2015年のこと、ある大手ソフトウェア企業(匿名を望んでいる)が、自社に在籍する1500人の米国営業担当者向けのトレーニング素材を開発する必要に迫られた。社内で開発することは可能だったし、コンテンツスタジオやエージェンシーに助けを求める選択肢もあった。しかし、この企業が選んだのは、総合コンサルティング企業であるアクセンチュア(Accenture)のコンテンツ事業部だった。
アクセンチュア内のエージェンシーサービスであるアクセンチュア・インタラクティブ(Accenture Interactive)において、デジタルコンテンツの責任者を務めるドナ・タス氏は、「我々のように幅広いコンテンツを扱えるエージェンシーはない。広告キャンペーンのためのプロモーション向けコンテンツだけでなく、社内コミュニケーションのための企業向けコンテンツにも力を入れている」と語る。
これまでに、先述のソフトウェア企業とアクセンチュア・インタラクティブは、進捗状況を共有し、活発な議論を促すため、4回ほど打ち合わせを実施している。
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6億ドルのコンテンツ事業
PwC(PricewaterhouseCoopers)やデロイト(Deloitte)のような、独自のエージェンシー部門を擁するほかの大手経営コンサルティング企業と同様に、アクセンチュア・インタラクティブはコンテンツ、コマース、マーケティング、エクスペリエンスなどさまざまな分野で、エージェンシーサービスを提供しており、全体で30億ドル(約3000億円)を売り上げている。
「アドバタイジングエイジ(Advertising Age)」のアドエイジデータセンターによると昨年の売り上げは、デロイトデジタル(Deloitte Digital)が約16億ドル(約1600億円)、PwCデジタル(PwC Digital)が11億ドル(約1100億円)だった。アクセンチュアでは、コンテンツ業務だけでも、フルタイムのスタッフが世界中で5000人も従事しており、昨年は6億ドル(約600億円)の売上があったという。
スタジオ内の編集室
スタジオ内の編集室
アクセンチュアは7月、コンテンツ制作をさらに推進するべく、マンハッタンのソーホー近辺に約1万平方フィート(930平方メートル)のコンテンツスタジオを開設し、ディスプレイ、動画、電子メール、ラジオ、テレビのほか、最近では仮想現実や3Dプリントなど、さまざまな形式のコンテンツを制作している。
コンテンツに対するアクセンチュアの大きな投資は、2016年に実施した17カ国14業種にわたる1000人を超えるシニアマーケターへの調査に基づいている。この調査によると、調査対象の90%が企業の経営陣(エージェンシーではなく)はコンテンツを所有するべきだと考えており、また83%が今後2年間で世界的にコンテンツの制作が増えると考えている。
制作会社のような役割
オグルヴィ・ヘルスワールド(Ogilvy Healthworld)の元CEOであるタス氏は、「我々のクライアントはコンテンツに年間約6億ドル(約600億円)を使っているが、現在、そのうちエージェンシーが提供しているコンテンツは、おそらく2億5000万ドル(約250億円)程度だ。我々は視野を広げて、その隙間を埋めたいと考えている」と語った。
コンテンツ業務のもっとも急速に成長している柱は戦略だとタス氏は言う。アクセンチュアはこの部分で、コンテンツ運営モデルとさまざまなチャネルにまたがるグローバルな編集戦略について、直接企業に協力している。クライアントの60%近くが独自のコンテンツスタジオを設置しており、アクセンチュアは未経験企業に対してスタジオの設置と運営を手伝うこともある。「エージェンシーの場合は、ブランドがクリエイティブの作業を社内に移したいと考えれば、それは仕事を失うことを意味する」とタス氏は語る。
しかし、アクセンチュアのコンテンツ業務はほとんどの場合、制作会社のような役割を果たす。たとえば、最近ではスタッフ25名を大手製薬会社に送り込んだ。スタッフはそこで、ブランドのマーケターたちと直接協力し、その製薬会社が契約しているクリエイティブエージェンシー25社から提供されたデザインに基づいてコンテンツを制作した。
タス氏は次のように述べている。「ブランドが複数のクリエイティブエージェンシーをひとつにまとめ、制作は単一のパートナーに出すというのが現在のトレンドだ。したがって、我々はクライアントと契約しているエージェンシーのデザインに基づいて、クライアントのために多くの制作業務を行うし、我々のスタジオをネットワークとして利用しているエージェンシーも少しいる」。
弱点克服のための投資
アクセンチュア、デロイト、PwCといった経営コンサルティング企業は、戦略の実施よりも戦略そのものを重視していることを批判されてきた。コンテンツスタジオの設置は、アクセンチュアがこの問題に正面から取り組んでいる表れだと、デザインコンサルであるブランド・ユニオン(Brand Union)のクリエイティブディレクター、サム・ベッカー氏は語る。
「アクセンチュアがコンテンツに強い関心を抱くのは驚きではないが、取り組みの規模が注目に値するのはたしかだ」とベッカー氏。
アクセンチュアは、2016年末までに同様のコンテンツスタジオを世界で6カ所開設する計画であり、これによりデロイトとPwCに対して競争上の優位性が得られるとアクセンチュアのタス氏は考えている。
同氏は、「PwCとデロイトがやってきたことを見ると、従来からある分野の買収に手を出しているのだと思われる。我々はもっと革新的な投資をいくつか検討している」と語った。
この流れがもたらすもの
アクセンチュアのような経営コンサルティング企業がエージェンシーの分野に少しずつ進出し続けていることについて、エージェンシーが脅威を感じるべきなのか、ブランド・ユニオンのベッカー氏には確信がない。というのは、どのエージェンシーも内部に経営コンサルタントを受け入れているからだ。さらに、クライアントが重要な仕事の大半を社内で進めること選ぶようになっていると、ベッカー氏は指摘する。
「エージェンシーにとって朗報なのは、誰もがこれまでよりもブランドとデザインを真剣に考えるようになってきていることだ。エージェンシーにとって難しいのは、クライアントが求めているくらい自分たちが深く物事を捉えられると証明することだ」と、ベッカー氏は語った。
2016年 8月22日
DIGIDAY
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