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ボルカー氏、アンダーセン立て直しに向け改革案を発表

　米大手会計事務所アーサー・アンダーセンが同業他社への全面的あるいは部分的な身売りを検討する中、ポール・ボルカー連邦準備制度理事会前議長は11日、対策案を急遽発表した。
記者会見の中で、ボルカー氏は監査部門とコンサルティング部門の分離計画を明らかにした。また11日には、大手顧客である米宅配大手フェデックスもアンダーセンとの監査契約を打ち切ると発表している。
ボルカー氏の推奨と同時に、アンダーセンはデロイト・トウシュ・トーマツを含む５大会計事務所への全面的あるいは部分的な身売りについて交渉をすすめている。一方米司法省はエンロン破たんにからんで複数のアンダーセン従業員が、関連書類を破棄したことから司法妨害に基づく同社への起訴を検討している。
司法省はアンダーセンに14日までに和解案を提出しなければ訴訟に踏み切るとしており、交渉が続いている。
　一方身売りに関しては、エンロンの監査処理や関連書類の破棄に絡んで膨大な債務が発生する可能性があり懸念されることから、デロイト側がこうした債務から保護されるような身売り案を打ち出す必要がある。ある関係者はアンダーセンが連邦破産法第11条の適用を申請し、エンロン関連の債務を扱う信託基金を設立する戦略を提案している。
ボルカー氏は、潜在的または実質的な利害の不一致が生じる懸念があるとして、戦略策定、法務、経営者採用、「積極的」な税務計画など監査業務に直接関連しない業務を分離すべきである、と指摘した。
ボルカー氏の指摘の中には、デロイトの経営側が合意する用意のある条件を超えている部分もある。デロイト関係者は「あらゆる良いアイデアを聞きいれる用意がある」としており、この文書についても検討中とのことである。

2002年 9月9日
ダウ・ジョーンズ

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