監査法人トーマツ　リスクアドバイザリー事業本部
ストラテジックリスクユニット
マネジャー宮之原氏　インタビュー

■ 宮之原氏のご経歴について

movin:

本日はお時間を頂きありがとうございます。
まずは、宮之原様のご経歴について教えてください。

宮之原氏：

新卒から一貫して企業の法務部で機関法務業務に従事してきました。業界としては、大手製造業や外資系金融機関、IT・通信系等様々ですが、そこで培ってきたコーポレートガバナンスの専門性を活かし、前職においては他大手監査法人において金融機関を対象としたアドバイザリーに従事し、2021年に当法人に入社してからは幅広い業界に対し、コーポレートガバナンス領域全般のアドバイザリーを提供しています。

■ 入社の決め手

movin:

ありがとうございます。
なぜ宮之原様は監査法人トーマツを転職先として選ばれたのでしょうか。

宮之原氏：

私は事業会社等における法務実務の経験の方が長く、前職の他監査法人においてアドバイザリー業務の面白さを知ったのですが、当時所属していた部門の方針により、金融機関という業界に限定したかたちでのアドバイザリー業務を担当していました。自身の強みであるコーポレートガバナンス領域の専門性を発揮し、より幅広い業界にサービスを提供したいと考えた際に、エージェントの方からデロイト トーマツを紹介され、コンピテンシーに特化した専門性を活かせるという点に大変魅力を感じ、転職いたしました。

■ これまで経験したプロジェクトについて

movin:

転職してから今まで関わってきたプロジェクトで印象に残っているプロジェクトなどがございましたら教えてください。

宮之原氏：

私は既に専門性を備えたマネジャーとして入社しましたので、入社してすぐにフル稼働でした。特に2021年はコーポレートガバナンス・コード改訂の年でしたので、少数株主保護に係る特別委員会（機能）の設置や運営に係るご支援、また、開示文案に係るご支援、取締役会実効性評価、監査役会実効性評価等、コーポレートガバナンス・コードの特徴であるプリンシプル・ベースによって各社悩まれるところを、共に検討し導くプロジェクトへの参画は、確実に自身の成長につながりました。

movin:

監査法人トーマツのリスクアドバイザリー事業本部ストラテジックリスクユニットならではのプロジェクトなどはありましたか？

宮之原氏：

デロイトがグローバルで実施している「Chair Program」というプロジェクトがあります。日本での同プログラム実施に際し、社外取締役を取締役会議長とするガバナンス先進大手企業に対しインタビューやアンケートの手法を用いて、昨今のガバナンスのトレンドや取締役会アジェンダの変化、コロナ禍の影響や次世代の取締役会議長に伝えたいこと等についてお伺いする案件がありました。
まだ日本の取締役会においては業務執行のトップが取締役会議長も担うのが主流である中、社外取締役が議長になることによるメリットや難しさ、また、コロナ禍におけるリモート開催において議論を活性化するための工夫等、非常に貴重なお話を伺うことが出来ました。一事業会社の法務部に属しているだけでは経験できないような貴重な案件の主任を担当できたことに感謝しています。

movin:

ストラテジックリスクユニットでの貴重な経験が、ご自身の成長につながったんですね。
プロジェクト以外の観点で苦労されたことなどはありましたか？

宮之原氏：

スタッフ層の育成に苦労しました。どうしてもコーポレートガバナンス領域においては、一定の会社法や金融商品取引法、コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コード等の知識や、東証や金融庁から開示される最新の情報を速やかにキャッチアップしておかなければ、資料の作成、それ以前に文章の構成すらままならないという事態に陥りやすいです。
ストラテジックリスクユニットにおいては、スタッフ層はプール制（特定のチームに属すのではなく、幅広い分野の案件を経験）ということもあり、よりその難しさを感じていました。
そこで私が工夫したのは、まずは経験してもらう、間違ってもらう、楽しさを知ってもらうということです。案件が短納期の場合や難易度が高い場合、マネジャー以上が対応してしまった方が効率的なため、いわゆる“巻き取る”という事態が頻発しがちです。しかし、長期的な観点、また組織的な観点で言うとそれは必ずしも得策ではないと感じています。まだ試行錯誤ではありますが、管理職である以上はスタッフ層の育成について慎重かつ丁寧に向き合っていく必要があると考えています。

■ ワークライフバランス、働き方について

movin:

プロジェクトの中には難易度の高いプロジェクトもあり、忙しい日々が続くこともあるかと思います。
ワークライフバランスや働き方についてはいかがでしょうか？

宮之原氏：

転職して感じたのは、とてもご家庭を大切にして家族との時間優先で働かれている方が多いことです。そうした方が多いと、自ずと組織の文化として定着していくのだなと感じました。男女問わず、お子さんの送迎や育児の時間を尊重する雰囲気があることは、昨今の時勢の潮流がうまく反映されていて、働きやすい職場環境づくりに貢献しているものと思われます。
一方、プロフェッショナルファームである以上、特にパフォーマンスが高い人に業務が集中する傾向にあることや、そうした人は総じて責任感も強いため多くの案件を抱えがちであると感じており、特にマネジャー以上に対するそのあたりの配慮が疎かになりがちであると感じています。
原則在宅勤務のため、リモートでは窺い知ることのできない同僚の様子について、より注意深く見守っていく必要があることを常に意識しています。

■ やりがい

movin:

リスクアドバイザリー事業本部ストラテジックリスクユニットで働くやりがいを教えてください。

宮之原氏：

非常に単純ではありますが、クライアントに喜んでいただいたり、感謝されたりすることです。個人的にアドバイザリー業務の醍醐味はそこにあると感じています。
先にも申した通り私は事業会社の経験が長いため、案件を担当する度、自然とクライアント側の立場に立って物事を考えてしまうところがあります。クライアントの立場になって一緒に迷走してしまっては意味がないのですが、事業会社等における実務経験が長いからこそクライアントの悩みに寄り添えるところも、自身の強みであると感じています。事業会社出身でコンサルを志される方は、その実務経験が強みになるという側面も覚えておいていただきたいと思います。

■ 入社後に感じたこと

movin:

入社してよかったことなどありましたら教えてください。

宮之原氏：

コーポレートガバナンス領域における幅広い種類のプロジェクトの主任を担当できたことです。自身の専門性を発揮しつつ、さらに新たな挑戦を続けられる環境は、自身のプレゼンス向上につながっていると確信しています。
また、デロイト トーマツにおいてはグループ間の連携が強いため、デロイト トーマツ コンサルティングをはじめとした他領域の専門家との交流や案件の紹介も多く、シナジー効果が如何なく発揮されています。そうした多くの専門家から良い刺激をもらうことにより、向上心やモチベーションの維持につながっていることも実感しています。

■ 求める人物像

movin:

ありがとうございます。
リスクアドバイザリー事業本部ストラテジックリスクユニットではどのような人を求めていますか？

宮之原氏：

クライアントに対し責任感を持ち、当事者意識を持って課題に取り組むことの出来る人が向いているのではないかと思います。簡単に言えば、友人からの相談に対し他人事でなく親身になって相談に乗ってあげることができるような人でしょうか。「事業会社出身なので、現時点で専門性やアドバイザリーを提供できるほどの経験がない」という点はさほど心配はいらず、どちらかというと、入社後に継続的に努力し学ぶ姿勢を維持できるかということの方が重要であると思います。謙虚な気持ちでもって他者からの助言をうまく取り込んでいける人はどこまでも成長していけるものと思っています。
あとは、多くのプロジェクトに関与し多くの人と関わることになりますので、柔軟性とコミュニケーションスキルも重要であると思います。

■ 転職希望者の方に向けて

movin:

最後に転職希望者の方々に向けてコメントありましたらお願いします。

宮之原氏：

ストラテジックリスクユニットには、あらゆる案件を経験しアドバイザリーのスキルを磨きたい方や一つの盤石な専門性を築きたい方、ご家庭の事情を優先し、業務を柔軟に調整したい方等、キャリアの志向や働き方に対する考え方も様々な方がおられ、それぞれの考え方を尊重し、可能な限りの配慮がなされています。
一部の戦略コンサルでイメージされるような、みんなが疲弊しきっていて、どんどん脱落していく組織とは違ったかたちでのキャリア形成を実現できる場ではないかと思います。アドバイザリー業務に興味がある方は臆することなくぜひチャレンジしてみてください。

movin:

本日はたくさんのお話を頂き、誠にありがとうございました。