2020年からのコロナウイルスの影響により社会的な不安も大きい中、コンサルティング業界では大きな動きがありました。
コロナ禍により加速している企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）を軸に続々と新規立上げコンサルティングファームが増えています。
特に大きな特徴として、日本を代表する大企業が母体となり設立されていることが挙げられ、これまで蓄積してきたソリューションやクライアントとのリレーションを武器に主にDXにフォーカスしたコンサルティングを手掛けています。

これまでも国内コンサルファームにおいては外資戦略コンサルや大手総合系コンサル出身者が少数精鋭の新規ファームを立ち上げるなど、毎年多くのコンサルティングファームが生まれており、もちろん上記の通り大企業を資本として設立されるファームもありましたが、ここまで短期間に大企業が絡んだコンサルファーム立上げはコンサル業界の歴史を紐解いても稀な状況と言えるでしょう。

やはり背景としてDXをテーマとしてコンサルプロジェクトが多くなってきたことが一因としてあり、DX関連のソリューションや知見を多く保持している企業が新規参入する機会が整っていたこともあるかと思います。

以下いくつか新規コンサルティングファームをご紹介していきます。

社名 Ridgelinez株式会社（Ridgelinez Limited）
URL 日本：https://www.ridgelinez.com/
設立 2020年1月15日
代表 今井 俊哉
資本金 1億円（富士通100％出資）
所在地 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号　丸の内パークビルディング

日本を代表するICT企業である富士通株式会社が立ち上げた、日本発のDX(デジタルトランスフォーメーション)カンパニー。
社長には、日本および海外のIT・製造業を中心に30年以上にわたるコンサルティング業界での経験を持つ、元PwCコンサルティング合同会社 副代表執行役 シニアパートナーの今井俊哉氏が就任。
-目指すべき姿を明確化した、適切なストラテジー。
-ツールありきではない、利用者目線のテクノロジー。
-迅速な実装を可能にする、最適な方法のデザイン。
の3つの力を兼ね備えた変革のためのパートナーとして今注目のコンサルティングファームとなっています。

主要メンバーについては上記でご紹介させて頂いた今井氏をはじめ、大手ファーム出身者から富士通グループである富士通総研、さらに富士通本社内からもエース級の人材が集まっており、富士通という大企業がこれまで蓄積してきたノウハウやソリューション、さらには新規立ち上げということで組織作りにも参画できるという魅力から、多くの人材がジョインしています。

リッジラインズ（Ridgelinez） 転職情報

社名 ドルビックスコンサルティング株式会社
URL 日本：https://www.dolbix.com/
設立 2020年12月21日
代表 佐藤　由浩
資本金 500百万円
従業員数 150名（2021年8月時点）
所在地 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号

丸紅グループが新規立上したコンサルティングファーム。
丸紅グループが展開する多種多様な事業領域におけるビジネスネットワークやパートナー人脈、パートナリングや販路開拓のノウハウなどを活用しつつ、多様な事業領域でのDXを展開している。
丸紅グループの中にはSIやITソリューションを提供している丸紅ITソリューションズ、丸紅情報システムズなどもあるが、ドルビックスコンサルティングは完全に独立した組織であり、且つ丸紅グループが持っている知見ノウハウをまとめる役割も担っており、丸紅グループの「頭脳」と位置付けられています。
主要メンバーには複数ファームを経験しアビームコンサルティングの戦略コンサル部門を率いた武藤氏をはじめ、外資戦略、シンクタンク、大手総合系ファーム出身者がマネージングディレクターとしてジョイン。丸紅からの出向者は数名で、主要メンバーの大半はコンサルティングファーム出身者となっています。
今後については、まずは顕在化している丸紅グループ各事業のDXニーズに対応するコンサルティングを行い、事業を拡大するとともに知見を貯めていき、その後蓄積した知見でグループ外の案件も手掛けていく構想となっている。

ドルビックスコンサルティング 転職情報

社名　株式会社GNUS（英文表記：GNUS Inc.）
所在地　東京都新宿区西新宿1-1-6 ミヤコ新宿ビル
資本金　4.25億円
代表者　代表取締役CEO　文分 邦彦

電通グループとして設立、企業のDX推進・新規事業の２つを強みとし、クライアント向けに企画から開発まで一気通貫でコンサルティングを行っているファームです。
特徴は同社が保有するネットワークにいる優秀なフリーランス（シリコンバレー）のエンジニアやデザイナーとでプロジェクトを組み推進していく点。
デジタルトランスフォーメーションのコンサルティングの経験があるコンサルタントチームと、選ばれたフリーランスエンジニアが集まるグローバルネットワークが連携して、クライアントの事業課題のコンサルから課題解決に必要なソフトウェア解決までをワンストップで行うことができるユニークな会社です。
決まった仕様を実現するだけではなく、ユーザーやクライアント目線でより良いプロダクトにしていくためアジャイル開発プロジェクトが主軸。
創業間もない企業ですが、電通経由以外にも案件が豊富で、既に大規模プロジェクトが複数稼働しているそうです。

社名　Xspear Consulting 株式会社 （クロスピア コンサルティング株式会社）
本社所在地　東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー19階
資本金　20,000,000円（資本準備金含む）
代表取締役社長　早田 政孝

Fintech、金融システム領域のリーディングカンパニー、シンプレクス・ホールディングス（東証一部上場）の戦略子会社として設立されたDXコンサルティングファームです「Xspear Consulting（クロスピア コンサルティング）」
既存事業である金融機関向けシステムコンサル以外の事業領域を切り拓くことをミッションとし、 DXに取り組むあらゆる企業に対して、戦略策定、業務改善、組織改革などのコンサルティングサービスを提供しています。ハイレベルなエンジニアを有するシンプレクスとのシナジーを活かし、AI、ブロックチェーンといった新技術を活用したコンサルティング、プロダクト開発にも挑戦していく方針。
代表の早田氏はアクセンチュアからシンプレクスというご経歴で、金融領域を得意とするシンプレクスの中で、主に非金融機関を相手とする案件開拓に従事するなど、同社の事業拡大・変革に先陣を切って行ってきた一人。主要メンバーは外資戦略ファームや大手総合系ファーム、監査法人系ファーム出身者や、シンプレクスからの転籍組。

ご紹介させて頂いた4社はいづれも大企業を母体とするコンサルティングファームであり、これまで蓄積したノウハウを活用したDXコンサルを展開しています。
一口にDXといっても、一般企業においては業種も違えば、課題も違うため、それぞれのコンサルティングファームが特徴を持ってコンサルティングを手掛けています。例えばプロダクト開発や新規事業立案はAファーム、マーティングはBファーム、現場オペレーション改善はCファームと、企業においてもDXの中でも得意領域をもったファームに依頼するなど、コンサルティングファームの使い方もそれぞれとなっています。
こうした背景から他大手企業から新しいコンサルティングファームが生まれるかもしれません。