会計士から税務・会計コンサルティングファームへの転職 - 経営コンサルタントへのキャリア

税務、会計コンサルは、公認会計士や税理士の仕事とどう違うのか、まずはこの部分からご紹介していきます。
まず公認会計士や税理士の仕事は、決算報告書や税務申告書を法律に則り作成およびチェックすることが主な業務になってきますが、税務、会計コンサルタントはこの作成に至るまでの業務フローの改善やコスト削減、さらには利益構造を可視化しリアルタイムに企業の財務状態をモニタリングできるようにしたりなど、会計プロフェッショナルとして企業経営の「攻め」の支援を提供しています。

税務、会計コンサルファームでは、一般的な会計、税務周りだけでなく、それに付帯するコンサルティングとして、M&A支援、事業再生、事業承継、IPO支援、海外進出支援、など税務、会計に関わるあらゆる企業の問題解決を提供しています。
各ファームで提供しているサービスラインは異なりますが、下記が税務、会計コンサルティングファームの業務内容です。

＜税務会計＞
各種税務申告業務
連結会計・連結納税運用支援
管理会計導入・運用支援
経理業務支援
決算支援
国際税務
IFRS導入支援
移転価格支援

＜マネジメントコンサル＞
経営コンサルティング
人事コンサルティング
企業再生コンサルティング
IPO支援

＜M&A・MBO＞
M&A戦略の立案・策定支援
財務・税務デューデリジェンス
バリュエーション（株式価値、事業価値など）
統合支援サービス（PMI）
企業・事業の売却・買収活動に関するアドバイザリー
事業承継

どのファームも積極採用中ですが、年齢別で多少温度差は出てきています。
20代〜30代前半で会計士資格の方は各ファーム共に採用を活発化していますが、30代以降になりますと会計士知識・監査経験プラスαが求められる傾向にあります。

30代中盤ではファームにおいてはマネージャーかそれ以上の職位になり、プロジェクトのマネジメント、案件獲得の営業と売上責任も任される年次となるため、監査経験のみの人材をこの年次で登用するケースは少なくなってきます。 いずれにせよ、年齢と経験のバランスが重要になってきますので、キャリアチェンジをお考えの方は是非弊社までご相談頂ければ幸いです。

資格、経験としては、公認会計士、税理士、事業会社の監査経験のある方等を積極的に採用しています。公認会計士については一次試験合格者の方や資格保有者でない場合でも、連結決算業務の実務経験がある方についても採用要件を満たすファームもあるため、是非チャレンジして頂ければと思います。

仕事内容は会計監査と似て非なる部分が多いですが、コンサルティングではクライアントごとに課題が違い、「考える力」論理的思考能力が必要になってきます。
現在の監査・税務ではルーティンが多くなりがちな業務ですが、その中からどうすれば業務フローを効率よく回せるかなど日々考えながら行動することで、コンサルティングスキルを磨く訓練をしておくといいかもしれません。

税務・会計コンサルタントからのキャリアですが、M&AやIPO支援、クロスボーダー案件などをある程度経験を積んで、Big4系のファームであったり、その他財務アドバイザリー系のコンサルティングファームに転職されるケースや、事業会社の経理部長や財務関連のポジションに移る方も散見されます。いずれにせよ、税務・会計コンサルタントとしてどの領域にエッジを立たせ今後のキャリア展開を見据えていくかで選択肢は広がってきますので、このあたりも意識しておくといいでしょう。