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コンサルに求められる人材像

ゼロベース思考とは、今まで持っている前提知識や思い込みを一旦ゼロにして、基礎（ベース）がない状態から物事を考えることです。
一般的に我々は自身の知識・経験・価値観などを基に考えるものですが、時にその過去の事例や様々な規制などが思考の幅を狭くさせてしまい、新たなアイデアを生み出すための足枷になったり、思考が複雑化してしまったりなど、課題解決が困難になってしまう場合があります。
その時にこの「ゼロベース思考」を取り入れます。
既存の概念・枠組み・方法などにとらわれずに柔軟に物事を考えることで、革新的・創造的なアイデアを思いつきやすくなるのです。

ひとつはビジネス環境の複雑化でしょう。
新たなIT技術や、消費者行動の多様化など過去これまで経験のなかった変化が増えてきています。企業としても過去事例を参考にできず、より新しいイノベーションやアイデアが必要になってきています。
そのため、これまでの前提条件を一旦ゼロにして考える「ゼロベース思考」が注目されています。

また、考えるという行動は、考えて→理解→適応するという示唆にもなり、例えば働き方や、価値観の多様化など企業の制度改革にもゼロベース思考が活かされます。
リモートワークについても、働くには会社にきて決まった定時の間はデスクで仕事をする、をゼロから考えてみれば、働く場所も時間も最終的なアウトプットが期待通り上がってくれば企業としても問題ありません。
文化や人の多様化を受け入れることも新しい視点になりますね。

新しいアイデアの創出
過去の経験や先入観にとらわれず、新しい発想から画期的なアイデアを生み出すことが可能になります。
例えば「段ボール」について考えてみると、我々の経験からは段ボールは荷物を送ったり運ぶ際の「箱」です。
段ボール製造メーカーの売上アップのために新規ビジネスを創出するには何がいいでしょうか？
使用用途が決まっている前提条件を崩して考えてみると新しい商品が生まれるかもしれません。

顧客視点や別の視差から考えられる
商品やサービスを考えるとき、どうしても会社目線で考えてしまいます。コストや売上、利益率、自社の強みを活かすなどなど。
これらを一旦ゼロにして、顧客の立場になって考えてみると、本当に求めているものが見えてくるかもしれません。
以前売り上げが合った商品も時代によっては売れなくなります。その時に過去の実績や先入観を捨て、顧客目線でニーズを探ってみると解決の糸口が見つかるかもしれません。

複雑な問題解決に利用できる
近年のビジネス環境は複雑化を増し、「考えても考えても解決の糸口が見当たらない」「何から考えたらいいか分からない」というときにゼロベースから考えると、思いもつかなかった発想が生まれるかもしれません。

ゼロ―ベース思考を使う場面としては、上記の通り思考に詰まったとき、結論の出ない時に使います。
多い使い方として、
・相手の立場（顧客・利用者）になって考える
・「出来ない」「無理」の考えを外し、「どうしたら出来るか」を考える
の2点があります。

固定概念というのは常にあるものですが、
・一旦これまでの習慣や常識を疑ってみる
・別の視点（消費者・利用者）から考えてみる
・目的は何かを確認し、ゴールから考えてみる
など発想を転換させて考えます。

コンサルティング業界だけでなく、一般のビジネスの世界でも「従来の仕組みの改革」「新商品の開発」など、ゼロベース思考が求められる場面は多く、「ゼロベースで思考する」姿勢は広く知れ渡っています。
ゼロベース思考のおかげで成功した実際の事例もあります。例えば、JRの湘南新宿ラインはダイアの割り込みがほぼ不可能な中首都圏を縦断する電車を実現するため、貨物電車が普段は走行する貨物線路を人が乗る旅客列車に常用利用するという案が、現在の成功に繋がっています。

コンサルタントにとってゼロベース思考は当然不可欠なものだといえるでしょう。ビジネス環境の変化が激しくなった近年では、クライアントの課題は既存の問題解決手法だけでは上手くいかないケースが多いです。今までの成功体験や、既存の枠組みを一旦捨て「ゼロベース」で考える場面は幾度となくあります。
コンサルタントは常に様々な情報に目を向けながら、より柔軟に解決法を考えることが求められています。

ではどのようにしたら「ゼロベース思考」を身に付けれることができるのでしょうか。
これについては訓練しかありません。
現在コンサルティングファームで活躍しているコンサルタントも日々の訓練でひとつひとつ身に付けています。
まずは色々な身近なことを題材に「ゼロベース思考」で考えてみましょう。
例えば、
・少子高齢化問題
・日本の学力を上げるには？
・オリンピックでの獲得メダルを上げるには？
・自分の成績（業績）を上げるには？
など新聞やテレビからたくさんの情報が流れてきますので、ふと足を止めて考え、脳を鍛えていきましょう。