プラウドフットジャパンは2011年9月30日、東京地方裁判所において破産手続きの開始決定となっております。下記インタビューは2001年当時に行われたインタビューです。
インストレーションファームの「Proudfoot Japan」(以下PFJ)オペレーション・ディレクターの茂原様に、PFJの魅力や最新のビジネス・中途採用動向、インストレーションに賭ける熱い想い等を伺ってきました。
movin:
本日はお忙しいところお時間頂きましてありがとうございます。
御社は昨年(2000年5月)のMBO(マネジメント・バイアウト)以降、積極的な採用 活動を展開されていますね。まず は、現在の社員数を教えて頂けますか?
茂原様:
インストレーションをしているのは55人ほどです。管理部門の人材など全部合わせて今は70人くらいの規模です。 昨年は年間で約20名を中途採用しました。
今年はそれ以上を考えております。3年後にはコンサルタント100名体制に持っていこうと考えております。
movin:
これまでと比べるとかなり積極的ですね。ところで、今回のMBOは日本だけで行われたのですか?
茂原様:
そうです。親会社のプラウド・フットコンサルティングPL社が100%(のPFJ株を)持っていたものを、日本側が全て買い取ったということですね。
movin:
日本では将来株式公開をすることも考えられているのですか?
茂原様:
さぁ、それはちょっと先の話ですので現時点では何とも分かりません。この業態、私共の特殊な仕事とやり方が株式公開に向いているかどうかにもよりますね。
movin:
率直に伺いますが、バイアウトの理由とは何でしょうか?
茂原様:
結局、PFJ(Proudfoot Japanのこと)もうまくビジネスをやっているわけですね。「グローバルに頼ることなく、自分たちで出来るところまで来た」ということが理由の1つとしてあります。
もう1つは、自分たちで経営すればそれだけフリー・ハンドが増える分、成長のチャンスが掴みやすいということです。もちろん、失敗の機会もありますけどね。
movin:
なるほど。今後は新たなインストレーション領域の開拓なども考えておられるようですね。MBOで自分たちの会社になって今後がとても楽しみだと思うのですが、御社は他社の 大手ファームのようにグローバルネットワークといったものをあまり重視されていないのでしょうか?
茂原様:
私共はメソドロジーで動いてませんので、メソドロジーの互換といったことはあまり必要ではないんですよ。例えば、メソドロジーでいうと普通の企業経営はマーケティングのようなファンクション(の総体)じゃないですか。
ファンクションの中では個別なところを考えないで最大公約数的なものを投げかけるという雰囲気がありますが、私共の仕事はそれと違って「一対一であの人にこうしよう、 この人にこうしよう」という「セールス」というものなのです。
職種や業種に限らず、クライアント1人1人を理解していくのが仕事になりますので、 パッケージとか何か決まったものを利用することはありません。国や文化的なものによっても全く異なる対応・やり方が求められてくるのです。
movin:
なるほど。今後はProudfootグループにはとどまることになるのでしょうか?
茂原様:
グループにはとどまって業務提携もします。例えば日本人のスタッフが必要なプロジェクトがあれば海外にも派遣します。 会社の名前もこの「Proudfoot」のままです。
movin:
最近御社に入社された方はどのようなバックグラウンドをお持ちの方が多いのでしょうか? 例えば、商社などで営業の経験がある方とか・・・
茂原様:
そうですね、最近はたまたま商社業界の出身者が多少目立ってきているかと思います。でも、応募される方の前職(業界)はあまり重要視していません。 私共の仕事は「前にいた業界の知識を使って何かやる」というものではないのです。クライアントの方がそういった「知識」は持っていますからね。
ですからむしろ、入社後は前職の業界には配属しないようにしています。結局、前の自分の仕事の知識に頼って仕事をしようと思うと価値を出せないわけですよ。職種の方をむしろちょっと問うかもしれないですね。お客さんとやり取りしてきたとかそういう人でないとちょっと厳しいですね。
クライアントは様々なことを知ってますし、やり方自体も良く知ってます。しかし、いろんな理由があって、結局それをやり抜けてないわけですよ。例えば、他部署の協力を得られないとダメだとか、スタンドプレーやっていると思われるんじゃないか、とかその手のことがありますよね。
社内の都合でやり抜けなかったり、あるいは自分がリスク取れないからやり抜けなかったりすることってありますよね。良いと思っていても。 それをやり抜こうというのが当社の基本的な考え方です。
クライアントに新しいやり方を持っていくということではなくて、やりたいってことをなんとかやり抜けるようにお手伝いすることが我々の仕事なのです。リスクをとってもいいと思う、というように相手の気持ちを変えていくことが、当社の仕事の一番大きなポイントになります。
movin:
御社は「コンサルティング」ではなく「インストレーション」という言葉を使っていますね。
茂原様:
それは、コンサルティングとインストレーションとは職種が違うという意味です。インストーラーと他のコンサルタントとは、役割が違うのです。
我々はコンサルタントではないですから、解決策を提示するよりも、クライアントの組織に解決策をインストールすることが仕事になります。助言を求められて答えるのではなく、クライアントは知ってるだろうけどなかなかやり抜けないという、そこのギャップを埋めていくのが仕事になるわけです。
movin:
なるほど。インストレーションとは、組織の中に変革を起こす能力を植え付けることで、「やって当たり前のことをやっていない場合に、できる状態にする」ということがインストーラーの仕事だということですね。
茂原様:
他のファームでこれをやっているところは知りません。だからこそ、採用において重視するものは、前職の業界や業種ではなく、どちらかという と職種だということです。
例えば、営業など人と何か話し合い関わる仕事を通して、相手の気持ちを変え行動を 起こさせるという経験をしてきた人が向いていると思います。ですから、研究職なんかだとちょっと向いていないかなと思います。 ・・・と言いながらも、やっぱりそうじゃない人もいるわけで。
例えば、SEをやっていた人で非常にうまく行っている人もいますよ。 対人関係とかいう意味ではそこにそれほどの強みを見出せない場合もありますが、プロジェクト・マネジメント能力が非常に高くてそれを強みとして上手くやっている 人もいますね。
movin:
新卒採用の予定はないのでしょうか?
茂原様:
現状ではありません。当社の仕事は、かなり自立した人、社会人として完成されつつある人でないと難しいですね。若い人でも上手くいく人は上手くいくものですが、やはり修羅場をくぐり抜けてきた経験が欲しいところです。ですから、極限的な環境で成果を出してきた経験を持っている人なら、インストーラーとしてクライアントとやり取りしてても全然動じずに、淡々と物事を進められる強さが備わる素地が出来ているかと思います。
movin:
中途採用では、基本的にインストーラー(スタッフ)からの採用になるのですか?マネジャーポジションからの採用はないのでしょうか?
茂原様:
基本的にはないですね。ただ、コンサルティングのプロジェクト・マネジャークラスをされてきて、クライアントとの関係構築に慣れている方であればあり得るかと思いますが、例えば「私は自動車業界に詳しいです」とアピールされてこられても、当方に自動車業界にプロジェクトがあるとは限りませんし、そういう知識的なところでマネジャーとして採用することはありません。
選考時に重視するのは、応募者の方がストックとしての知識や経験をどれだけ蓄積しているかではなく、「フローとしての能力(構造化能力、仮説構築力、解決策策定能力、コミュニケーション能力等)」をいかに豊富に有しているかということなのです。
話は変わりますが、当社ではスタッフレベルからのスタートでも、1年後にマネージャーになれる可能性があります。 実際、早い人で8ヶ月でマネージャー昇進した人がいます。
movin:
8ヶ月ですかっ!? その人は一体何が良かったのでしょうか?
茂原様:
当社では、覚えることはあんまりないんですよ。やはりもともともっているセンスが良ければ一気に行けてしまいますね。 ですからもちろん給料もそれに応じて上がっていきます。
movin:
とても大変そうですがハマる人はハマる仕事なのですね。より具体的なインストレーションプロジェクトのイメージをお聞かせ下さい。
茂原様:
まず、私共は狭い意味での「マネジメント」(=マネジャーがすべきこと)を扱います。 これを定義すると
(1) 組織(全社)目標を理解して、
(2) そのために自分の部門ですべきことを明確にし、
(3) 部下を動かす
ということになります。
ですから、プロジェクトが目指すものは、「マネジャーの行動を変えること」になります。例えば、クライアントにマネージャーの役割だとか現場のマネジメントをする上での手法といったことを身につけてもらうことも仕事になります。
ただ、それらはあんまり大事なことでなくて、よく本に書いてあるようなことなんですね。ですからそれだけではインストレーションになりえません。 ポイントは、そのマネージャーたちが組織の目標をちゃんと自分の行動として理解できるようにしていくことにあります。
人間誰しも、物事を自分の好きなように見ているときってありますよね。会社にとってこうすることが一番良いんだって、社員それぞれが勝手に思い込んでいる。 ところがトップが考えていることはそういうことではない、ということが往々にしてあります。
例えば、以前は「コストダウン」が会社の目標だったとしますよね。皆そのためにこれまで一生懸命「コストダウン」してきたと。だけど最近は「納期短縮」に目標が変わったとします。目標を変えざるを得ないように環境が変わってきたとすると、当然組織の目標も変わっているのですが、個人としては依然として「コストダウン」を指向した行動を取ってしまいがちなのです。
「納期短縮」だとは聞こえているんだけど、行動が「納期短縮」のための行動に変わっていないのです。結局、これは組織目標を理解していないということになりますよね。 そうすると、そこら辺を理解してもらうということが我々の仕事になるわけです。
結局行動が変わらないというのは、今やっていることが良いと思っているわけですよね。ですから、変えましょう、と言っても、なんで良いことやっているのに変えるんだ、となってしまいます。ということですから、そこの組織目標だとか自分のその組織目標から連なる役割といったものをちゃんと理解できるようにお手伝いするということが、我々に求められる役割になるのです。
movin:
御社でインストーラーとして働く魅力とは何でしょうか?
茂原様:
短期間内で成果が見える、ということがまず挙げられるかと思います。納期とかコストとかあるいは新規のセールスでお客さんが増えたという成果は、そのプロジェクトの期間中に出すというのが我々の仕事ですから、結果を出ることでクライアントから喜ばれることが大きな喜びになると思います。それから、経営者の考え方が良く分かるようになる、ということでしょうか。
当社の場合は2週間に1度くらい社長に会うんですよ。ですから、具体的なことについて経営者がどう考え何を言うかということを、若いうちから頻繁に見られますからね。経営の生の声を聞くチャンスが多いと思います。
トップが判断する場面に頻繁に遭遇できるということは、若い方にとっては大変意味があることだと思います。また、例えば、30歳のプロジェクト・マネジャーが自分の名前で社長のところに会いに行ってミーティングやプレゼンテーションをしてくるわけですよね。こういうことは他のビジネスではなかなか得がたい経験ではないかと思います。
movin:
なるほど、それは非常に魅力的ですね。御社の標準的な採用プロセスを教えて下さい。
茂原様:
書類選考のあとに、会社説明会に出席して頂きます。これは、東京にて月に2回、他に名古屋・大阪では適宜開催しております。 説明会では、当社の事業概要等を先に説明させて頂き、ご興味をお持ちになられた方には説明会終了時に簡単なエッセイを書いて頂きます。
その後更に選考し、後日2回ほど面接させて頂きます。うち一回は私(茂原氏)で、もう一回は他のディレクタークラスの者が担当します。
movin:
差し支えない範囲で教えて頂ければと思うのですが、御社を辞められた方はその後どんなことをされていらっしゃるのでしょうか?
茂原様:
人さまざまですね。他社コンサルティングファームに移る人や、外銀のインターナルコンサルタントになる人もいますし、起業をする人もいます。 また、中にはしばらく実業での経験を積んだ後に、復帰される人もいますね。
movin:
それでは最後に一言メッセージをお願いします。
茂原様:
当社のモットーは、「Realize your full potential.」です。自分たちに対してもクライアントに対してもこの考え方を現場で実践してきています。 これに共鳴する方にはぜひ当社の門を叩いて頂きたいと思います。
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