【みずほ情報総研】みずほ情報総研、遺伝子解析の次世代シーケンサーデータ解析ソフト「csDAI」を開発

■国立がん研究センターとの共同研究で高速処理と使いやすさの両立を実現
　みずほ情報総研株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：西澤順一）は、このほど、国立研究開発法人国立がん研究センター（理事長：堀田知光、東京都中央区）と共同で、次世代シーケンサーのデータ解析ソフトウェア「csDAI（シー・エス・ダイ／Clinical sequencing data analysis integrator）」を開発し、2016年3月から医療研究機関向けに提供を開始いたします。

　次世代シーケンサーとは、遺伝子情報を持つDNAの塩基配列を同時並列で大量に読み取ることのできる解析装置です。昨今では、個人の遺伝子情報を解析し各人に適した治療や予防を行う「個別化医療」の実現に向け研究も活発に行われ始め、それに伴い臨床検査現場では、遺伝子情報の迅速なデータ解析が求められています。

　一方、次世代シーケンサーによるデータ解析の現状は、データが膨大なことからLinux上で目的に応じたさまざまなフリーソフトウェアを組み合わせて解析することが多く、高度なバイオインフォマティクス及び計算工学の知見をもつ人材の不足が懸念されています。また、重要な個人情報を扱うことから情報セキュリティを考慮した解析体制も課題となっていました。このような背景から、みずほ情報総研は、安全で扱いやすい解析ソフトの必要性を感じ、今回の開発に至りました。

　「csDAI」は、臨床検査及びその研究開発を想定し、ターゲット・シーケンシングを基本とした比較的容量の小さなデータを迅速に解析し、その結果を分かりやすく表示させる、次世代シーケンサーのデータ解析ソフトウェアです。WindowsR7パ−ソナルコンピューター上で解析することができるプラットフォームで、世界的に研究現場で広く使われているソフトウェアを組み合わせた最新の高精度なデータ処理と、画像や図を多用し直感的に操作できるGUI環境が特徴です。これにより、必ずしも計算工学の知見を持った専任解析担当者でなくても、次世代シーケンサーのデータ解析を行うことが可能になります。また、インターネットにアクセスせずに解析できるため、情報漏えいリスクを最小限におさえることができます。

　国立がん研究センターとみずほ情報総研は、2002年からデータ解析を通じゲノム医療分野の研究開発に従事していましたが、データの取違えや情報漏えいリスクの回避のため、可能なものから内製化を図ることができる体制を模索していました。今回両者で、研究のみならず、臨床検査・実地診療の現場の従事者が分かりやすく操作できる仕様や、解析結果の表示などについて研究を重ね、製品化に結びつけました。

　みずほ情報総研では、医療技術の進歩など医療を取り巻く環境の変化に対応するため、データの収集から分析・提言までを行うコンサルティングと、ICTを駆使したITソリューションを両軸とし、長年に渡り、健康・医療領域における課題解決にあたっています。中でも、生命科学分野では15年以上にわたる豊富な業務実績があり、先端的シミュレーション技術や精緻なデータ解析技術を保有しています。

　みずほ情報総研は、「csDAI」の販売とあわせ、今後もそれぞれの現場の要望に対応した解析サービスを提供し、研究や臨床検査の支援を実施してまいります。

2016年 3月10日
日刊工業新聞

みずほ情報総研
みずほフィナンシャルグループのシステムインテグレーター。コンサルティング、システムインテグレーション、アウトソーシングの3つの事業を柱として位置づけ、幅広い分野においてソリューションを提供している。また、「人材が最大の財産」という考えのもと、特に若手社員育成を中心に人材育成を強力に推進している。みずほ情報総研の教育研修体系は、＜みずほ＞共通の教育研修制度である「みずほフィナンシャルグループ共通研修制度」と、当社独自の教育研修制度である「みずほ情報総研研修制度」の２本柱から構成されており、こうした教育研修制度を組み合わせながら、社員一人ひとりのキャリアプランに沿った研修を行っている。

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