三谷 宏幸
NCメディカルリサーチ株式会社 代表取締役社長

東京大学工学部卒業後、川崎製鉄株式会社入社、製鉄所勤務を経てカリフォルニア大学バークレー校で工学修士及びスタンフォード大学で経営学修士を取得。そののちボストンコンサルティンググループ入社、ゼネラルエレクトリックで複数事業部門とCEOを歴任。ノバルティス ファーマ株式会社日本代表CEOを経て、現在日本のトップ企業のコンサル、至善館大学院教授などを兼任しながら2021年7月からNCメディカルリサーチ株式会社のCEOに就任。

長岡 栄次
イーソリューションズ株式会社 上席執行役員 ライフサイエンス事業部長 Co-CSO /NCメディカルリサーチ株式会社 取締役兼務

早稲田大学卒業後、SIer、製薬会社を経て、2019年にイーソリューションズに入社。主に住宅における疾患予防分野の事業戦略策定・実行支援や、取締役を務める関連会社NCメディカルリサーチの事業運営に携わる。

イーソリューションズについて

movin:

イーソリューションズ（以下、es 社）は何をしている会社か教えてください。

長岡様:

日本鋼管、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン、ソフトバンク事業企画室室長を歴任した代表の佐々木が、1999 年に立ち上げた会社です。社会課題をビジネスで解決する事業プロデュースを通じて、社会に持続可能な新しい価値を創造しています。事業プロデュースにあるのは「社会課題解決」「未来デザイン」「持続可能」の 3 つの軸。社会課題を持続可能なビジネスとして成立するように、どのように具体化していくか。常にそれを念頭に置きながらプロデュースしています。現在事業部は、ソーシャルデザイン事業部、ソーシャルイノベーション事業部、ライフデザイン事業部、ライフサイエンス事業部の 4 つで構成されています。

ライフサイエンス事業部について

movin:

ライフサイエンス事業部とはどのようなことをしているのでしょうか？

長岡様:

ライフサイエンス事業部のビジネスには大きく二つの軸があります。一つ目は、ライフサイエンス領域での事業プロデュース。大企業を中心とした新規事業プロデュースを通じて、ライフサイエンス分野の課題解決に貢献していくことを目標にしています。最先端がん治療の普及戦略支援、住宅における「予防」プロジェクト、「高感度・高速」のバイオセンサー技術を活用した感染症対策の策定など、ヘルスケア領域で社会に貢献する様々なプロジェクトがあります。二つ目は、再生医療ベンチャーである子会社 NC メディカルリサーチ社（以下、NCMR 社）の事業運営であり、具体的には事業計画策定、資金調達を担うほか、研究開発等に関わる外部エキスパートのマネジメントをしています。本日は、こちらのNCMR社について、NCMR社代表取締役の三谷と共にご紹介をさせて頂ければと思います。

イーソリューションズとNCMR社との関係性

movin:

es 社と NCMR 社との関係性を教えてください。

長岡様:

2004 年、脳梗塞治療薬を事業化するためにNCMR社を設立しました。急性期脳梗塞を対象とした細胞治療で、細胞は、他家骨髄由来の間葉系幹細胞です。現在、臨床試験まで進んでおり、米国でPhase1が進行中、日本でも2023年内に開始予定です。関係としては、NCMR社からesに業務委託という形を取っており、外部エキスパートの力添えを頂きながら、esメンバーにて、事業運営を行っております。

NCMR社 代表就任の経緯

movin:

いくつもの大企業で社長を歴任されてきた三谷様が、NCMR 社の代表取締役に就任した経緯をお聞かせください。

三谷様:

2013年にノバルティスファーマ株式会社の代表取締役社長を退いた後は、企業の幹部を育成する会社を立ち上げ、多くの大企業に関わらせて頂いております。GE、ノバルティスファーマ株式会社でのマネジメント経験を少しでも社会の役に立てればと考えたからです。複数の企業とコンサルティング契約を結んで関わっていた時、es 社の佐々木社長から NCMR 社の社長をやってくれないかと声をかけられたのです。実はそれまでも数社から社長就任の打診を受けたことはあったのですが、お断りしていました。年齢的なものもありましたが、一番大きかったのはワクワクしなかったからですね。どうせ挑戦するのであれば、社会に大きく貢献できるインパクトがあるものをと、心のどこかで考えていたからかもしれません。

movin:

なぜNCMR 社の代表取締役に就任する気持ちになったのですか？

三谷様:

この世の中にまだない新しい薬を創れるという点です。ガンや心臓病など、難病を治す薬を自分たちでつくれる可能性があるということにワクワクしない人なんていませんよね。長く製薬業界にいた私の知識やマネジメント経験を存分に活かせますし、シンプルに社会に貢献したいという想いが強かったのもあります。
創薬シーズは、玉石混交で、データを見ると可能性を感じないものもあるのですが、NCMR社は非臨床試験のデータが、非常に丁寧に積み重ねられており、結果が良好であることに感銘しました。技術には相当の力があることがわかりました。足りないものは、承認をクリアするための知見や医者とのネットワークですね。それに関しては、私がこれまでに培ってきた経験が活かせる。私が代表として就任することで、新薬を世の中に送り出すという双方の思いを叶えることができると考えたのです。

NCMR社での役割

movin:

今は主にどんな仕事をしているのですか？

三谷様:

今はアメリカと日本で臨床試験を進めている最中で、アメリカのパートナーと協業しながら全体工程を管理しています。各工程が直面している課題をいかに解決していけるか、定期的に部門長とミーティングを実施し、私が全体の方向性を決めていきます。掲げている目標の一つは、アメリカと日本での承認なのですが、そう簡単にはいかないですね。特にアメリカでは治験施設をコントロールすることの難しさを痛感しています。今は組織を拡大しながら、一つずつ課題をクリアし、解決していっている最中です。簡単なことではありませんが、非常に頼もしいメンバーが揃っているので、安心して仕事を任せられます。

movin:

es 社に入社したら、どんな仕事を任せられるのでしょうか？

長岡様:

新規事業創出にも、NCMR社の事業運営にもどちらも関わって頂きます。NCMR 社の事業運営では、仕事を通してバイオベンチャーで必要な全ての業務を経験できると思います。事業計画策定、資金調達が事業運営上もっとも重要な業務で、これまでに30億円程度の外部資金を調達しております。また、多くのKOL（Key Opinion Leader）との関係性構築や、PMDA （医薬品医療機器総合機構）対応等も経験することができます。新規事業創出でもNCMR社事業運営でもそうですが、若い年次から幅広い仕事に挑戦できるだけでなく、企業の経営者やアカデミアの方、省庁の方など接点を多く持つことができるので、一人一人の成長は早いと感じます。三谷様も安心して仕事を任せられるという印象を持っておられますが、それはまさに弊社が意図してそのような人材を育成してきたからです。

イーソリューションズを志望される方へのメッセージ

movin:

どんな方に来て欲しいですか？

長岡様:

困難な事柄に対して、前向きに粘り強く考え抜くことができる方です。我々が扱うテーマは複雑であることが多く、かつ今までにないものを創り上げようとしているので、日々困難に直面します。困難に直面した際に、混乱して後ろ向きになるのではなく、状況を冷静に整理し、方向性を正すための論点を立て、解決策を前向きに議論することを楽しむことができれば、この会社で働くことにとてもフィットするでしょう。また、様々なテーマへの好奇心旺盛である方も、この会社で働くことを楽しめると思います。

movin:

三谷様から見たes 社はどんな印象ですか？

三谷様:

私もこれまで多くのコンサルティング会社を見てきましたが、最初は若い人たちが多いという印象を持ちましたね。実際に平均年齢も 30 代前半と若い。ただ、話をしてみると、皆さんが豊富な知識を持ち合わせており、実現したい未来に対するビジョンをしっかりと持っていることに驚かされました。言い方を変えれば、「若いがベテランの風格がある」。そう言ってもいいでしょう。そのような人材が育つ理由は、一人が担当する仕事の領域が広く、多角的な視点が培われているからなのではと思います。一分野を任されるだけではなく、全業務を横断的に担当するし、一人一人がプロジェクトリーダー的な役割を担い、恐れることなく積極的に新しいことにチャレンジしているように感じます。だから、他のコンサルティング会社と比較しても成長が早いのだと思います。誰に質問しても的確な回答が返ってくるので大きな安心感がありますよ。私もこれまで歴任した会社で数多くの優秀な人材を見てきましたが、ここまでの人材を揃えている企業は珍しいと思います。ジェネラルに動ける優秀なesのメンバーがサポートしてくれているのでNCMR 社の目指す未来も早期に実現できると考えています。