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空雨傘はマッキンゼーの有名なフレームワークとして様々な書籍やコンサル思考法を紹介する漫画書籍でもよく見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

この空雨傘は論理的に考え、課題解決方法の意志判断も行えるフレームワークです。

この空雨傘はそれぞれ課題解決のためのプロセスを表現しており
空…現状把握・事実（ファクト）の把握
雨…空で分かったファクトからどんな解釈ができるのか
傘…ファクトと解釈を踏まえたうえで実行すべきことは何なのか
を意味しています。

そのまま空雨傘を使うと
「空」は晴天「雨」は降らないだろう「傘」は置いて行こう

これはシンプルで当たり前ですよね。

ちょっと難しいかもしれないと思うかもしれませんが、皆さんは日々の生活でこの空雨傘は日常的に使っています。
例えば上記と同じ内容であれば、朝の天気予報や空をみて毎日上記のことを行っていますね？
明日の気温は日中も低く、帰宅時間はかなり寒いのでいつもより防寒して家を出よう
いつもやっていますね。

非常にシンプルですが、
これがコンサル思考法であるフレームワークである「空雨傘」です。

まず、空雨傘はこの順番で並んでいることが大切です。それかの順番を入れ替えたり、傘から考えるということはありません。
各ステップのプロセスを経て解決策が生まれますので、ロジックの飛躍や希望的観測や主観が入り交じり論理的な解決策は得られません。

またどれも欠けることもできません。「空」（現状把握）だけでは「だから原因は何？」となってしまい、「雨」（解釈）でわかったことを意味付けしなければ膨大な情報が集まっただけで論理的に判断ができません。さらにここまでの「空」「雨」の洞察が甘ければ「傘」での結論が安直なものになってしまいます。

このフレームワークを使う際に重要な点は、課題の定義です。
これがないとそもそもプロセスそのものが意味を失ってしまいます。
先ほどの例でいえば「今日出かける際に傘を持っていく必要があるのか？」という課題を定義したからこそ「傘はいらない」と解決策へとたどり着くことが出来たわけです。

また最後に「施策を実行」することではじめて、すべてのプロセスがインパクトに繋がります。そのため実行可能なアクションにつながるのか、という視点を持って「空→雨→傘」の各ステップを考えることが大切です。

空雨傘は論理的で誰しもが納得できるストーリーを組み立てることができます。
もちろん解決策は正しい内容でない場合もありますが、実行しなければ解決にはならず、仮説検証をしながら空雨傘を繰り返しながら原因の本質を探っていかなければいけません。

・課題はしっかりと定義されているのか
・各ステップのプロセスは漏れなく出来ているのか
・実行可能なアクションとして繋がっているのか
これらを常にチェックする必要があるでしょう

ビジネスシーンではそのポジションにおけるスキルや経験知識も大切ですがコミュニケーション能力も重要です。自分が思ったことを齟齬なく伝えることは簡単なようで難しいです。特に上司や客先であれば緊張もするしミスをしてはいけないというバッファもあり、意味不明な受け答えをしてしまった、という方もいるのではないでしょうか。

コミュニケーションの際にも「空雨傘」は実は使えます。
「前々から導入したいと考えていたこのツールだけど何で検討除外したの？」
「我々のリソース不足を補え、且つ業務効率化にも役立ちますが価格が高すぎます。足りないリソースである人材コストと比べた際に、ツールの方があまりにもコストが掛かるのでスポットで人材確保しながらプロジェクトを進めたほうが良いかと思います」

空雨傘を意識すれば報告が1ターンで終わりますね。

例えば、
「なんで除外したの？」
「高いからです」
これだけでは「雨」の部分が無さ過ぎてはんだんできません。
高くても使えるツールであれば導入すべきですよね。

このように部分的に話してしまうと、ファクトと解釈がバラバラになってしまい、ストーリーにならず聞き手の方も話全体の解釈に時間が掛かったり、もしくは理解できないまま終わってしまうかもしれません。

ちなみにこの空雨傘の「空」は一つでなくでもいいのです。
「なんで会社の売上が上がらないのか？」
これを空雨傘に置き換えた場合、「空」は考え付くだけでもたくさんあります。
さらにそのファクトからの「雨」はそれ以上に出てくるかもしれません。
また「傘」も同じですね。