優秀な業績や成績をあげている企業や組織、個人は得意技つまり勝ちパターンを持っていることが多い。国内衣料品小売專門店のランキングをみると、1位のファーストリテイリング(約9287億円、営業利益)と2位のしまむら(約4911億円)の2強が3位の青山商事(約2000億円)以下を大きく引き離し、“勝ち組”としての地位を不動のものにしつつある。両社とも安さを売りものにして顧客層をひきつけている。それならば、ファーストリテイリングとしまむらは同じ勝ちパターンを持っていると言えるのであろうか?
早稲田大学商学学術院教授で元ボストンコンサルティンググループ元日本代表の内田和成氏に、勝ちパターンについて聞いた。国内ファストファッション業界を例に、勝ちパターンとはどういうものなのかを考えてみよう。
ファーストリテイリングとしまむらに対して、私たちは似たような印象を持ちがちだが、細かく見ていくと、同じコストリーダーシップ戦略ながら、両社の戦略は以下のように大きく異なる。
(1) 顧客セグメントはファーストリテイリングが男女半々・全年齢層なのに対して、しまむらが女性中心・主婦・若者に絞り込んでいる。
(2)商品政策はファーストリテイリングがSPA(製造小売)・商品補充型・少品種多量・品質重視なのに対して、しまむらは集中購買・商品売切型・多品種少量・品揃えを重視する。
(3)国内出店戦略はファーストリテイリングが都心に積極展開しているのに対して、しまむらは郊外を中心に展開する。
さらに、コスト構造も異なる。しまむらのコスト構造を時系列で分析してみると、売上原価率が70%弱、販売管理比率を23〜24%に最近10年間常に保っている経営なのに対して、ファーストリテイリングのコスト構造は、売上原価率は60%〜50%、販売管理比率30%〜50%とアップダウンがある。
売上原価率と販売管理比率のこのアップダウンは何を意味するのだろうか。ファーストリテイリングの勝ちパターンは、フリースやヒートテックなどのブーム作りである。ブームによって知名度を上げ、売上を上げ、利益を上げるというものである。ブームを作るのに成功した時、売上原価率と販売管理比率が一時的に下がるが、ブームが去ると、これらの数字がリバウンドする宿命にある。
それに対してしまむらは、販売管理比率の数字の低さがファーストリテイリングとの比較から際立つ。流通や小売段階でのローコスト・オペレーションを勝ちパターンとしているのがしまむらでる。
このように、ファーストリテイリングとしまむらの勝ちパターンは異なる。どちらが正しいということはなく、両社とも最適解を個別に追究している。
ファストファッション業界を例に2社を取り上げたが、ほかの業界においても、勝ちパターンが存在するのはもちろんのことである。例えば、家電量販店業界において、ヤマダ電機やコジマは郊外立地が勝ちパターン、ヨドバシカメラやビックカメラは駅前立地が勝ちパターンという具合である。
どの業界においても「これが正解」という勝ちパターンがただ一つだけ存在するというわけではない。勝ちパターンは企業の個性そのものである。
成長を続けると、せっかく築いた勝ちパターンも利用し尽くし、勝ちパターン以外の領域にも足を踏み込まなければ成長できなくなるタイミングがいつかはやってくる。勝ちパターンは永遠には続かないかもしれないのである。その時は、新しい勝ちパターンを模索しなければならなくなるだろう。
大企業の勝ちパターンだけでなく中小企業の勝ちパターン、戦略面やビジネスモデルだけでなくオペレーションの勝ちパターンといったいろいろなバリエーションについて、今後、本コラムで取り上げて続報する予定である。
2013年 5月16日
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