インターネット上に流れる消費者の声や行動を収集･分析する - 野村総合研究所(NRI) 転職、採用情報

NRI野村総合研究所（本社：東京都千代田区、社長：橋本昌三）は、EC（電子商取引）などインターネット上を流れる情報を用いたマーケティング支援サービス「NC-Gate」（Next Customerの入り口の意味）を2001年7月から始めます。

インターネット上には、消費者が商品を検索した際のログ情報、商品選別に逡巡した状況、掲示板に記された情報など、消費者の生の声や消費行動が多く残されています。NRIでは、消費者が残したこれらの情報を収集蓄積し分析することによって、消費者の購買理由、非購買理由、商品毎の価格弾力性、消費者から見た商品イメージの分布など、各企業のマーケティング活動に必要な情報を生み出すという、従来にない新規の分析サービスを開始します。この分析には、従来からのデータマイニング技術に加え、膨大なテキスト情報を分析するために開発した当社独自のテキストマイニングツールも利用しています。この分析結果情報がメーカー・小売り各企業の意思決定に有用な情報となるとの見極めができたため、ASPとしてのサービス提供を始めます。


従来のマーケット分析手法では、郵送などによるアンケート実施で1000サンプル程度のデータ回収が必要とされてきましたが、今回、通行量の多いインターネット上のコミュニティサイトの情報を取得することによって、ほぼ１週間単位で同様の分析ができることになります。なお、各社個別のECサイトで顧客動向を収集し、新商品開発に繋げることを目標とする動きが昨年末から盛んになってきておりますが、個別のECサイトが単独で行う場合は、データ量の安定的な確保が課題になっていました。

メーカー・小売り各社が、今回のような社外の消費者情報を活用する場面として、具体的には次の点が既に挙がっています。

メーカーのブランドイメージ見極めと、顧客属性別分析によるプロモーションターゲットの見極め
プロモーション効果の測定
新商品発売前の消費者興味度合いからの発注量見極め
商品発売後の消費者興味度合いから、在庫処分のタイミング見極め
商品別の価格弾力性分析
消費者から見た競合商品群のグループ化
商品別の顧客満足度
各機能スペックに対する消費者注目度の推移
いずれも、データだけではなくASPによる分析ツールを各社に提供することにより、各社担当者の個別のニーズにも答えることが可能です。また、各社が保有するPOS分析データとマッチングすることで、過去からの実績推移からインターネットデータによる予測への流れを見ることもできます。

EC自体は株価の低迷もあって、一時の勢いをなくしているといわれますが、今回のように、ECをマーケティングツールとして利用する可能性が認識されれば、リアルのメーカー・小売りの参入を促すきっかけになると予想します。またNRIでは、消費者動向に関する情報を保有するECサイトとは積極的に提携を考えており、ベンチャー企業の活性化に繋げたいと考えています。

NRIは、インターネット上での情報量が多いパソコン、デジカメ関連でこの手法を確立し、次には、家電やその他製品サイクルの早い生活材にも同様の手法を適用してサービスを拡大する予定です。「NC-Gate」は初年度１億円、5年後には10億円の売り上げを予定しています。

2001年 9月16日
株式会社 野村総合研究所

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