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ボストン コンサルティング グループ（BCG）は、経済産業省が推進する「GX促進に向けたカーボンフットプリントの製品別算定ルール策定支援事業」の支援事業者として、4業界における製品ごとのカーボンフットプリント（CFP）算定ルールの策定支援を行い、このたびそれらが公表された。

本事業は、製品ライフサイクル全体における温室効果ガス（GHG）排出量の見える化と削減を加速するために策定された制度。企業単体ではなく、サプライチェーン全体の排出量を対象に業界全体で共通ルールを作ることが特徴であり、「公平で比較可能なCFP算定」が目的である。策定されたルールは、2023年3月に経済産業省が公表した「カーボンフットプリントガイドライン」に基づくものであり、今回の取り組みはその実装フェーズに位置づけられる。

今回BCGが支援したのは以下の4業界：

文具業界
?代表団体：一般社団法人全日本文具協会
?参加企業：プラス、シヤチハタ、コクヨ、三菱鉛筆など

製紙業界
?代表団体：日本製紙連合会
?参加企業：三菱製紙、王子HD、日本製紙、大王製紙など

オフィス家具業界
?代表団体：一般社団法人オフィス家具協会
?参加企業：コクヨ、イトーキ、内田洋行、オカムラなど

情報通信・ICT業界
?代表企業群：NTTグループ（NTT、NTTデータ、NTTコムウェア等）、日立、NEC、富士通、クニエなど

BCGは、これら業界団体・企業と連携し、それぞれの製品特性や業界の構造を踏まえた算定ルールを策定。共通指標やデータ収集方法、バウンダリーの設定などについて議論をリードし、策定プロセス全体を設計・ファシリテートした。

本事業の背景には、政府の「GX実現に向けた基本方針（2022年度）」がある。同方針では、需要側からの脱炭素推進策として、GHG排出量の見える化による「グリーン製品」の市場拡大が掲げられており、グリーン製品の普及と選定を可能にする仕組みづくりが急務とされていた。

2023年には「カーボンフットプリント・ガイドライン」が公表され、その中で業界横断での製品別算定ルールの確立が求められていた。今回の取り組みはそれを踏まえた先進事例の創出として期待されている。

また、環境省による補助制度「グリーンファイナンス拡大に向けた市場基盤整備支援事業」とも連携し、登録支援者制度を通じた制度的な後押しも計画されている。

これにより、国内のCFP算定精度・信頼性向上のみならず、国際的な比較可能性のあるフレームワーク構築へとつながる動きが加速している。

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今回の製品別CFP算定ルールの策定は、日本企業の脱炭素経営を一段進化させる重要なステップといえる。BCGが支援したこの取り組みの意義は、単なる排出量の可視化に留まらず、「業界統一の算定基準」という共通土台を提供した点にある。これは、企業間・製品間の正確な比較や、サプライチェーン全体での排出削減アクションの判断基準として機能する。

また、サステナブル調達やESG投資が加速するなかで、製品別CFPは新たな競争力ともなりうる。特に輸出を視野に入れる企業にとっては、EUなどのカーボンボーダー調整措置（CBAM）対応にも資するインフラ整備と言えるだろう。

今後は、策定したルールの運用と継続的な見直し、他業界への水平展開、さらには海外基準との整合性確保がカギを握る。業界横断の連携体制が問われるフェーズに突入しており、企業は「測る力」に加え、「示す力」「変える力」が求められていく。BCGのような支援者の存在はその転換を支える要となるだろう。

2024年 3月29日
ボストン コンサルティング グループ（BCG） Webサイト　https://www.bcg.com/ja-jp/press/29march2024-cfp-rules-for-four-industries

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