EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社（EYSC） SaT Lab インタビュー

Francesco Fumarola
SaT Lab シニアマネージャー
米国で博士号を取得後、ソフトウェアエンジニアリングや研究開発領域で活躍したのち、EYSCへ。
最先端のテクノロジーをビジネスに応用するSaT Labをマネージャーとして率いる。

Jun Kai Ho
SaT Lab コンサルタント
大学院や研究機関に研究者として在籍したのち、EYSCに転職。
統計学や情報工学への高度な専門性を背景に、さまざまなセクターのクライアント向けに高度な定量分析を担当

大藪 連太郎 （Oyabu Rentaro）
SaT Lab コンサルタント
複数のスタートアップと大手証券会社を経てEYSCに転職。
入社後はビジネスの課題解決に向けて、最先端のテクノロジーを活用したサービスの企画を担当。

これまでのキャリア

movin:

本日はインタビューのお時間を頂き、ありがとうございます。
最初に、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)入社に至るまでのキャリアをお聞かせください。

Fumarola様：

私は大学院で統計物理学の学位を取得して、その後はソフトウェアエンジニアリングと研究開発に関わるポジションで長年就業していました。私のキャリアはテクノロジーへの関心という点で一貫しています。ある優れたテクノロジーを、さまざまな業界独自の文化や特性を踏まえながら、それぞれの業界に対してどのように適用させるかをテーマに、EYSC入社以前にはITコンサルタントをはじめとして、テクノロジーに関連する多様なポジションを、米国そしてここ日本で経験してきました。

大藪様：

大学院修了後、ITエンジニアとして就業したのち、複数のスタートアップ企業で企画や業務設計など幅広く経験しました。前職では、大手証券会社でビジネスアナリストとして、ITとビジネスの中間的な立ち位置から、基幹システムの改修やその統括に従事していました。設立直後のスタートアップから業界最大手の大企業まで、テクノロジーをキーとして多様な環境を経験する中で、新しい価値を生み出す企画業務と、既存の業務を改善する管理や統括業務にバランスよく携わることができました。

Ho様：

修士号を取得後、シンガポールのスタートアップ企業でデータエンジニアとして働いていましたが、京都大学で博士号を取得するために来日しました。研究領域は主に神経科学へのAIの応用で、その後は国際電気通信基礎技術研究所（ATR）の研究員として、博士課程での研究領域と同じく、AIと神経科学の研究を続けていました。私の経歴はアカデミックなものが中心ですが、研究の過程で専門性を高めたデータ分析やデータサイエンスの知見をもとに、ビジネスの課題を解決してみたいと思うようになりました。

EYSCを選んだ理由と入社後の印象

movin:

ありがとうございます。
御三方はなぜEYSCを選ばれたのでしょうか？当時の決め手になった理由や現在のチームの印象などお聞きできますと幸いです。

Fumarola様：

EYSCについて特に魅力を感じたポイントを一言でいうと、クライアントの課題を解決に導くためのコンピテンシーが、一般的な企業と比べて圧倒的に広範であるという点です。例えば、特定の業界や課題に対して深い知見と専門性の高いコンピテンシーを備えた企業はほかにもありますが、クライアントの課題が抽象的で難易度が高い場合、多種多様なアプローチを検討して、その中から最善の手段を選択することが求められます。一人では解決に導くことが難しい課題であっても、EYSCの社内に高度な専門性を備えた戦略コンサルタントがいるほか、メンバーファームには弁護士、会計士も在籍しているため、多様なプロフェッショナルの知力を結集して解決を目指すことができます。入社後もこの点については期待通りで、日本にとどまらず、世界中のEYネットワークを活用して、世界中の優れた専門家とコラボレーションできるという点では、期待以上でした。

大藪様：

私は事業会社で就業する中で、特定の業界でのみ評価される専門性や慣習ではなく、日進月歩のテクノロジーと、それをビジネスに応用する企画力を、自分のコアとしてキャリアを形成したいという思いを強く持っていました。EYSCはコンサルティング・アドバイザリーサービスを事業の中心としているため、活躍の場として業界や事業による制約がなく、EYのネットワークによるコラボレーションが盛んであること、そしてSaT
Labのメンバーが、専門性や経歴、国籍にかかわらず、テクノロジーによって新しい価値を生み出そうと一致団結している姿を見て、自分の思いに最も合致するポジションはここだと感じて、入社を決意しました。
入社後の働き方や役割も当初の印象との大きな乖離はなく、最新のテクノロジーをビジネスに適用することで新たな価値を生み出せるよう、日々チームのメンバーと協力しています。

Ho様：

先ほどご説明したように、前職までは純粋にアカデミックな仕事をしていたので、EYSCを選んだことは私にとって大きなキャリアチェンジでした。EYSCを選んだ最大の理由は、EYSCが提供するコンサルティングという事業の性質上、さまざまなセクターにわたって、多様なことを学べる可能性があると考えたからです。セクターごとに求められる知識や前提が異なるため、コンサルタントは学び続けることが求められるという点でチャレンジングな職種かもしれませんが、一方で私のこれまでの研究や学術的な経験があるからこそ、多種多様なビジネスの課題に対して、新しい視点を提供できると考えています。
EYSCに入社してからは、クライアントの課題解決に向けたコンサルティングそのもの以外にも、組織の仕組みやカルチャーなど、当初予想していたよりも、さらに学びが求められる環境でした。そうした点を踏まえて振り返ってみると、EYSCは探求心と向上心をもって日々の業務に取り組める、魅力的な環境だと感じています。

EYSC SaT Labにおける取り組みについて（印象に残っているプロジェクト、やりがい）

movin:

SaT Lab部門において、チームの特徴や領域内容などお伺いできますでしょうか？

Fumarola様：

SaT Labで独自に展開しているサービスのひとつとして、スタートアップのテクノロジーを対象とした調査・レビューがあります。
これは特定のスタートアップへの投資を検討しているベンチャーキャピタルや金融企業などをクライアントとして、スタートアップが展開する最新のテクノロジーの価値を、技術的側面から評価するものです。
スタートアップへの投資にあたっては、会計的側面からスタートアップの価値を算出できても、ビジネスのコアとなるテクノロジーの評価に悩むクライアントも多いのですが、テクノロジーに強みを持つチームと、私自身の専門性を最大限活用しながら、クライアントの高度な投資判断をサポートできる点が魅力です。
直近では半導体関連の素材を対象として調査を実施して、対象スタートアップの潜在的価値を科学的知見も踏まえながら評価しました。
現在はこのサービスの対象領域を、ディープテックと呼ばれるハードウェアからソフトウェアまで広げています。前例なき最新のテクノロジーを、投資判断に向けて短時間でレビューするのは困難ではありますが、その過程を楽しみつつ、関係者の方々から新しい視点を学べるという点、そしてテクノロジーの強みと弱みの評価だけでなく、その特性をどのように発展させられるか、という発想が求められる点にも面白みを感じています。

大藪様：

Fumarolaがご紹介したスタートアップのテクノロジー調査については、私も先日プロジェクトメンバーとして関与する機会がありました。
その際に調査対象となったのは、西日本で半導体関連の素材を開発しているスタートアップで、実際に研究開発を行っているラボや製造拠点の見学、関係者へのインタビューを実施することで、対象となったスタートアップのテクノロジーやそのリソースを網羅的に調査しました。
私自身は半導体関連の経歴がなかったのですが、同じチーム内で半導体の製造に技術者として関与していたメンバーがいるので、そのメンバーを中心に調査を計画・遂行しつつ、私はそのメンバーをプロジェクト企画と進行面でバックアップしながら、最終成果物である報告レポートの設計や作成を担当しました。
このプロジェクトは、最先端のテクノロジーに知見をもった専門家がそろっているSaT
Labが、国内外の多様な専門家とコラボレーションできるEYのネットワークを活用してこそ推進できるもので、おそらくほかの企業やチームではあまり見られない取り組みではないかと思いますし、ベンチャーキャピタル関係者からも一定の反響をいただいています。
AIや機械学習なども含めて、さまざまな分野の最先端のテクノロジーに日常的に関わるだけでなく、その活用によってビジネスを大きく変革するというのは、SaT Labの魅力であると同時に、最大の特徴だと感じています。

Ho様：

最先端のテクノロジーを扱っているSaT Labは比較的小さなチームで、とてもフラットな組織です。また「Lab」という名前が示す通り、このチームはビジネスの課題解決に向けて、さまざまなテクノロジーをビジネスへと応用するためのラボのようなもので、AI、数学、金融などのアカデミックなバックグラウンドを持つメンバーが多く、アカデミアとビジネスの橋渡しをしています。
私自身、研究者としてAIや機械学習に関わってきた専門性をベースに、さまざまな分野のプロジェクトに参画してきました。例えば私のEYSCでの最初のプロジェクトでは、クライアントのある経営判断が株式市場に与える影響を分析するという課題を解決するために、高度な計量経済学の手法を使った予測を実施しました。
また最近では、地政学的なボラティリティが高まる中で、自社の資産を最適な形で運用・売却したいというクライアントに対して、統計学の手法や機械学習のアプローチを応用することで、特定の資産の市況や、売却の最適なタイミングなどを予測した分析結果を提供しました。
小規模なチームであるだけに、SaT Labには特定の分野にとらわれることなく、自分たちのスキルを提供できる分野であれば、どのようなことにでも挑戦する文化があります。サービスやクライアントの課題によっては、一般的なコンサルティングの範疇を超えた、難易度の高いテーマやプロジェクトにも積極的にチャレンジできるという点に、大きなやりがいを感じています。

EYSC SaT Labに興味のある方々へのメッセージ

movin:

転職を検討されている方のバックグラウンドはさまざまかと思いますが、これから選考に進まれる方、ご転職を検討されている方にメッセージをお願い致します。

Fumarola様：

SaT Labは、エンジニアリングで培った厳格さと論理性をもとにビジネス戦略を扱う一方で、ビジネス戦略で培った知見と発想をエンジニアリングに応用しています。もしエンジニアとしてのバックグラウンドがあって、ビジネスにご関心のある方がいれば、SaT Labのビジネス戦略領域へのアプローチにフィットした形で、パフォーマンスを発揮することを期待しています。同様に、ビジネスにバックグラウンドがあって、テクノロジーにご関心のある方であれば、私たちのテクノロジーへのアプローチにうまくフィットすると思います。テクノロジーとビジネスの知見を総合して、クライアントと社会を新たな時代へと導くドライバーとなる方をお待ちしています。

大藪様：

クライアントからの引き合いのほか、社内のさまざまな部署の方々の様子からも、テクノロジーによるビジネスの加速に向けて、SaT Labへの期待が高まっている様子を日々感じています。そうした先進領域にデータサイエンティストやデータアナリストとして携わってこられた方はもちろんのこと、テクノロジーとビジネス両面の知見をもとにキャリアを形成されている方にもぜひご入社いただいて、経験や個性を生かしながら、チームとしてさらに成長できることを楽しみにしています。

Ho様：

AIや機械学習など、データサイエンスを活用することによって、ビジネスの課題を解決してみたいと考えている方や、新しいことにチャレンジしたい方には、ぜひSaT Labをお勧めします。SaT Labでは、ほかのコンサルティングファームではないようなユニークな経験ができますし、私のように、このチームで楽しんで仕事ができると思います。

movin:

本日はお時間を頂きありがとうございました。