起された。これら金融商品は2004年からリーマンショックが発生した2008年ころ運用難に悩む企業や学校法人などに多数販売されたが、近年の円高およびリーマンショック後の金融危機の渦中に評価損が膨らんだことが共通の背景となっている。
2013年 6月18日
alixpartners.jp
アリックス・パートナーズ
米国デトロイトに本社を置く、世界最大規模の企業再生専門のプロフェショナルファーム。主な再建・再生実績として、日本航空(再生支援)、ライブドアグループ(再生支援)など多数。提供しているコンサルティングサービスは、「経営改善」、「企業再生・リストラクチャリング」、「財務アドバイザリー」、「情報管理サービス」の4領域に大別され、それぞれに専門性のある経験豊富なシニアプロフェッショナルのチームがクライアントに対して直接サービスを提供している。メンバーは大手コンサルティングファームや金融機関が出身で、事業会社における経営陣としての豊富な事業経営経験を持ち、内外からその実績を認められている。
アリックス・パートナーズについて
コンサルティング業界の最新ニュースをお伝えします。最先端の業界で何がどう動いているのかをWatchすることで、広くビジネス界全体の今後の動きを展望することができるはずです。


人気コンテンツ
プライベート個別相談会開催中
キャリア相談会
コンサル転職に関する疑問・不安はプロに聞くのが一番早い!ざっくばらんに話せる個別相談会を随時実施しています。今すぐの転職をお考えでない方も歓迎していますのでお気軽にご相談ください。
2026年3月24日(火)19:30-21:30 締切:2026年3月20日(金)
A.T.カーニー オンラインセミナー 会社紹介・コンサルタント座談会
外資戦略コンサルティングファームのA.T. カーニーにてオンラインキャリアセミナーが開催されます。貴重な機会となりますので、ぜひご参加を検討ください。
2026年3月7日(土)10:00-12:00 締切:2026年2月26日(木)
ローランド・ベルガー 会社説明会・ケース面接準備セッション
欧州系戦略ファームのローランド・ベルガーが、会社説明会・ケース面接準備セッションを実施いたします。貴重な機会ですのでぜひこちらの機会をご活用ください。
2026年4月11日(土) 締切:2026年3月21日(土)
ベイン・アンド・カンパニー 1日選考会(オンライン)
世界的な戦略コンサルティングファームであるベイン・アンド・カンパニーにて、現職がお忙しく、転職活動に時間を割くことが難しい方に向けて一日選考会を実施いたします。
2026年3月~5月頃を予定 締切:2026年3月3日(火)
ベイン・アンド・カンパニー 女性向け選考支援プログラム
ベイン・アンド・カンパニーが女性向けに選考支援プログラム「Tokyo Be Bold Program」を実施します。現役の面接官とランチなどのカジュアルな交流、実際のプロジェクトのケーススタディ、ケース面接対策等、複数のセッションを約1か月の期間に渡り行います。
2026年2月25日(水) 締切:2026年2月24日(火)
アクセンチュア S&C/SC&O キャリアセミナー
この度、Accenture S&C SC&Oへの応募を検討されている候補者様を対象に、オンライン説明会が開催されます。
2026年3月7日(土)、2026年3月28日(土) 締切:2026年2月27日(金)、2026年3月20日(金)
アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部(S&C) 1day選考会
アクセンチュア、ビジネス コンサルティング本部(S&C)が1DAY選考会を実施いたします!
2026年3月7日(土)10:00‐12:00想定 締切:2026年2月25日(水)
合同会社デロイト トーマツ(旧DTC)組織人事コンサルタント 1日選考会
組織人事領域のHC部門にて、1day選考会が開催されます。スピーディーに選考を進めたい方はこの機会にご応募ください!
2026年2月26日(木)19:00-20:15(木) 締切:2026年2月23日(月)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC) 経営戦略ビジネスユニット キャリアセミナー
MURCの経営戦略ビジネスユニットに興味のある方を対象にキャリアセミナーが開催されます!
2026年2月28日(土) 締切:2026年2月20日(金)
KPMG FAS I&S部門 1day選考会
BIG4FASとして知られる有名コンサルティングファーム「KPMG FAS」I&S Supply Chain CoEで1day選考会が開催されます。
2026年3月28日(土) 締切:2026年3月20日(金)
KPMG FAS 大阪・名古屋ポジション 1Day選考会
BIG4FASとして知られる有名コンサルティングファーム「KPMG FAS」大阪・名古屋ポジションで1day選考会が開催されます。
2026年3月7日(土) 締切: 2026年2月27日(金)
KPMG FAS I&S Supply Chain CoE部門 1day選考会
BIG4FASとして知られる有名コンサルティングファーム「KPMG FAS」I&S Supply Chain CoE部門で選考会が開催されます。
2026年3月7日(土) 9:30-18:00 締切:2026年2月27日(金)12:00
アビームコンサルティング EXA-Chem&Csm 1日選考会
アビームコンサルティングのEXA-Chem&Csm(素材化学CB)tにて一日選考会が開催されます。
2026年3月7日(土)10:00-18:30 締切:2026年2月27日(金)12:00
アビームコンサルティング A&Fセクター 1Day選考会
アビームコンサルティング金融プラットフォームA&Fセクターにて1day選考会が実施されます。ぜひこの機会をご利用ください!
2026年1月22日(木)19:00-20:00,3月19日(木)19:00-20:00 申込締切:各開催日3営業日前
EYSC TC- Digital Platforms & Transformation キャリアセミナー
このたび、EY Japan Consultingの基幹業務を担うテクノロジーコンサルティングチーム(SAP領域中心)にて、説明会を開催いたします。SAPや基幹システムのご経験をお持ちの方に、ぜひ積極的にご参加いただければと思います。
2026年2月26日(木)19:00-20:00 申込締切:2026年2月23日
EYSC TC-Technology Strategy & Transformation キャリアセミナー
EYストラテジー・アンド・コンサルティングのITコンサルタントポジション(Technology Transformationユニット)にてオンラインセミナーを開催いたします。ご興味のある方は是非ご参加ください!
2026年2月8日(日)、2月23日(月・祝) 締切:2026年2月4日(水)20:00、2026年2月20日(木)20:00
WorkX 1day選考会
戦略・ITコンサルティングと6,000名のフリーランスコンサルタントのプラットフォーム運営を行うWorkXにて1day選考会が開催されます。1日で選考が完了する貴重な機会ですので、ぜひご検討ください!
2026年3月5日(木) 締切:2026年3月2日(月)
NTTデータ経営研究所 戦略コンサルタント 集中選考会
NTTデータ経営研究所の戦略部門にて集中選考会が開催されます!官民双方に強みをもつコンサルティングファームですので興味のある方はこの機会にご応募ご検討下さい。
毎週第一・第三水曜日 12:00-13:00
KPMGコンサルティング ランチタイム オンラインイベント
現場で働く生の声を候補者に届けようとスタートした取り組みで、毎週、現場社員と採用リクルーターがトークセッションを実施しています!是非お気軽にご参加ください!
SDGsプロジェクト始動!
ムービンは持続可能な開発目標を支援しています
ムービンはSDGsに賛同し、これからも持続可能な社会の実現に努め、 森林資源や水資源を守る環境保護の取り組みとして、持続可能な森林の再生と管理に貢献しています。

ムービンでは今すぐのご転職でなくても、今後のキャリア形成や、ご転職に向けての中長期的なプランを共に考え、具体的なアドバイスをさせて頂いております。コンサルティング業界にご興味のある方はご自身では気づかれない可能性を見つけるためにも是非一度ご相談ください。
PICKUP

20年以上にわたりコンサル業界に特化したご転職支援を行っています。スタッフも少数精鋭でホンモノの人脈・情報を有しております。
コンサルティングファームはもちろん、国内・外資の大手事業会社をはじめ、ファンド、投資銀行、ベンチャーなど様々な支援実績がございます。
コンサル業界専門だからこそ各コンサルティングファームの圧倒的な情報量を保有しており、戦略系、総合系(BIG4)、IT、人事など外資系日系を問わず、国内大手の有力ファームすべてがクライアント
ムービングループサイト
株式会社ムービン・ストラテジック・キャリア
Copyright (c) Movin Strategic Career Co., Ltd. All rights reserved.

バックグラウンド・出身業界
で探すコンサル転職CAREER PATTERN

Copyright (c) Movin Strategic Career Co., Ltd. All rights reserved.