Big4の一角、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)株式会社は、2020年10月に組織再編しConsultingサービスラインと、戦略的トランザクションを支援するStrategy and Transactionsサービスラインを擁する法人としてスタート。
「トップ人事コンサルタント2名が語るキャリアのつくり方」と題しまして、エグゼクティブ・ディレクター野村氏、マネージャー吉田氏にこれまでのご経歴とEYを選ばれた理由、実際に入ってみてのご感想など伺って参りました。
Big4の一角、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)株式会社は、2020年10月に組織再編しConsultingサービスラインと、戦略的トランザクションを支援するStrategy and Transactionsサービスラインを擁する法人としてスタート。
「トップ人事コンサルタント2名が語るキャリアのつくり方」と題しまして、エグゼクティブ・ディレクター野村氏、マネージャー吉田氏にこれまでのご経歴とEYを選ばれた理由、実際に入ってみてのご感想など伺って参りました。
野村 有司 Yuji Nomura
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)株式会社 エグゼクティブ・ディレクター
ジャフコ、マーサー ジャパンを経て現職。
組織・人事コンサルティング領域で10年以上の経験を持つ。様々な業種の事業会社、金融機関、および投資ファンドに対して、人事制度設計、M&A局面における制度統合、グローバル・ガバナンス設計、従業員意識調査等、広範なプロジェクト経験を有する。特に報酬分野では、役員・従業員、日系・外資系を含め国内有数のプロジェクト経験を有し、情報や知見の発信を行っている。
吉田 尚秀 Hisahide Yoshida
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)株式会社 マネージャー
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、ウィリス・タワーズワトソン等を経て現職。
戦略方針と現場課題を両面からおさえた戦略人事の施策立案、推進を得意とする。戦略領域では中長期的な成長支援から足許の課題解決、人事領域では報酬・タレントマネジメントの双方に関し、国内外の幅広い企業への支援提供実績を有する。近年は報酬・タレント領域における豊富なコンサルティング経験を活かし、新しい人事モデルの検討や提言を精力的に実施している。
movin:
本日は宜しくお願いします。
まず、お二人のこれまでのキャリアから教えていただけますか?
野村様:
ではまず私から。新卒で入ったベンチャーキャピタルを2年半で退職し、2005年に組織・人事コンサルティングファームのマーサー ジャパン(当時はマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング)のグローバルM&A部門にアソシエイトとして入社しました。
M&A部門を2年半経験したのち、組織・人事コンサルティング部門を7年、プロダクト・ソリューションズという報酬サーベイやグローバルの生計費のデータ・プロダクトを扱う部門に3年の、計12年半在籍しました。
リーマン・ショックでわりに時間があったときに、組織・人事コンサルティング部門で役員報酬のプラクティスを2008年に立ち上げ、前述のプロダクト・ソシューリョンズ部門と共同で役員報酬サーベイを立ち上げたりしつつ、30件以上のコンサルティング・プロジェクトを経験し、結果的にその分野の専門性が高くなりました。
これらの経緯もあり、組織・人事コンサルティング部門とプロダクト・ソリューション部門共同で報酬データ等のマーサーの情報資産を使ったコンサルティングを行う、「ソリューション・コンサルティング」というビジネスを企画して、2015年にプロダクト・ソリューション部門に移ってそのビジネスを3年間リードしていました。
組織・人事まわり、特に「リワード」といわれる株式報酬や福利厚生などを含めた、包括的な報酬にかかわる分野のコンサルティング関しては、M&Aなども含めてだいたい経験したと言えるかもしれません。
吉田様:
私のキャリアはとっ散らかっているのですが……
ざっくりご紹介すると出自は医学部なのですが医療の道には進まず、新卒で事業会社の経営企画に入りました。それはそれで面白かったのですが、もっと経営の「お勉強」をしないと地に足のついたビジネスを創ることが難しいなと感じることも徐々に増えてきまして、手っ取り早く経営スキルが得られるのではと考えてボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の戦略コンサルタントへと転身しました。
BCGは良い意味で「おかしな人」が多いファームだなという印象は当初から持っていましたが、私のキャリアはその中でも際立って異色だったようで、在籍当時は社内の「変な人ランキング」で1・2を争っていると度々周囲から言われましたね。ただ、違うことが価値、というカルチャーもあり、というよりはそのカルチャーに助けられて、5年ちょっとくらい勉強させてもらいました。
その後、社員、もっと正直に言うとクライアントのレベルアップを真剣に考えないと、クライアントがいわゆる「コンサル漬け」から脱却して「コンサルを道具として利用して高みを目指す」世界は描けないのではないかという青臭いことを考えてBCGを飛び出しました。今思えば見切り発車感が満載で、当時のオフィサー陣にも「まぁ若いうちに失敗して戻ってくれば」と変な背中の押され方をして出ていったのですが、案の定その後2年ほど模索しています。ただ、そうやって模索している中で、ある時タワーズワトソン(現ウィリス・タワーズワトソン)のリーダーの方から「うちでやってみない?」という救いの声?を掛けていただきまして。それで「個々の社員」を強くしていく組織・人事コンサルティングの世界へと足を踏み入れることになりました。
タワーズワトソン(現ウィリス・タワーズワトソン)では、Talent & Reward部門のコンサルタントとして、いわゆる伝統的な組織・人事コンサルティングをやらせてもらいました。バックグラウンドがバックグラウンドなだけにどちらかと言えば戦略寄りのアプローチを得意としていますので、理念を制度化する、それもアリ物の組み合わせというよりは問題解決的に最善解を創出する、といったタイプのお仕事を多くやらせてもらいました。
良いお手本ではないと思いますが、EYに来るまでの私のキャリアはこんな感じです。
movin:
コンサルティングや組織・人事分野における深いご経験をお持ちのお二人が、EYを選ばれた理由を教えてください。
吉田様:
最大の理由は「新しい組織としてのやりがいと自由」ですね。組織・人事領域でEYは聞いたことがないというか、前職の時にはEYと競合したことがなかったので、正直言えばEYが組織・人事コンサルティングを提供しているということをあまり深くは知りませんでした。ただ、話を聞いてみるとそれもそのはずで、本格的に注力し始めたのがここ最近、それも現PAS(ピープル・アドバイザリー・サービス)リーダーの鵜澤さんが来て体制づくりのギアチェンジがあったのが2017年の4月だと。
私は私なりに常に色々と新しいサービスアイデアやテクノロジー活用方法を考えているのですが、そういった新しいものを具現化していくには、ベンチャースピリット的な「伝統を打破する」ことが必要で、少なくともそれを容認する姿勢と仕組みは組織に不可欠だと思っています。体制づくりをスタートさせたばかりのEYは、他ファームに比べてこのベンチャー姿勢が強いというのが特徴だと思います。
今すぐにでも新しいチャレンジをスタートできる、特に今の時代は試行錯誤のサイクルをいかに手短に回せるかが勝負なところもありますし、その環境・風土が私には一番の魅力に映りましたので、そこでEYに入ることを決めました。入社してみて裏切られた、ということも今のところないですね。組織・人事系ファームの中では後発ですから、チャレンジしない理由がない(笑)
野村様:
私は報酬分野の専門家ですので、やっぱり報酬は大事ですよね(笑)……というのは半分冗談にしても、先ほど申し上げたように、いわゆる従来型の組織・人事コンサルティングに関しては、実務家としてもある種のソート・リーダーとしてもある程度やったかな、という実感がありまして。
吉田と同様、正直、これまで日本における組織・人事コンサルティングでのEYのエクスポージャーがそれほど高い印象を持っていなかったので、当初は少し懐疑的だったのですが、
・EYグローバルの日本市場へのコミットメントが明確であり、特にBIG4と呼ばれるファームのなかではグローバルとの連携が最もよさそうなこと
・PASリーダーの鵜澤さんをはじめとする新しいメンバーも含め、ファームとして組織・人事コンサルティングビジネスを強化・成長させていこうという高い意欲があること
・個人的なキャリア志向としてデータ・アナリティクスを含めたHRテックと呼ばれる分野にもチャレンジしたかったこと、そしてその環境を最もよく整備できそうなこと
といったことに魅力を感じ、チャレンジすることにしました。特にHRテックと呼ばれる分野に関しては、HRの世界だけにとどまっていると逆に全体像や方向性が見えないという危機感があり、HRにとどまらないより広いソリューションを展開しているファームに魅力を感じました。実際、EYではカンパニーワイドのアナリティクス・ビジネスの勉強会などが開かれており、より統合的なソリューションが志向されていますね。
movin:
EY PASでの仕事のやりがいはどういうところにありますか?
野村様:
まず、クライアントの問題解決という観点からは、HRに閉じた解ではなく、より広い視野でソリューションを提供できる、ということでしょうか。従来型の日本企業の伝統的な人材マネジメントから考えられた、等級・評価・報酬といった「オールド・ファッションド」な課題設定で解決できるような問題は非常に限定的で、例えば「新しい働き方」や「外部リソースやロボットなどの新技術も含めた人材マネジメントのエコシステム」など、より包括的に組織・人事的課題を捉えることがますます重要になってきています。「人事制度の問題だと思っていたものが実はある特定の集団の働き方の問題」だったり、「その機能は人材要件の設定と育成ではなくロボティクスの導入が最適解」だったり。そういった包括的な問題に対してソリューションが提供できるのは、EYの強みのひとつです。
個人的な視点でいうと、「これからの組織」であるというところです。HRテックにしても、トラディショナルな組織・人事コンサルティングにしても、グローバルのナレッジやケース・スタディ、Microsoft等のアライアンス・パートナーのソリューションを活用しつつ、ビジネスを一から作り上げたり、大きくしたり、ということにチャレンジできる環境にあるというところ。
まとめると、自分の専門性を活かしつつ、より広い分野でクライアントの問題を解決できる。そのことを通じて、ビジネスを大きくし、より影響力を持った組織にすることができる。こういったところがやりがいと言えるのではないかと思います。
吉田様:
伝統と革新がバランス良く混じり合う感じですかね。人事に限った話ではないですが、伝統だけ、革新だけ、ではやはり片手落ちで、どちらにも長短ありますから、その長の部分をうまく組み合わせることが重要です。そうだとするとコンサルタントには伝統と革新の両面からの経験や刺激が大事、と言えるわけですが、そのための場や機会を得るのにEYはとても良い組織だと思います。
もっと率直に言ってしまえば、伝統的なコンサルティングサービスだったら伝統的なファームのほうが、当たり前ですが一日の長がある。だからEYとしてはそこにEYならではのプラスアルファを出していかないといけない。野村が言ったようなHR以外の領域を含めた課題解決だとか、グローバルなアセット活用というのもその手段のひとつだと思いますけど、やっぱりデイリーワークの多くは我々コンサルタントの肩にかかっているわけで、だから個々にプラスアルファを考え抜いて、提供していく、そのやりがいは大きいと思います。
あと、ダイバーシティは宣伝しておきたいですね。「多様性からの連帯」を掲げているBCGも相当にダイバースな組織でしたが、EYはその先を行っているな、というのが私の印象です。対外発信される情報としてはどうしてもマイノリティへの配慮とかそういう話題性のある話に偏りがちですが、重要なのはもっと根底の部分で、EYは「不都合」への配慮はあるけれども、「違い」に対しては何の配慮もない。もちろん良い意味です。違うことが当たり前なので、それを特別視することもありません。そういう基礎がしっかりしているからこそ、様々な個性がぶつかり合って、より良いものを生み出すことができる。いや、正確に言えば、そうする土壌は整っているので、どうぶつかっていくかは個に委ねられている、という感じですかね。
movin:
最後にこのインタビュー記事をみている方やEYのPASに興味のある方々へメッセージをお願いします。
吉田様:
コンサル未経験だけど興味がある、という方。どんなコンサルタントでも最初はコンサル未経験からスタートしています。「未経験で何が悪い」くらい図太く、積極的にチャレンジいただきたいですね。
コンサル経験をお持ちの方。たいがいのことはどこかに考えている人がいる世の中で、もっと大きなことをやっていこうとすると「考えている人」と交わることが大事だと思います。EYはその点とても良い環境ですし、私個人としても皆さんのような方々の「考え」に触れる機会を是非作っていただきたいなというのが正直なところです。真面目な話がしたければ野村まで、変な話がしたければ吉田まで、どしどしお声掛けください(笑)
野村様:
組織・人事に興味がある方は「EYってどうなの?」と思われるかもしれませんが、ミッドタウン日比谷で映画を観るついででもいいので、ぜひ一度我々に会いに来ていただければと思います。宜しくお願いします。
movin:
本日はお時間を頂きありがとうございました。
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