ベイン・アンド・カンパニーは、イタリアの現地時間24日に、イタリアの高級ブランド統括団体であるアルタガンマ財団と共同で「世界の高級品市場レポート2016年春季版」を発表しました。世界の個人向け高級品(革製品、アパレル、時計、香水、コスメ等)の市場は、昨年「新たな標準(低成長だが着実)」とも言える成長ステージに突入し、その2015年の市場規模は2530億ユーロとなりました。これは対前年比13%増ですが、為替変動による影響を排除した実質成長率は1%にとどまります。2015年第4四半期の米国のホリデーシーズンの不調、欧州への旅行者数の減少、不安定な中東情勢、中国市場の低迷等による業界全体への影響によるものです。
ベインの調査によると、実質成長率1%という低成長の流れは2016年の第一四半期も引き続いており、2016年を通じてこの傾向が継続すると見ています。
2016年の主な地域/国ごとの動向予測:
日本:継続して高級品市場で最も成長する市場となります(対前年比5%増、為替変動による影響を排除した実質市場成長率は7%)。しかし、円高や中国人旅行者の減少によって2015年と比較した対前年成長率は鈍化が予想され、日本人による国内消費もその減少分を補うほどの成長は期待できません
大中華圏:中国本土は、近年続いていた市場縮小を脱却し回復傾向にあります(対前年比2%増、為替変動による影響を排除した実質市場成長率は4%)。台湾も同様に着実に成長すると見ています。一方、香港とマカオでは厳しい状況が続くと見られています
米州:米国は旅行客による支出が期待できず、市場は縮小すると見られています。一方、ラテンアメリカでは旅行者による支出の復活により、微増傾向になると見られています。カナダは引き続き堅調でしょう。米州全体では、対前年比2%減、為替変動による影響を排除した実質市場成長率は0%と予測しています
欧州:テロへの恐怖や、ビザ発行時の生体認証情報登録等の影響により欧州全体で観光が低迷すると見られます。その影響は高級品市場にも及びますが、その減少分を域内消費者の高級品消費がカバーすると見られています(対前年比1%増、為替変動による絵鏡を排除した実質市場成長率は3%)
その他アジア:シンガポールを除く東南アジア各国は、域内の旅行者や自国の消費者による国内消費に支えられ、堅調に推移するでしょう。日本及び中国本土を除いた「その他アジア」は対前年比1%減、為替変動による影響を排除した実質市場成長率は1%となる見込みです
2020年に向けた業界トレンド
ベインでは、世界の個人向け高級品市場規模は今後年平均2~3%で成長し、2020年には2800~2950億ユーロになると予想しています。しかし、これは中国本土の継続した成長が実現できるか次第です。今後4年間で、中国人消費者(主に中間層)は世界の高級品消費者の約34%を占めると見られており、これは米州や欧州の消費者をはるかに上回る割合となります。また、高級ブランド各社の新たな取り組みにより成熟市場の消費が回復することで、市場拡大が推進されるでしょう。
チャネル別では、空港(年平均成長率7%)やアウトレット(年平均成長率8%)が増加するでしょう。また、オンラインも急速に拡大しており、2020年までに年平均15%で成長する見込みです。
「これからの高級品市場のシナリオは、様々なレベルにおける高級ブランドの戦略的な意思決定によって形付けられます。顧客戦略ではブランディングやストーリー性の提示、オムニチャネル、プライシングが高級ブランドのCEOにとっての最重要事項となるでしょう。また、低調が続く業界で、トップブランドは「グローバルブランドの現地化」された価値を提供し、優れた人材を採用・育成しているのです」と、ベインのパートナーであり本レポートの主著者でもあるクラウディア・ダルピツィオ(Claudia D'Arpizio)は述べています。
ベインでは、今後数年間で業界が直面する「新たな標準」に高級品ブランド各社が順応していくうえで必要なアクションを下記に挙げています。
マーケットと消費者:高級品を買わなくなってしまった成熟した消費者を取り戻しながら、新たな顧客を獲得するために、店頭での顧客体験を一人ひとりに合わせた形にカスタマイズし、各地に適応させたブランドの提供価値を品揃えやマーケティングといった全ての主な場面で提供する
市場へのルート:将来を見据えて流通戦略を見直し、現状モデルを価値にドライブされた「ファスト・ラグジュアリー」に進化させる。また、全ての顧客接点において、顧客のエンゲージメントを全体的に向上させる
価値創造:ブランドのコンテンツを極め、ストーリーとして語る
2016年 5月25日
bain.com
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