リブ・コンサルティング 代表取締役 関 厳氏 インタビュー

前回インタビュー（2017年）はこちらからご覧ください。
前々回インタビュー（2015年）はこちらからご覧ください。

movin:

本日はリブ・コンサルティングの代表取締役社長関さんに話を伺っていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。まずは、リブ・コンサルティングの特徴を教えていただけますでしょうか。

関様：

弊社の特徴として対象クライアントを中堅・ベンチャー領域に絞った展開をしており、そのカテゴリにおいて日本でトップクラスの自負があります。
創業の背景からお伝えすると、私は経営コンサルティング会社に新卒入社し7年間、役員の期間を3年間、合計10年間大企業や官公庁へのコンサルティング支援を中心に行っている中で、コンサルは基本的に大企業を対象にやるビジネスだと思っていました。
時代が変わっていく中で、ベンチャー・スタートアップのような若い力が成長して新しいビジネスや世界を切り開いていったり、特定業界でのトッププレイヤーや地方の優良企業など所謂オンリーワン企業と呼ばれる中堅企業の方が今後は世の中に対してプレゼンスが上がっていくと考えていました。自身でコンサルティングファームを立ち上げる際のターゲットクライアントと設定し、リブ・コンサルティングを創業しました。
これまで、その分野をターゲットにしているコンサルティングファームが存在しなかったのも一因です。
そのような企業様になると支援内容として「戦略」のような抽象的な内容よりも、事業成長に繋がる内容を求められているため、マーケティング・セールスなど「売上」にフィットする内容が多くなっています。
マーケティング・セールス以外には経営戦略、新規事業の立ち上げ・組織人事の改革が多くなっています。最近だとそのいずれのテーマにも「デジタル」のニュアンスが入ってくるため、様々なコンサルティングテーマ×デジタルがメインの支援になります。

movin:

デジタル関連テーマが増えているということですが、例えばリブ・コンサルティングのデジタルにおけるコンサルティングの特徴はありますでしょうか？

関様：

デジタル化支援に伴う、弊社のキーワードとして「コミットDX」と掲げております。
世の中で言われているDXは、流行っているからDXしている流れが非常に強いと思っており、課題から発生しているDXではなく、例えば上場企業はステークホルダーに対して取り組みを見せて、トレンドワードにある程度対応する姿勢の見せ方もあると思います。一方、弊社が取り組んでいるデジタル系の支援は全く逆だと思っており、経営課題から導き出し、解決の手段としてのDX支援を行っています。
ベンチャー企業で例えると、元々テクノロジーの力によって世の中を変えていくビジネス展開の企業様が多くいらっしゃいます。その企業様は事業内容自体がデジタル化しているため、その取り組みを世の中に広め・促進させていくような支援になります。
中堅企業の場合だと、売上向上や事業改善・事業成長に結びつく、自分たちに置いておかれた課題に対してどういうデジタル化をしていくのかを支援しています。
もう一つ特徴としてあるのは、我々が支援しているクライアントは経営者やアントレプレナーが長い期間を務める傾向があり、いわゆる大企業の経営層と異なり短いスパンで変更しづらいことも要因としてあります。その意味で、今流行ってるからDXを行うというより、3年後5年後に向けた変化のロードマップがある中でのDXの戦略策定や推進を実施しています。
改めて弊社のDX支援を整理すると、一点目に、コミット＝その成果を見据えた上で取り組むこと、二点目に中期的にこういったロードマップが必要だという両面性を抑えていることが特徴だと考えています。

movin:

最近のテーマとして欠かせないのがコロナ禍だと思います。コンサルティング業界はどう変わったと考えていますか？

関様：

コンサルティング業界に関して言うと、昨年一年間でコンサル業界は4.5%成長していて、業界としてコロナはプラスの影響が大きかったと思います。一番の理由は明確にDX需要で、それ以外の領域はほとんど伸びていないのに対してDXは非常に伸びていっています。
また、働き方という意味でいくと、ほぼ全てのプロジェクトがオンラインを中心に組成されるようになったため、現地まで出張や常駐することが多いこの業界として非常に大きな変化だと感じています。
プロジェクトのやり方と同時に働き方っていう意味でも、多様性が進むことで色々な働き方が実現できるような業界に変わってきたのかなと思います。

movin:

リブ・コンサルティングの変化についても、教えていただけますでしょうか？

関様：

まず、大きな変化で言えば、コンサル業界の動きと同様にDX（デジタル）関連の成長がかなり顕著に出てきています。先ほどコンサル業界全体としてはデジタル以外の領域は伸びていないとお伝えしましたが、弊社はデジタル以外の領域も伸びています。
なぜなら、ベンチャーや特定の業界でオンリーワンを築こうとしている中堅企業など、いわゆる"産業として伸びている企業をターゲット"にしているため、コロナ禍における経営戦略のプランニング領域も多く、比例して売り上げを伸ばしております。
また、働き方に関しては弊社も業界全体の動き同様にオンラインがベースになってきており、大きな変化がありました。
コンサルティング業務の働き方はオンラインに移行していった一方で、人材育成では100％オンラインに移行できていない部分はあります。
というのもコロナ禍以前からオンライン中心に育成プログラムを組んでいましたが、オフラインで得られる情報量やモチベーションを維持しづらいところもあるため、リアルな場での勉強会やトレーニングなどハイブリッドで組んでいる部分もございます。

movin:

なるほど、ありがとうございます。では続きましてリブ・コンサルティングが今後目指していく姿に対して、現状の課題を教えていただけますでしょうか？

関様：

大きく2点あると考えています。
一つ目の課題は、需要に対するコンサルタントの人数が不足している事です。
ありがたいことに、弊社のコンサルタントの貢献でかなり高い水準で支援できておりベンチャー・中堅企業様に対して弊社の認知が高まってきている中、デジタル化やアフターコロナに向けた経営コンサルティング支援の需要は年々高まっています。
ただ、需要に対して提供するコンサルタントの数が足りてないため、求職者の方々に対して認知を上げていくことは課題になっています。
そこで、2021年の3月にコンサルティング関連のYouTubeを立ち上げており、今後はさらに様々なメディアを活用して求職者へのタッチポイントを増やす取り組みを行っていきます。

二つ目は海外での取り組みです。
現在タイに支社を構えていますが、今後は拠点を増やしアジア全体をカバーできるような拡大展開していくことを考えています。
コロナ禍において、海外進出の遅れが大きく出てきており、またコロナ前のようなやり方での進出は難しいと考えているため、現地調査や人材獲得など海外戦略の見直しを行っていく必要もございます。

movin:

最近リブ・コンサルティングに転職をされた方の入社理由、どの点を御社の魅力を感じられて入られたのか伺えますか？

関様：

母数として多いのは広告代理店や商社。また営業に強い会社や都市銀行出身の方などが入社されています。
最近だと、コンサル業界もDXニーズが増えているため、Web系のベンチャーや、Sler系の企業からの転職者も増えています。
入ってくる理由は大きく挙げて二つあります。
一つは、広告代理店や商社、金融機関などの出身者に多い特徴として、もっと経営視点で仕事をしたいということ。前職で働く中で想像していたよりも企業の課題解決なってない、本当は違うところに課題があるけど扱う商材が違っていたり、企業の経営課題の上流まで踏み込めないというギャップがあって、本当にその会社や社会のためになる仕事がしたいという想いから入社を志望してくるケースがあります。

二つ目は、所属先での成長スピードが鈍化してきており、新たな成長環境を求めることです。MVP獲得歴があったり出世頭として入社して来られる優秀な方が多いのですが、周囲に自分より優秀な人があまりいない、といった悩みからコンサルティングファームにいる優秀な人材と働きたいという求職者も多くいらっしゃいます。
弊社の場合は、クライアントがベンチャーのCXOクラスや、中堅企業のオーナー社長など経営層と対峙できるため社内外においてレベルの高い人に囲まれて、20代30代でもっとストレッチかけたいと期待をして入ってくる方が多いと感じています。

movin:

その上で具体的にどのような方に入社してほしいと思われてますでしょうか？

関様：

スキル面に関しては、一般的にコンサルタントに求められる論理的思考力、分析力などはもちろんですが、中堅・ベンチャーの企業様は、社会的な目的を持っている会社さんが非常に多いので、マインド面を非常に重視しています。実際にコンサル未経験の方も多く活躍していますし、DX関連業務が今後増えてきますのでデジタルの知見がある方も求めております。
企業と共に自身が成長してそれが日本や社会にとって前進に繋がり、結果的に100年後の世界を良くする会社を増やすところに1個のプロジェクトが繋がっていくことに価値を感じていくことを重要視しています。
クライアントの成長に対して執着心を持つ思いがある方も、弊社の空気にマッチすると思いますし、デジタル化が進む世の中で、より成果が求められる時代に、我々にご協力いただきたいと思っています。

movin:

本日はお忙しい中、ありがとうございました。