事業会社 転職体験談

名前：Hさん（仮名）
年齢：31歳
学歴：有名私立大学
職歴：メガバンク → 大手総合電機メーカー コンサルティング部門

新卒でメガバンクに入った私のキャリアの中心はマス・リテール領域におけるデジタルサービス関連の企画・運用業務でした。ネットバンクの攻勢が強まる市場環境の中、メガバンク各社はマス・リテール領域の基盤強化のために利用者の利便性向上やミドルオフィスの業務効率化を図っていた時期で、様々なシステム開発案件を進めていく必要がありました。私自身も複数の案件をさばきながら、徐々に億単位の新規案件の立ち上げやプロジェクトマネージャーなどを担わせてもらえるようになりました。様々な案件を通じて案件オーナーとして関係各所との調整を図りながらシステムをデザインしていくことに面白みを感じ、デジタル化を推進する案件に関わりながら、キャリアをどう深めていくかを考えるようになりました。

その中で、経営企画部でコーポレート・ガバナンスを扱う担当への想定外の異動を命じられました。私がアーキテクチャを考え、様々な関係者と協働して開発を進めていた案件が開発開始目前という道半ばの状況での異動となったため、大きなショックを受けました。持株会社の企画部門への異動でしたので、銀行員としては良いと言われるキャリアでしたが、デジタル関連業務とは距離ができることで自身の思い描いていたキャリアとは異なるため、自身のキャリアの方向性を再考する必要がありました。

異動先での新しい業務を担いつつ、これまでの経験と比較して改めてキャリアを考えた結果、デジタル化の推進を軸としたフィールドでキャリアを重ねたい思いが強くなりました。短い期間での異動は銀行では中々難しいため、新たな挑戦をする良いタイミングだと思い、銀行の外に出る決意をしました。事業会社・コンサルティング会社の両面を見ながら転職活動を始めた中で、コンサルティング業界への転職に強みを持つムービンのことを知り、話を聞いてみようと登録しました。

選考の準備として銀行での経験を棚卸し、自身の志望軸と強みを整理することから始めました。志望軸は実務経験が比較的長いBtoCビジネス（BtoBtoCを含めエンドユーザが見えるビジネス）とデジタル化（主にデジタイゼーション）に関われるビジネスとやや広めに設定しました。加えて、金融以外のフィールドにも挑戦したいと思ったため、金融関連の会社や金融業界がクライアントになる求人は避けていました。また、銀行での経験では専門領域をあまり持てていないと感じたため、自身の強みはシステム開発工程で培ってきた対人関係構築力と案件推進力を軸に進めました。

当初は事業会社も視野に入れた転職活動でしたが、事業会社のサービス企画部門が中途採用人材に求めるケイパビリティは開発サイドでのPMO経験や新規事業開発経験が中心でした。そのため、私の事業部サイドでのデジタル案件推進経験では合致していないことが多々あり、転職活動の開始後2~3ヵ月はなかなか上手くいかない状況が続きました。以降、徐々にデジタル化推進の経験を重ねやすいコンサルティング業界にシフトしていきました。

一方で、コンサルティング業界の初期の求人選定は自身の幅を広げることを優先し、CX関連など、BtoC領域に近い業務でのエントリーをお願いしてしまいました。BtoC領域はデータ分析やマーケティングなど、これまた私の経験が不足している領域のビジネスに関するコンサルティングであったため、書類落ちもしくは金融インダストリーであれば面接可という結果ばかりでした。

振り返ると、採用市場において即戦力が求められる年齢であるにも関わらず、自身が勝負できる領域と勝負したいと思った領域にズレがある中で進めてしまっていました。それでも、今回担当いただいた清水拓海さんからは方は粘り強く様々な求人を探してこまめに案内をいただき、私が進みたいキャリアの方向性を探ってくださいました。求人をいただき、私がその求人に対しての所感を伝え、より近しい求人を探してきてもらうという手間のかかる作業をしていただきました。志望軸が広かったこともあり、かなり幅を広げて探してもらったのだと思います。たくさんの候補者がいる中で時間をかけていただいたと思っており、粘り強く対応いただいたことに非常に感謝しています。

最終的な要件としてはデジタル化に関連する知見を高めるための社内の仕組みやリソースがあることと、案件の規模感を重視し、クライアントが大手企業中心であることの2点をカバーしている先で、デジタル戦略やシステム化の構想を行うコンサルティング業務の求人に絞りました。

いくつか面接に進むこともでき、面接の準備に取り組みました。準備に際しては逆質問の準備に力を入れました。各社のリサーチを行い、前述の重視する2点と職場の雰囲気の確認を行う質問を面接ごとに必ず最低5個準備しました。面接によっては30分以上逆質問の時間を設けてくださる先もあったので、逆質問の準備をしっかりしたことで上手く乗り越えられたと思います。

清水さんは面接の都度、気にかけて手応えを確認する連絡をくださいました。上手くいった際には称えていただいてモチベーションを上げてくれました。手応えがなかった際にはどういったことが上手くいかなかったか整理する手伝いをしてくれ、次の面接に向けて切り替えを促してくれました。また、面接結果を伝えてくださる際には必要十分なフィードバックをいただきました。

転職活動の結果、複数の内定をいただくことができ、最終的には自身の幅を広げる観点から、

�ゞ睛散罰Δ妨造蕕覆ぅ�ライアントを担当できること
�⊂緡�を中心にしつつ、極力下流まで関わることができること

とし、2点の実現可能性が高いと判断し、国内外の評価が高い大手総合電機メーカーのコンサルタント職を選びました。特に�△楼瞳錣魎或襪任�なかった経験を踏まえ、少しでも一つの案件に長く関われる可能性を重視しました。

私が転職活動を始めたのは30歳でした。30歳にはキャリアチェンジに大きな壁があると聞いてはいましたが、採用側の業界経験に対する意識はかなり強いことを感じました。即戦力が求められる採用市場において、経験とポジションのマッチングはシビアに見られていて、キャリアチェンジはかなりハードルの高いチャレンジだったと思います。その中でも今回納得のいく転職活動ができたのは清水さんのコンサルティング業界に関するノウハウはもちろんのこと、真摯に私個人に対して向き合ってくれたことが大きな要因でした。複数の求人に応募すると相応の期間もかかり、必ずしも良い結果ばかりではないため、ふと今の会社に残るほうが楽だなと思ってしまうこともあります。そういった中でも、清水さんが転職希望者の意向を尊重して寄り添ってくれる姿勢を常に示してくれたことで、転職活動のモチベーションを維持し、最後までやり遂げることができました。

自分自身に向き合った転職活動は苦しみながらも充実した期間でした。今回の経験を今後の自身のキャリアにも生かしていきたいと思っています。