コンサルファームの実例を紹介「自動車業界 コンサルティングプロジェクト事例」

「自動車業界」 向けコンサルティングとは?
自動車産業は最もグローバル化が進んだ産業のひとつであり、コンサルティングテーマとしても非常に盛んなテーマの1つです。自動車メーカーの販売戦略や海外進出などから部品メーカーの業務改善、コスト削減、などトータルでのコンサルティングプロジェクトを存在しています。また次世代に向けた電気、燃料自動車など新規事業に関するコンサルもあります。

何気なくニュース等で流れている企業の動向や、国家プロジェクトの裏には実は「コンサルタント」が深く関わっています。以下オープンとなっている自動車業界向けコンサルティングのプロジェクト事例になっておりますので、コンサルタントがどんな仕事をしていて、どんなコンサルティングを手掛けているかご覧になってください。

ローランド・ベルガー:電装品メーカーの戦略策定

電子制御の急速な進展に伴い、自動車部品において電装品の占める割合が高まってきている。自動車におけるこれからの技術革新の90%はエレクトロニクスによってもたらされるという予測もあり、その重要性が今後も高まっていくことには疑いがない。市場の継続した伸長が約束されており、電装品メーカーにとっては売上拡大の好機であるが、一方では様々な問題が生じている。自動車に搭載するECUの増大が、電子システムとしての自動車の複雑性を累乗的に増加させ、開発の遅れやリコールの増大、開発人員不足などの問題を引き起こしている。とりわけソフトウエア開発の重要性が飛躍的に上昇し、ソフトウエアの適切な品質・プロセス管理が難しくなてきている。
このような背景の下、電装品メーカーA社は今後の成長をソフトウエアの品質やプロセス管理の強化だけで担保することは困難と判断し、全社戦略の見直しに着手した。
支援の依頼を受けたローランド・ベルガーでは車載ソフトウエアの現状の問題を整理し、今後の動向について分析し、シナリオを策定した。まずは現状の問題を洗い出し、その問題の多くは自動車メーカーの脆弱なシステム・アーキテクチャによって引き起こされていることを明らかにした。その上で、車載ソフトウエア増大の歴史をひもとき、ワイヤーハーネスの重量削減を目指したネットワーク化において、車両システムとしての視点が欠如していたことから、脆弱なシステム・アーキテクチャが構成された流れを確認し、今後のシステム・アーキテクチャの動向を展望した。今後の動向における大きな論点として標準化を取り上げ、AUTOSARやJASPERなどの動向や、各社の考え方や取り組みなどから3つのシナリオを策定し、各シナリオにおける部品メーカーとしての基本的な戦略を策定した。
戦略の検討にあたっては、ローランド・ベルガーで実施したグローバル・スタディ「部品メーカーの将来」の成果を活用し、部品メーカーが取るべき3つのポジションである、システム・インテグレーター、テクノロジー・サテライト、プロセス・サテライトの車載ソフトウエアにおける適用を試みた。
基本的な戦略を踏まえた上で、システム分野を再定義し、各システム分野における成長性、革新性、A社の競争力、標準化進展のシナリオなどを評価し、システム分野ごとの戦略に落とし込んだ。戦略の落とし込みにあたっては従来の部品ビジネスとソフトウエアビジネスの違いを明確にし、未確立の車載ソフトウエアのビジネスモデル構築の道筋も明らかにした。

PwCコンサルティング:ロシア進出サポートプロジェクト

クライアントは自動車メーカーからの要請により新興国への進出に取り組んでおり、メーカー各社と取引を拡大することを検討中でした。対象国の1つであるロシアは言語や日本からの距離などの問題から、現地の自動車政策、自動車メーカー各社の動き、現地への進出の可能性、投資実務の留意点などについて情報が入手しにくいため、PwCのグローバルネットワークを活用し、ロシア進出のためのフィジビリティスタディの支援を提供しました。

iTiDコンサルティング:自動車メーカへの提案力向上を実現した引合検討プロセスの強化

アルパイン株式会社では、車室内のエンターテインメント、テレマティクス、ドライブアシストの役割を担うAVNC(Audio、Visual、Navigation、Communication)製品を開発・製造・販売している。製品の大半は自動車メーカ(特に欧州を中心とする高級車)向けOEM製品であり、自動車メーカ純正品としてユーザに届く。そのため、高機能・高品質とともに、車の特徴に合わせた製品開発が求められている。
比較的単純なAudio製品が主流だったのが、Visual、Navigation、Communicationなどと商品セグメントが多様化、複雑化しており、開発規模が増大していた。加えて、自動車メーカから要求される開発スタイルも変化していた。従来は地域別に順次開発することが許されたが、プロジェクト発足当時は世界同時立ち上げが主流、つまり、開発期間の短縮が求められていた。様々な製品機能の複雑化と開発リードタイム短縮という要求に対して、製品開発は混乱しており、自社内で量産設計プロセスの改革を実施したにも関らず、量産間際での負荷は増大し続けていた。その原因は引合検討から構想設計にかけての各種成果物の品質にあった。そのため、引合検討から構想設計の活動を整流化し、成果物の品質を安定させる目的でプロジェクトに着手した。プロジェクト名称は「DSMプロジェクト」と命名した。DSMには、DSM(※1)を活用する、電気(D)・ソフト(S)・メカ(M)が連携する、大規模(D)製品(S)をムリムダムラ(M)なく作れる体質に変化する、という3つの意味をこめ、活動を開始した。

■実施事項(1):アセスメント
改革活動を成功させるためには客観的に問題点を分析することが必要となる。そこで、iTiDINDEX(※2)を活用した他社との開発プロセスベンチマークを実施した。その結果、「独自で改善活動を進めてきた詳細設計フェーズでは強みが多い」「引合検討から構想設計フェーズ、プロジェクト管理では弱みが多い」ことが分かった。この結果を基にヒアリングなど、さらなる診断の結果、4つの重点課題を共有することができた。その4つとは、引合検討から構想設計フェーズにおける「意思決定プロセスの明確化」「技術者の受注活動参画」「受注前のリスク管理」「提案内容の実現性検証」である。これらの重点課題を解決するために、引合検討プロセスと構想設計プロセスを同期させながら部門を超えて連携する未来像を描いた。

■実施事項(2):施策の定義
前述した4つの課題を受けて、技術ばらし手法とプロセス定義を施策の両輪とした改革活動に着手した。

−技術ばらし手法を活用した引合検討から構想設計の整流化−
従来、引合検討段階では、営業部門が技術リスクを考慮せずに受注を優先して活動し、受注後の構想設計段階において技術リスクが顕在化することが多かった。そこで、後工程で顕在化する技術リスクを受注前に見極めるために、提案をまとめる時点で技術ばらし手法を導入した。技術ばらし手法とは、「音楽を再生すること」「操作性が良いこと」のように製品が持つべき要件と「CDメカ」「ディスプレィ」「MPU」のような設計要素に分解して整理することを通して曖昧な点を明確にする手法である。技術ばらし手法により、引合検討段階においても、技術リスクをあげることができるようになった。同時に、製品要件を具体的に分解することで営業と技術が共通言語で語れるようになり、提案のポイントを明確にしたことで魅力的な提案に繋げることが可能になった。また、引合検討段階での検討結果をその後の設計における原点である「製品基本仕様書」にまとめることができるようになったのも、複雑な情報が技術ばらし手法で整理されたことよる効果である。

−受注活動と構想設計を両立するプロセス定義−
受注確率の向上と構想設計の品質確保の両立に向けて、営業部門と商品企画部門からメンバを選定し、引合検討プロセスの「あるべき姿」と要件を整理した。例えば、「開発の手戻りがない」という要件をブレークダウンすると「開発リスクが小さい」と「リスク対応策が事前にある」になる。通常業務として扱える粒度にまでブレークダウンすることで、変革後の業務を具体的にイメージし、アルパインのあるべきプロセスを導くことが可能になった。

この活動の結果、定義したプロセスの特徴は以下の4つである。
1.受注活動開始時に技術者のアサインと体制のレビューを通して意思決定する。
2.提案活動中、顧客反応などの状況変化に応じた柔軟な技術検討を実施する。
3.量産開発につながる「製品基本仕様書」を作成する。
4.ビジネス・技術両面から受注前レビューを通して提案内容の実現性を検証する。

■実施事項(3):施策トライアル
技術ばらし手法と定義した新プロセスを実際の製品開発に適用して検証した。このトライアルの効果はまず、自動車メーカからのアルパインに対する高評価と製品の受注という形であらわれた。具体的な例として、アルパイン様が他社より少ない提案回数で裏づけデータのある提案できるようになり、「今までの提案と全然違うね!」という言葉が頂けたことがあげられる。あるいは技術検討面では、詳細設計に着手する前からのコストダウン検討が実施可能になり、3.6億円分の収益性が向上した。加えて、従来は量産間際に実施していた高リスクの音質評価を前倒しで実施するなど、高リスク要件を早期に実現することができるようになった。メンバによる技術ばらしや新プロセスによる提案には慣れない点もあるため、コンサルタントが支援し、コーチングすることで補った。

■実施事項(4):施策の定着
技術ばらし手法と定義した新プロセスの定着には、ルール・ツール・スキルという多面的な切り口を考えて展開した。営業と技術など部門を超えてプロジェクトの推進力を高め、開発プロジェクトを効果的に運営するには、多面的なアプローチでの変革が必要だったためである。ルール面では、定義したプロセスの明文化、ツール面では技術ばらし手法を支援するiPRIMENAVIの導入、スキル面では、新プロセスの教育や技術ばらし手法の教育のほか、定義した引合検討・構想設計フェーズを担当するリーダーを教育し、育成した。

ほとんどのコンサルティングプロジェクトは、守秘義務により公開されておりません。
しかし、日本を代表する有名企業のほとんどのバックにはコンサルティングファームがおり、企業にとって重要な課題解決を担っています。

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