問題解決のエキスパート中のエキスパートであるコンサルタントたち。彼らの頭のなかではどのように思考が巡らされ、最善かつ有効な解決方法が導き出されているのだろう──。
仮説の検証などのディスカッションの場で交わされるマッキンゼーとBCGの共通語が2つ存在する。それは「Why? 」と「So What? 」だ。もちろん前者は「なぜ」という意味。後者についてBCG出身のUSENの中村史朗氏は、「何を意味しているのか、何の示唆があるのかということ。ミーティングで何かグラフをプロジェクターで発表したとたん、『So What? 』が飛び出す。それって何の意味があるの、この事実が何の仮説を補完しているのかを問いながら、より確度の高い仮説を導き出そうとしているのだ」と説明する。
そうやって丁々発止の議論を行うのは、「健全な否定と肯定の繰り返し」によってこそ最善の問題解決策に近づけると考えているから。そして、このBCGのディスカッションの場においても重要な鍵を握っているのが、やはり多面的な視点なのだ。BCGの東京事務所には「多様性からの連帯」と毛筆で書かれた大きな書が掲げられていることからも、同社が異質な人材の組み合わせを重視していることがわかる。
また、「Why? 」と「So What? 」をセットで活用した問題解決の思考法のトレーニング方法もある。たとえば、シェアが落ちた原因を「Why? 」で突き詰めていくと、「商品の人気がない」「デザインや企画がイマイチ」といった理由から「開発力が弱っている」という真の問題にゆき着く。次に「So What? 」を繰り返していくことで、「人材不足を補う」「外部から優秀な人材を引き抜く」といった仮説が導き出されてくるのだ。
マッキンゼーではどうかというと、ロコンドの田中裕輔氏は「『Why? 』と『So What? 』は、仮説の検証の段階などでデータやファクトを読み込むときによく使われる。失業率アップというデータがあれば、『Why? 』を問うことで景気が悪化して解雇者が増えたという原因が引き出される。そして『So What? 』と問いながら無給者が増え、消費に悪い影響を与えるといった失業率アップの意味合いを考えていく」という。その繰り返しによって最適な仮説が導かれ、実効性をともなった問題解決策へ近づいていくわけだ。
では問題解決の思考法を活用してきた経営者たちは、企業経営という実践の場でそれらをどう活用しているのだろう。
ネット事業への過大な投資で弱体化したUSENの経営基盤の立て直しを担う中村氏は「主軸の有線放送事業の営業戦略について自分なりの仮説を持っていた。それを社内での議論を通じて検証を重ね、現場に落とし込みやすいようファインチューニングを行い、11年9月から全国展開している」と語る。
同じ顧客でも喫茶店やバーなどの個店と外食チェーンとではニーズが異なり、営業手法も変わってくる。そこで顧客をきっちりとセグメント化し、おのおのの顧客に合わせたスキルを身につけた営業マンを別々に組織化した。そして契約を長期間継続してもらえるように営業アプローチをかけ始めたのだ。そうした結果、業績が急回復に転じ、12年1月に発表された11年9〜11月期の連結営業利益は前年同期比74.3%増の24億9600万円となっている。
マッキンゼーとBCG出身の共同創設者が経営に当たるロコンドでは、これまでの業界の常識を打ち破った送料無料、99日間返品無料という靴のネット販売で1000億円市場の創造を目指している。田中氏、秋里英寿氏ともに「その目標が自分たちにとっての仮説だ」という。
もちろん、取引先や出資者を納得させることのできる緻密な検証を経た事業計画に裏打ちされたものであることはいうまでもない。11年2月のサイトの本格的なスタート直後に大震災に見舞われて打撃を受けたものの、初年度の12年2月期の売上高は20億円を超えた模様であり、その仮説の立証に向けて着実に歩み始めている。
そして、オイシックスの高島宏平氏は「経営者は何をすべきかわからないといって立ち止まるわけにはいかない。いま自分が何の問題に答えを出すべきなのか、何をしたらいいのかを明確にできるスキルをマッキンゼーで身につけたことは大きな財産だ」と語る。
最後にロコンドの田中氏が、すぐできる問題解決の思考法の実践方法を紹介してくれた。「会議でいくら議論しても結論が出ないのは、『その問題は答えるべき問題なのか』を意識していないから。そこで部下に指示を出すときに、『この問題については、こうした理由があるので答えなくてはならない。ついてはこのようなデータを集めて検証してほしい』と伝えることで、本人たちの意識を高めさせるようにしている」という。もちろん指示を出す田中氏の頭のなかには、イシュー・アナリシスがきちんと描かれている。あなたもチャレンジしてみてはいかがだろう。
2013年 7月4日
プレジデント
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