南米最大の自動車市場であるブラジルは、過去4カ月連続で自動車販売台数が増加しており、世界各地で自動車メーカーが不景気による販売不振に苦しむ中、一足早く最悪期を脱したとの見方が出ている。
ブラジルの自動車業界団体は、2009年の生産台数を前年比11.2%減の286万台と予想しているが、減少分のほとんどは輸出需要の減退が要因とみられる。
一方、大きな潜在能力を秘めるブラジル国内市場は、消費が堅調であることに加え、自動車購入時の約10%減税措置が功を奏し、3月の自動車販売台数が前月比36.2%増と大きく伸びた。
3月は前年比でも16.9%増加しており、米国が37%減、スペインが39%減、日本が25%減だったのに比べると、ブラジル国内市場の好調ぶりが際立つ。イタリアのフィアット<FIA.MI>や独フォルクスワーゲン(VW)<VOWG.DE>、米ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>やフォード・モーター<F.N>といった同国に進出した自動車メーカーの期待も大きい。
3月の実績は、減税による前倒し購入によって底上げされたとの見方もあるが、アナリストらは、政府の素早い行動と自動車への潜在需要が、他国の先駆けて一足早い回復につながったとみている。
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の自動車業界アナリスト、マルセロ・シオッフィ氏は「自動車販売の促進にブラジル政府が取った政策は、米国や欧州で導入されたもの比べ、確かにより効果的だった」と指摘。その上で「しかし問題は、(減税による)前倒し購入による効果であることから、それがどれぐらい持続するかということ。この方法は短期的には使えるが、販売を持続させるためには、後からほかの対策も必要となる」と述べた。
ドイツやイタリア、フランスなど欧州各国では、政府の税優遇措置の効果も手伝い、過去数週間で自動車市場に幾分回復の兆しが見えている。
ブラジル連邦政府とサンパウロ州政府は昨年10月、自動車産業支援の第1弾として80億レアル(約3600億円)を拠出する方針を示した。自動車産業は、ブラジルの工業生産の20%以上を占める基幹産業である。
<自動車に対する潜在需要>
ブラジル連邦政府は昨年12月、自動車に対する工業製品税(IPI)の減税に踏み切り、先月にはこの減税措置を6月末まで延長すると発表した。ある政府筋は先週、ロイターの取材に対し、自動車IPI減税は今年いっぱい継続されるとの見方を示した。
米自動車メーカーの破たんが甚大な影響を及ぼすメキシコの自動車業界とは異なり、ブラジルでは、GMやフォードが破産法適用を申請しても現地法人は影響をさほど受けないとの見方もある。
元GMの幹部でサンパウロでコンサルタント会社を経営するアンドレ・ビア氏は、ブラジルの自動車産業はさらなる世界的な危機が訪れない限り、最悪期は脱したとの見方を示す。
先進各国に比べて自動車産業を楽観視できる主な理由についてビア氏は、ブラジル国内の自動車への潜在需要を挙げる。先進国では2─3人に1台の割合で自動車が普及しているが、ブラジルの自動車1台当たりの人口は約8人。この数字はメキシコの同4.7人、アルゼンチンの同5.2人と比べても高い。
自動車業界団体のジャクソン・シュナイダー会長は今週、2009年の販売台数は前年比3.9%減となり、2003年以来の前年割れになると予想したが、2010年については2008年の水準を上回ると強気の見通しを示した。堅調な需要や自動車メーカーの国内市場への注力を背景に、アナリストもこの見方を支持する。
ブラジルで操業する主要な自動車メーカーは、向こう数年で需要増に対応するための設備拡張に総額約200億ドルを投資する計画。
PwCのシオッフィ氏は、ブラジルの自動車生産台数について、2009年は前年比6%減の269万台に落ち込むが、それでも韓国を抜いて世界第5位の自動車生産大国になると予想。また、2010年には前年比5.9%増の285万台、2011年には同6.3%増の303万台と右肩上がりを予想している。
2009年 4月5日
ロイター
プライスウォーターハウスクーパース
世界151カ国に163000人のスタッフを擁する世界最大級のプロフェッショナルサービスファーム。、PwCアドバイザリー株式会社が、プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント株式会社(旧ベリングポイント)、プライスウォーターハウスクーパースHRS株式会社を経営統合し、社名を「プライスウォーターハウスクーパース株式会社」に変更した。M&A/フィナンシャルアドバイザリー、監査、税務を含め、戦略から業務、ITまでトータルで一貫したコンサルティングサービスを提供している。
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