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経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ（BCG）は、伊藤忠商事株式会社と共同で、顧客のIT・デジタル活用による課題解決および事業変革を支援するDXコンサルティング事業に特化した合弁会社を設立することで合意した。新会社は、関係当局の最終承認を経て設立される予定である。

この取り組みは、企業が競争優位を築くうえでビジネス現場（LOB部門）におけるIT活用の重要性が高まっていることを背景にしている。従来型の「要望に応じたシステム開発」では対応が困難なケースが増えており、現場の課題の本質を捉えるコンサルティング機能や、より広範なデータ活用、柔軟なIT連携提案が必要とされている。

伊藤忠商事はこれまで、伊藤忠テクノソリューションズ（CTC）やベルシステム24などを中心に「デジタル事業群」を形成し、顧客ニーズに応じた最適なITサービスを提供してきた。今回のBCGとの合弁は、そこに上流のコンサルティング機能を加えることを目的としたもので、提案力の質と幅を飛躍的に向上させる狙いがある。

新会社では、BCGがもつグローバルレベルのDX・IT戦略策定や業務変革に関する豊富な知見・メソドロジーと、伊藤忠商事グループの豊富な産業知見や業界ネットワークを融合させ、課題の本質的把握からIT/BPO導入・連携までのエンドツーエンドのDX支援を提供する。

具体的には、以下のような支援を予定している：

現場起点での業務課題の可視化と整理

テクノロジー導入前のフィージビリティスタディ

顧客ニーズに応じたシステムやBPOサービスの選定・連携

IT投資対効果の分析および実行支援

経営層・現場の双方への導入コミュニケーション支援

このように、技術と業務、そして事業変革の視点が交差する領域で、高い専門性を持つ合弁会社を創出することで、顧客企業にとって実効性の高いDX支援が可能となる。

伊藤忠商事とBCGはこの合弁会社を通じて、顧客が抱える本質的な課題に「マーケットインの発想」で取り組み、IT導入のその先にある「事業の変革」までを視野に入れた次世代のDX支援モデルの構築を目指す。

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BCGと伊藤忠商事の合弁によるDXコンサルティング会社設立は、単なる「コンサル＋IT」の枠を超えた産業横断的な変革支援のモデルケースとして注目される。とくに近年のDX案件では、システム導入だけでなく、現場主導の課題抽出やBPO、データ分析までを一貫して提供できる支援体制が求められており、今回の協業はまさにその要件を満たすものだ。

また、伊藤忠商事の事業ポートフォリオには製造、物流、サービス、エネルギーなど多様な業種が含まれており、合弁会社が提供するDXサービスの適用範囲は極めて広い。BCGの戦略・実行支援ノウハウと組み合わせることで、“業界を問わず通用するDX変革支援のテンプレート”を提供する存在になり得る。

さらに、ITだけでなく「人材配置」「BPO活用」「新規事業創出」まで視野に入れることで、DXの“経営戦略化”を図る動きも期待される。日本企業が抱える「IT導入と業務変革の乖離」という課題への、具体的な解法としても波及効果は大きい。今後の展開においては、中堅企業や地方産業への横展開、パートナー企業とのエコシステム構築も鍵となるだろう。

2024年 3月29日
ボストン コンサルティング グループ（BCG） Webサイト　https://www.bcg.com/ja-jp/press/29march2024-jv-launch

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