通所介護事業者向け 資金支援スキーム取扱い開始―三菱東京UFJ銀行

三菱東京UFJ銀行は、三菱総合研究所と協力し、通所介護事業所を増設しようとする介護事業者に対し、電子記録債権（以下、電子債権）を活用した資金支援スキームを構築し、10月15日、取り扱いを開始したと発表した。

本スキームは、介護・医療・福祉分野における情報サービスを提供している日本ケアコミュニケーションズ（NCC）の介護事業における知見や介護報酬請求データ管理などのノウハウが活用される。
介護報酬請求データの分析に基づき、国民健康保険団体連合会（以下、国保連）の優良な信用力を背景とした電子債権を活用することで、事業者が電子債権割引による簡易な資金調達を行うことが可能だ。1）事業者は、今般新たに設立する債権管理サービス2号合同会社（仮称、以下SPC）と契約を締結し、国保連に対し保有する介護報酬債権をSPC宛に譲渡。
2）事業者は、毎月の介護報酬請求データを、NCCに対して送信。
3）NCCは、国保連および三菱総合研究所に介護報酬請求データを送信。
4）三菱総合研究所は、事業者の介護報酬請求データの過去における支払い実績などから、支払率の分析などを行い、SPCに対して分析結果を提供。
5）SPCは、三菱総合研究所の分析結果に基づき、請求額に一定の留保率を乗じた金額で、事業者に対して電子債権を振り出す。
6）事業者は、受け取った電子債権を三菱東京UFJ銀行に譲渡することで、割引資金を受け取る。

なお、事業者は、割引日や振込先口座を指定する等の事前登録を行うことで、2）の介護報酬請求データを送信する事務を月1回行うのみで、自動的に資金調達を行うことが可能となる。

【事業者の主なメリット】
■信用力の高い電子債権を割り引くことで資金調達が可能
SPCは、国保連の信用力を背景とした電子債権を振り出し、事業者は振り出された電子債権を金融機関で割り引くことにより、低利な資金調達を実施できる可能性がある。

■電子債権割引の申込をする際、決算書、契約書等の提出が不要
本件電子債権は国保連の信用力を背景としているため、事業者が割引申込を行うに際し、通常の融資申込に必要となる決算書等の提出は不要となる。
なお、電子債権利用契約、及び、決済口座・割引日の指定等の事前の取り決めは必要で、申込に際しては、過去の介護報酬請求の実績なども勘案される。

■必要に応じて少額・多頻度の資金調達を行うことが可能
電子債権を活用することにより、事業者・金融機関双方で、資金調達に伴う事務負荷が軽減され、事業者は必要に応じて少額・多頻度のご融資申込ができる。
申込から約1週間で普段使用する口座に割り引きされた代金が振り込まれる。

◎三菱東京UFJ銀行
http://www.bk.mufg.jp/

2014年 10月22日
ケアマネジメントオンライン

三菱総合研究所
三菱創業100周年の記念事業として設立。政策、科学技術、経済・金融など、幅広い研究分野をカバーしている。ITソリューション事業部門の拡大を目指し、システム開発会社である三菱総研DCSの連結子会社化し、三菱UFJフィナンシャル・グループとの業務提携などの施策をとっている。事業分野は、シンクタンク事業、コンサルティング事業、ITソリューション事業の3事業だが、他社シンクタンクに比べ研究色が強い。

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