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【アクセンチュア】　東南ア企業買収、増加

アクセンチュア（米コンサルティング大手）　日本企業による東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）企業の今年のＭ＆Ａ（合併・買収）が自動車、物流業界など全体で既に50件に達し2014年通年の46件を上回った、とまとめた。

　最近の市場変動にもかかわらず、日本企業によるＡＳＥＡＮの企業の買収への関心が高まっていると指摘。今年のＭ＆Ａ総額は14年の３億6400万ドル（約436億円）から12億5000万ドルに増加している。

　ＡＳＥＡＮのグロース・ストラテジー・アンド・Ｍ＆Ａのマネージング・ディレクター、ブルース・ニコラス・デルテイル氏はＮｉｋｋｅｉ　Ａｓｉａｎ　Ｒｅｖｉｅｗに対し、東南アジアの消費者市場、生産拠点としての長期的な成長潜在力は、日本企業の投資を同地域にさらに呼び込むだろうと語った。

　また、中国経済の減速と最近の市場変動により日本企業のＭ＆Ａの意欲が中国からＡＳＥＡＮにさらにシフトするだろうとも述べた。

　消費財産業やサービス業界の今年の案件数はこれまでに６件に達し、14年通年の４件を上回っている。最近では日本のキリンホールディングスがタイ・ビバレッジの子会社、フレイザー・アンド・ニーブ（Ｆ＆Ｎ）からミャンマーのビール最大手、ミャンマー・ブルワリーを５億6000万ドルで買収した。一方、金融セクターのＭ＆Ａの動きは一部の国が外国人の所有に関して厳しい制限を課していることから、比較的鈍い。

　とはいえ、東南アジアへの投資はある程度のリスクと挑戦を伴う。アクセンチュアの最近のリポートには、ＡＳＥＡＮ諸国の複雑な規制や運用の不透明さが外国企業が同地域で案件をまとめるのを困難にしているとある。企業情報が少なく、信用性に欠けるのも難点だ。ＡＳＥＡＮ企業とのＭ＆Ａ経験のある回答企業の27％がデューデリジェンス（対象企業の精査）が大変だったと回答している。これはインド（17％）や、中国と香港、台湾を合わせた数字（14％）より高かった。

2015年 9月9日
日本経済新聞

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