アクセンチュアが加速させるJV（合弁会社）一覧アクセンチュア転職情報

アクセンチュアが推進するJV戦略は、これまでの「提案中心のコンサルティング」から、「共創による実行型ビジネス」への大きな転換を象徴しています。これは同社の競争優位を高めると同時に、日本企業にとっても、真の意味でのDXや業務変革を実現するための実効的な手段となっているかと思います。
いくつかJV事例もご紹介しながら、アクセンチュアのJV戦略がもたらすメリットや今後のビジネス展望にも触れていきます。

アクセンチュアのJV事例

まずは代表的な事例をいくつかご紹介していきます。国内を代表する大企業や先端技術における注目企業が目立ちます。

コカ･コーラボトラーズジャパン

コカ･コーラボトラーズジャパングループの管理・事務オペレーションの効率化によるデータドリブン経営の推進を目的とする合弁会社を2024年1月に設立。
コスト効率と収益性に優れたワールドクラスボトラーへの成長を目指し、アクセンチュアは、国内拠点からも優れた業務効率でオペレーションサービスを提供する能力のさらなる強化を図っています。

Mujin

ロボット制御ソフトを手掛けるMujin（ムジン）との合弁会社（JV）を2025年2月に設立
Mujinは2011年創業の国内非上場企業であり、アクセンチュアとは19年に、AIやロボットを用いた倉庫オペレーションの自動化・可視化といった物流面での協業を発表、計123億円を調達し欧米への事業拡大なども加速させています。
製造・物流領域における現場のオペレーションデータや経営データをつなぎ、製造・物流企業のデータ主導型経営と自動化・省人化を加速させることがJV設立の狙いとなっています。

インフロニア・ホールディングス

インフラの安全で効率的な建設や運営に向けた、課題解決とイノベーションの促進を目指し、合弁会社を2025年4月1日に設立（出資比率はインフロニア81％、アクセンチュア19%）
社会課題の解決に向けて先鞭をつけるべく、インフロニアグループ全体でAIをはじめとする先端デジタル技術などを活用して、全体最適に基づくIT運用費用の適正化や戦略的IT投資といった経営判断から、建設やインフラ運営の現場レベルにおける生産性向上まで、データ主導型モデルの導入を加速させる狙い。

資生堂

デジタルマーケティング業務とデジタル・IT関連業務を提供する合弁会社「資生堂インタラクティブビューティー株式会社（以下資生堂インタラクティブビューティー）」を、2021年7月に設立。
デジタルを中心とした事業モデル改革、グローバル標準のITインフラとオペレーションの構築、さらにデジタル・IT領域での人材の強化に取り組み、アクセンチュアからの人材、知見を取り入れ、ビューティー領域に特化したデジタル・ITの戦略機能会社ならではのスピードとイノベーションにより、資生堂のIT機能の拡充だけでなく、さらなるDXの加速によって、新しいデジタルマーケティング戦略を強化する狙い。

ファーストリテイリング

"フルタイム""シームレス""ビッグデータ""クラウド"などをキーワードに、従来の顧客体験を超えたデジタル時代の革新的な消費者サービスの開発、そして次世代型の新しいモノ作りやビジネスモデルの構築に向け合弁会社を2015年9月に設立。
モバイルやクラウドなどのテクノロジーの活用を強化することで、既存のビジネスモデルのデジタル化を推進、実店舗とデジタル店舗の境なく、お客様がいつでもどこでもファーストリテイリンググループの商品を選択、購入、受け取りができる、新しい買い物体験の実現を目指す。

塩野義製薬

人事、総務、経理財務をはじめとするオペレーション業務の効率化を図るため2023年7月に設立。
「シオノギビジネスパートナー（SBP）」は塩野義グループ各社の人事や総務など間接部門の効率化を全面的に担い、アクセンチュア社が強みを有する間接業務の標準化やIT投資により、徹底した効率化を図っていく狙い。

住友化学

デジタル革新の推進とそのための人材育成を目的として2021年4月に設立。
アクセンチュアが保有する先進的な人工知能（AI）やアナリティクス、オートメーションなど多岐にわたるノウハウや専門人材を活用し、サプライチェーンや営業・間接業務において、最新デジタル技術の評価や業務適用可能性の実証実験、デジタル人材の育成を進め、IT部門とビジネス部門を連携させることで、デジタル革新を一層加速させる狙い。

KDDI

データアナリティクスの活用推進に向けた合弁会社を2017年2月に設立。
データアナリティクスを活用し、KDDIのお客さま体験価値 (Customer Experience) の向上と、パートナービジネスの推進を目的とし、KDDIグループのデータ利活用の中核的な役割を果たし、通信やEコマース、IoTなどの領域で人工知能 (AI) を含めた先進的なアナリティクス技術を提供する。

クボタ

クボタグループの事業モデルや事業運営基盤のデジタル変革を加速する合弁会社を2022年9月に設立。
クボタグループのDXを推進する戦略機能子会社として、クボタグループの食料・水・環境分野における地球規模の社会課題の解決をデジタルの力で支援。先端のデジタル技術とデータを活用し、食料・水・環境分野ならびに気候変動の緩和と適応に向けた新たなソリューションの創出を目指す。

関西電力

データアナリティクスや人工知能（AI）、IoTなどのデジタル技術を活用し、既存事業の変革支援と新規事業の創出などを目的とした合弁会社を2018年9月に設立。
発電所や送配電設備における運用管理の効率化や予防保全の高度化などを実現するほか、AI導入によるオフィス業務の自動化なども推進。さらに、既存業務の変革だけではなく、お客様の電力使用量などのデータ分析などを通じ、よりお客様に最適化されたサービスの提供なども推進していく。

マイクロソフト

2000年に設立された戦略的合弁会社「アバナード」。
「アクセンチュアのコンサルティングノウハウ」と「マイクロソフトの最新技術を融合した独自のソリューション」で顧客の課題解決、システム導入を高いレベルで実現。

アクセンチュアがJVを推進する背景と目的

「共創型ビジネス」へのシフト
従来のアクセンチュアは、戦略立案や業務改善などのコンサルティングを主軸としてきましたが、近年では「共創（Co-Creation）型のビジネスモデル」へと大きく舵を切っています。
その背景には、急速なDXニーズや、業界・業種を超えたサービス革新への対応があります。特に、日本企業はDXを進めたくても「人材不足」や「既存業務との整合性」に課題を抱えていることが多く、アクセンチュアがJVという形で現場に入り込むことで、実行力ある支援が可能となっています。

アクセンチュアの戦略的意図
コンサルティングにとどまらず、実行支援・オペレーションまでを担う体制をJVによって実現しているのが特徴です。 JV戦略は、アクセンチュアにとってもクライアントにとっても「Win-Win」な構造です。アクセンチュア自身も日本市場におけるプレゼンスを高めると同時に、クライアントとともに成果を生み出す体制を築くことができるため、競争優位性の確立という点でも大きな意味を持ちます。

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アクセンチュアのJV戦略がもたらすメリット

アクセンチュアがJVを通じて得ているメリットは、「新規ビジネスの創出」だけにとどまりません。クライアント企業にとっても、アクセンチュアにとっても、従来の受託型コンサルティングでは得られなかった新たな価値が生まれています。

クライアント側のメリット

実行力のあるDX支援
JVでは、アクセンチュアが出資・組織として直接関与するため、提言だけで終わらない「実行可能な改革」が進みます。現場に入り込み、システム開発や業務運用まで一貫支援できるのが最大の強みです。

専門人材の確保
DX人材が慢性的に不足する中、JVによってアクセンチュアのエンジニアやデータサイエンティストが直接参画することで、高度専門人材の常駐化が実現します。つまりこれまでアクセンチュアがコンサルティングにおいて培ってきたノウハウを活用できるということです。

長期的な変革の伴走 JVは基本的に数年単位の事業体であるため、短期成果を求める従来のプロジェクト型契約とは異なり、中長期的な視点での変革が可能です。特に人材育成や文化改革といったどうしても時間が掛かってしまう部分も強化できる恩恵があります。

アクセンチュア側のメリット

継続的な収益モデルの構築
JVはプロジェクト単位の契約とは異なり、出資に基づく安定的な収益を得ることができます。また、JVが成長することで、アクセンチュアにも経済的なリターンが見込めます。

新領域・業界への足掛かり
既存のコンサル領域にとどまらず、インフラ、物流、金融、地方創生といった様々な分野へもJVを通じて進出可能。クライアントの業界知見と、自社のデジタル力を融合させる形で市場を広げています。

競合との差別化
他のコンサルファームが提案・分析に重きを置く中、アクセンチュアは「JVを通じたリアルな実行支援」で、唯一無二のポジションを確立しています。これは営業面でも非常に大きなアピール材料になります。

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