アクセンチュア、先端技術を活用し明治安田の全社横断的なDXに伴走

アクセンチュアは明治安田生命と2030年3月までのパートナーシップ契約を締結し、生成AIを核とした全社横断的なデジタルトランスフォーメーション（DX）プログラムを本格始動しました。この取り組みは、営業現場から本社機能までを含む全社的変革（Total Enterprise Reinvention）であり、国内の生命保険業界としては前例のない大規模な取り組みです。

■ DXの目的と背景
日本社会が抱える少子高齢化や労働力不足、社会保障の再構築といった構造的課題に対して、企業が持続的に価値を提供し続けるには、生産性向上と人の価値の最大化が求められます。明治安田は、10年ビジョン「MY Mutual Way 2030」のもと、“人とデジタルの融合”を経営戦略の柱に据え、DX戦略を推進中です。

■ プログラムの主軸と仕組み
アクセンチュアは、データ・AI・業務知識を融合した専門チームを組成し、同社のフレームワーク「Total Enterprise Reinvention」に基づき、次の3つを軸に取り組みを展開します：
データ駆動型経営基盤の整備：市場や顧客ニーズの変化に柔軟に対応できる体制を構築。
デジタル秘書の導入と活用：職員の業務負担を軽減し、生産性と提案力を向上。
DX人財の育成：300名規模の人財を育て、社内にDX文化を定着させる。

■ デジタル秘書「MYパレット」の導入
2024年10月には、約36000名の営業職員向けに、AIが営業活動を支援するデジタル秘書「MYパレット」が導入されました。MYパレットは以下の機能を備えています：
顧客の属性や嗜好、地域イベントなどの情報を即時分析
最適な提案やトークを営業職員に提供
訪問記録や情報入力の簡略化による業務負荷の軽減
今後は、営業職員以外にも適用範囲を広げ、全職員が活用できるプラットフォームへと拡張していく方針です。

■ 両社代表のコメント
明治安田の永島社長は、「生成AIを活用し、検討・開発と人財育成を一体で進める“モノづくり・ヒトづくり”の実現」を強調。
アクセンチュアの江川社長は、「この取り組みは生命保険会社の枠を超えた価値創造に挑戦し、社会に新たな企業の理想像を提示するもの」と述べました。

このプロジェクトは、保険業界を超え、人とデジタルの共創による企業変革の先進モデルとして、日本企業に広く波及する可能性があります。

【今回の取り組みについて】
今回の取り組みは、生成AIと“人間力”の融合を組織の中核に据えた先進的DXモデルとして、日本企業の新たな方向性を示しています。

・営業現場のAI支援＝顧客接点の高度化
MYパレットの導入により、単なる業務支援に留まらず、顧客体験の質そのものを引き上げることが可能になり、「AI＋人間」のベストミックスが実現し始めています。

・DX人材育成が“部分最適”から“全体最適”への橋渡しに
業務支援だけでなく、300名規模の変革推進人材を育成する計画は、継続的なイノベーションの基盤となります。

・生命保険会社の役割を“社会インフラ”へと拡張
保険＝保障にとどまらず、健康支援や地域活性化へと価値提供領域を拡げ、企業の存在意義を再定義する構想が実行段階に入っています。

DXとは技術の導入ではなく、「人の価値を拡張する仕組みの設計」だと再認識させてくれる先進事例です。

2025年 1月16日
アクセンチュアWebサイト　https://newsroom.accenture.jp/jp/news/2025/release-20250116

アクセンチュア
世界最大の経営コンサルティングファーム。様々な分野・産業に対し戦略、業務、ITなどのあらゆるコンサルティングを提供しシステムの設計、開発、運用等を手がけるITサービス企業でもある。フォーチュン・グローバル500に選ばれている多国籍企業（2009年の順位は351位）。アンダーセンの一部であった同社は、会計系コンサルティング会社という印象が強いが、システムを中心に戦略から人/組織・業務プロセス改革、SE・運用コンサルまで幅広く展開している。

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