人気職種でもあるコンサルティングファーム、優秀な人たちが集まり、切磋琢磨することができ、刺激のある環境ですが、実績が挙げられなければクビになる、ついていけない場合には辞めざる得ない、といった印象から離職率が高いのではと思っている人も少なくありません。
コンサルティングファームの離職率は大まかに20%程度だと言われており、一般企業の2020年の離職者は727万人で離職率は14・2%。(新型コロナウイルスの影響で近年の中では比較的高い数字となっています。とある企業のグローバル調査によると、働く人の約40%が今後3?6カ月以内に離職すると見られており、離職を考えている人の約3分の2が次の仕事を確保していない状態なのだそうです。)
数字だけで比べてみると、コンサルティングファームの離職率が一般企業よりも高い傾向にあるということは事実ですが、辞める理由は少し一般企業とは異なる背景があります。しかし、最近では社員が定着するように、退職防止に力を注いで、福利厚生含めあらゆる制度を充実させているファームも多く、状況は変化しています。
コンサルティングファームの中でも特に、外資系や戦略系に多いとされている『UP or OUT』は「昇進するか、さもなくば退職するか」という意味ですが、今現在ほぼこの制度はないでしょう。
会社からクビ宣告を受けて辞める、すなわち"OUT"になる人はほとんどいません。実際にはほとんどの人が「クビ」によって退職するのではなく、自主的に退社していくのです。UP or OUTの"OUT"は「今の会社で昇進できないから退職する」のではなく、「他の業界や会社の方が成長できるから転職しよう」といったようなポジティブな考え方に基づいています。
そもそもコンサル業界に集まるのは成長志向の強い人が多いです。違う領域のコンサルにチャレンジしたい、さらに自身の武器を磨くために領域特化したコンサルに行きたい、コンサルスキルを基に事業会社で実際に経営に携わりたい、などなど、新たな道を選び"OUT"する方が多い傾向にあります。
また、コンサルティングファームではこれまで以上に育成に力を入れており、1年で成長する人もいるし3年掛かる人もいる、個々に応じた育成プラン(メンター制度:若手コンサル一人に先輩コンサルが付く)で"OUT"にならないように様々な制度設計をしています。『UP or STAY』や『UP or Growth』というような言葉で、「成長するまで待つ」という意味合いの標語を掲げているファームも出てきています。
一概には言えませんが、コンサル業界における平均勤続年数は3?6年と言われることが多く、この数字も一般企業と比較するとかなり低い数字となっています。例えば、2018年?2019年の平均勤続年数のデータでは、ドリームインキュベータ(DI)が4.4年、ベイカレント・コンサルティングが4.0年となっています。
国税庁が公表している「平成30年分 民間給与実態統計調査」によれば、平成30年度の日本の平均勤続年数は12.2年となっているため、やはりコンサル業界の勤続年数はかなり短いことがわかります。
しかしこの数字はネガティブなものばかりではありません。UP or OUTのOUTのように、他の会社ではさらに成長できる!自分の経験を活かせる場でさらに上を目指したい!という理由で転職する方が多数いるのです。
コンサルとしていくつかプロジェクトを経験したものの、これまでとは異なるテーマのプロジェクトを経験したいという向上心から、独立して起業する人もいれば、あえてベンチャー企業を選びその中で多くのことを成し遂げる人もいます。多くのことを学んだおかげで、自分が本当にしたい仕事を見つけ、その道を進むことができた人もいるでしょう。リスクもあるし、待遇も決して良いものではなくとも、起業やベンチャーでチャレンジしたいという思いから積極的に行動しています。
国内外の有名企業の経営陣や、有名ベンチャー企業に目を向けてみますと、多くのコンサル出身者が活躍しているのが分かります。(かくいう弊社もコンサル出身者が活躍しています)また名前は出ていませんが、事業部でのマネジメント職や、経営企画室などでも多くのコンサル経験者が在籍しており、皆様ポジティブな背景からコンサルから次のキャリアを選んでいます。
一般的な会社の辞める理由としてネガティブな理由(会社が合わない、上司と合わない、給与が低いなど)で転職を考える方も少なくありませんが、一方でコンサルティング業界では上記にもあるような前向きな転職が非常に多い業界となっています。
その理由として自身の能力のさらなる成長、キャリアプランの実現、などが見られ、コンサル業務を行っていく上で更なるステップアップを望む方も多いでしょう。
自分のやりたいことはたくさん浮かんでも、その時間を継続して確保することが厳しいという状況に直面することもあります。自身の現状と将来を見通し、次の道を見つけるのが最善であるという客観的かつ合理的な判断のうえでの退職は非常に前向きなものと言えるでしょう。
このコンサルタント業界というものは「大手企業の経営企画に転職してコンサルの経験を生かしてさらに頑張っていきたい!」「ここでの経験を生かして自身で起業したい!」といった具合に、コンサル経験を踏まえた転職が多い業界です。このようなことを入社する前から、数年間をめどに転職するつもりで入社する方も多く、自身のキャリアに明確なプランを持っているという方も多いのです。
アルムナイとは「Alumni=同窓生」という意味で、外資系のコンサルティングファームを中心に広まった制度でOBやOGなど「過去に直接的な雇用関係にあった人の集まり」を指します。一企業への在籍年数が平均5年以内と短いコンサル業界ではネットワークの規模が大きく、結束力も強いものとして最近ではコンサル業界以外の企業でも注目されています。
とあるファームではアルムナイのメーリングリストがあり、現職の企業で何か困ったことがあった場合、そのリストにメールをすると誰かが助けてくれる、といった繋がりや、アルムナイパーティーといった集まりも盛んに行われ情報交換やビジネス上のやり取りもあるそうです。アルムナイによって得られた情報や人間関係を元に、新しいサービスや事業が創出されるきっかけになったり、新しい取引先や商談が増えたりすることにもつながっているとのことです。
こうした辞めた人たちが、次のキャリアでもつながりを持っていることは、一般企業ではほとんどあり得ないことで日本の企業や組織としては転職や離職、退職した場合はネガティブに受け止められがちで、コンサルティングファーム特有のものかもしれません。
コンサルティングファームにおいて離職=ネガティブなものではなく、次のキャリアへステップアップするポジティブなものと考えている表れでもあるでしょう。
ひとときでも"仲間"だった人は、いつまでも仲間であり続けるという考えのもと、たとえ新天地へ出発したとしても、元社員とのつながりを大切にし、新しい関係性の中で社会に届けうる価値を見つけ、共に築いているのです。アクセンチュアでは、現在30万人以上のアルムナイが在籍しています。それほどまでに、アルムナイの存在はかけがえのない大切なものなのです。
コンサルティングファームでは実は出戻りも推奨されており、一度事業会社などで経験を積み、また元のファームへ戻ることも少なくありません。出戻り社員というレッテルを貼られることもほとんどなく、むしろ即戦力として期待される存在になっています。これも上記のポジティブな退職だからこそ出来ることでしょう。(もちろん、これは円満退社の場合によるものですが)
また、前職の事業会社での知見を活かせる、前職とのカウンターパートとしてセリングができるといったメリットがあると選考に有利に働くなど、むしろ「出戻りしてくれたことで、良いものを企業内にもたらしてくれる」と判断されるようです。
とはいえ、折角入社した優秀な人材を数年で辞められてはコンサルティングファームも辛いのが現状です。競合他社に移ったとなれば尚更です。こうした背景から年々、定着化の為の制度作りやワークライフバランスの改善に取り組んでおり、個々のコンサルタントのキャリアプランが達成できるよう良い環境づくりが行われています。
各ファームで、様々なことが義務化されつつあり、例えば18時以降の会議の原則禁止や残業の適用ルール厳格化、フレックスタイム制度、短日短時間制度、在宅勤務制度の導入などを行うことで自分自身で働く時間を選択し、精神的にも余裕を持つことができるようになりました。またプロジェクトアサインも本人の希望を優先したり、今後のコンサルタントとしてのキャリアを会社単位で考え、こうした経験が必要だからこのプロジェクトにといったアサインや、メンター制度と呼ばれる1対1での若手人材へのフォローなどの取り組みも増えています。
上記のような取り組みのおかげで、残業時間が1人あたり1日平均1時間に減少したり、離職率が実施前の半分に、有給取得率を70%から85%に上昇などといった分かりやすい結果が出ているファームもあるようです。
コンサルティングファームの離職率が一般企業と比べて高いのは事実だが、退職理由はネガティブではなく、自身の成長やキャリアプランの実現、さらに厳しい環境へなどのポジティブな理由が多い。そのためアラムナイと言ったファームを辞めてからの繋がりも強く、ビジネス上で新しいサービスが生まれたりなど、普通の企業ではあまりない関わり方をしている。
とはいえ優秀な人材を短期間で辞められるのもファーム側としてはマイナス。制度改革や個々のキャリア形成に向けて働きやすい環境を整えるなど様々な取り組みを行っています。
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