BCG、ネットゼロ実現に向けてクライムワークスとダイレクト・エア・キャプチャー技術で協業

経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ（以下、BCG）は、大気中から二酸化炭素（CO2）を直接回収するダイレクト・エア・キャプチャー（DAC）技術開発のリーダー企業であるスイスのスタートアップ、クライムワークス（Climeworks）と、10年間のパートナーシップを締結したことをお知らせします。BCGはクライムワークスのCO2回収・除去サービスを導入するとともに、同社に対するコンサルティングを通じてサービスが幅広く普及するようご支援します。BCGはDACを含む脱炭素技術について今後複数の提携を予定しており、クライムワークスとのパートナーシップはそのうち最初の契約となります。

クライムワークスのCO2回収・除去サービスを導入

BCGは2020年9月、2030年までに温暖化ガス排出量ネットゼロを実現すると宣言しました。その一環として、クライムワークスのCO2回収・除去サービスを導入します。同社のDAC技術は、再生可能エネルギーを100％使用して大気中のCO2を直接回収し、アイスランドのスタートアップ、カーブフィックス（Carbfix）が開発した鉱化技術を利用して地中の岩盤層に貯留します。このCO2は何千年もの間地下に留まるため、現時点で利用可能な技術のなかでは有望で持続的なCO2除去ソリューションと考えられます。

コンサルティングを通じ、クライムワークスのサービス普及を支援

大気中のCO2を大規模かつ半永久的に除去することは、世界全体でのネットゼロ達成に不可欠です。しかしながら、国際エネルギー機関（IEA）によると、現在のDAC技術の回収・除去能力は年間約1万トンしかないとされています（注1） 。BCGは今回の契約を皮切りに、DAC技術のリーダー企業と長期的なパートナーシップを築いてDAC技術の市場規模を拡大し、この技術が企業のネットゼロ実現に対して発揮する大きな効果を実証することで、DAC技術の可能性を最大限に引き出せるよう支援します。

BCGのCEO、クリストフ・シュヴァイツァーは次のように述べています。「脱炭素社会の実現に取り組むBCGにとって、このパートナーシップは非常に重要です。BCGは自社のネットゼロ実現のためにクライムワークスのサービスを利用するだけでなく、コンサルティング・パートナーとして世界中で同社のサービスの普及・拡大を支援することで、さらに大きなインパクトを社会に与えることをめざします」

クライムワークスの共同CEOであり、共同創業者であるクリストフ・ゲバルドは次のようにコメントしています。「脱炭素技術市場が急速に拡大するには、先駆的な企業の早期の行動が必要です。私たちは今年、CO2を回収する大型プラントを稼働させました。BCGにとってDACに関する最初のパートナー企業となること、そして同社の2030年のネットゼロ実現を支援できることを誇りに思います。今回のような協業は、科学的根拠に基づく拡張性の高いソリューションを支えるほかの事業領域に刺激を与えるという点でも、重要な役割を担っています」

2021年 12月10日
ボストン コンサルティング グループ Webサイト

ボストン コンサルティング グループ（BCG）
世界的な戦略コンサルティングファーム。同社を経て、経営者、大学教授等に転じた著名人も多く人材輩出ファームとしても有名。最近は大手事業会社の経営企画に入り込み、クライアントと共に戦略立案だけでなく実行支援を手掛けているケースも多い。プロボノ活動として、WFP (国連食糧計画)やSave The Childrenなどに無償でコンサルティングを提供したりもしている。

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